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パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」 Posted on 2023/05/22 Design Stories  

 
可愛らしい上に無料で入れるミュゼが、パリ9区にある。
モンマルトルの丘からも近い、ロマン主義博物館(Musée de la Vie Romantique)だ。
元はロマン派の画家、アリー・シェフェールのアトリエ兼自宅だったのだが、のちに子孫がパリ市に寄贈し、1987年に博物館として生まれ変わった。
 

パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」

※パリ市が管理するため入場は無料となっている。別館で行われる企画展は有料。



 
シェフェールはドラクロワやリスト、ロッシーニ、ショパン、ジョルジュ・サンドなど、名だたる芸術家たちと親交があったという。
博物館の一階ではそのうちの一人、ジョルジュ・サンドにまつわる展示が多いのだが、現在は仏人画家であるフランソワーズ・ペトロヴィッチ氏の作品が共に並んでいる。
ペトロヴィッチ氏は今回、「風景と愛」をテーマとし、19世紀ロマン主義の延長線上にあるものとは何か? をコンテンポラリーアートで追及したそうだ。
 

パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」

※2023年4月5日〜9月10日まで。

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美術館・博物館のもう一つの楽しみといえば、併設のカフェではないだろうか。
首都パリには素敵な場所が多く、今の季節は特に、テラス席が気持ち良い。
 

パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」

 
ロマン主義博物館にも「隠れ家カフェ」がある。
道路に面しておらず、館の隣にひっそりと佇むこのカフェは、アリー・シェフェールが暮らしていた当時にもあった“庭の温室”をそのまま利用しているのだという。
 

パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」

※カフェの名は「ローズ・ベーカリー」。

パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」



 
パリでは今、薔薇があちこちに咲いている。
ロマン主義博物館でもたくさんの薔薇が咲いていて、一年でいちばん美しい風景を見ることができた。
さて、「ローズ・ベーカリー」のケーキはオーガニックで有名だ。
ブラウニー、スコーン、パウンドケーキなどが並んでいて、限定スイーツでは季節野菜の“ルバーブ”を使用したタルトもあった。
 

パリ最新情報「初夏のティータイムは、新緑かおる美術館のテラスで。」

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パリで見つけるのに苦労する、アイスコーヒー、アイスカフェオレ、アイスティーのメニューもある。
ちょっと歩けば汗ばむ季節になってきたので、こうしたコールドドリンクの用意はとても有難い。
午後になれば、テラス席が木漏れ日に包まれる。
雰囲気も大変にロマンチックで、なかなか席を離れる人がいない、というのも理解できる気がした。

ロマン主義博物館はパリジャンにも人気の高い場所だ。
カフェだけに行くという人も多いので、可能であれば平日の午前中に向かうのがおすすめ(月曜のみ閉館)。(大)
 

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