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パリ最新情報「無料だったコロナ検査、10月15日より有料に!」 Posted on 2021/10/17 Design Stories  

「ワクチン接種は自分自身と他人を守る最良の方法であり、長引くパンデミックから脱出するための鍵」とするフランス。コロナワクチン接種率は85,7%、ワクチンの効果か、ここ数ヶ月、1日の感染者数は6000人前後を推移している。義務となった衛生パスもすっかりフランス人の日常となりつつあるが・・・。一方、ワクチン反対派への風当たりは日に日に強くなっている。

パリ最新情報「無料だったコロナ検査、10月15日より有料に!」



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9月15日からワクチン未接種の医療従事者に職務停止処分がとられはじめ、さらに10月15日よりワクチン未接種者に対するコロナ検査の有料化が始まった。

ワクチンを接種していない場合、薬局などで簡易テストをうけ、15分ほどで発行される陰性証明を衛生パス(72時間有効)としてカフェやレストラン、美術館や映画などに行くことができる。
これまで、この検査は社会保障カードを持っていれば無料で受けることができたのだ。
しかし、この10月15日から、検査を無料で受けられる人の条件が厳しくなった。
現在、検査が無料になるのは以下の場合のみ。

ーコロナの症状があるワクチン完全接種済みの人(ワクチン接種証明QRコードを掲示)
ー未成年者(身分証明書の提示)
ー社会保障から濃厚接種者としての通知をもらった人(社会保障から届いたメール、またはSMSを提示)
ー症状があり、医者からの処方箋を持っている人(48時間以内の処方箋を掲示)
ー6ヶ月以内のコロナ回復証明を持っている人

要は、ワクチン未接種者の衛生パスを目的とする検査が有料になったということだ。
金額は、薬局で行われる抗原検査が約25ユーロ、ラボなどで行われるPCR検査は約45ユーロ。



コロナ患者の追跡に力を入れたフランスでは、2020年3月より約1億5千万回のコロナ検査が実施され、中でも、テストが多く行われた今年の8月には、週に600万回のコロナ検査が行われたという。
それらは全てフランスの社会保障で負担してきた。

国民にワクチンかロックダウンか、の2択を迫ったフランスは、基礎疾患やアレルギーなどはないがワクチンは接種したくないという人に対して、ならば政府がコロナ検査を負担し続けることはできない、と、突き放した形になる。

フランスは2回目の接種から半年以上経った人への3回目の接種を進めている(現在は医療従事者と65歳以上、基礎疾患のある人など)。
毎週土曜日には衛生パス反対デモがフランス各地で行われているが、週ごとに人数が減っているということもニュースになっていた。
フランス政府のこの強硬な姿勢がコロナ禍収束への鍵となるのだろうか。(み)

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