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パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」 Posted on 2021/09/11 Design Stories  

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

 
パリデザインウィークが街中いたるところで、9月9日より18日まで開催されている。
パリと言えばファッションデザインのイメージが強いが、これはインテリア家具やプロダクト製品などを主体としたデザイン展だ。



パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

 
メゾン・エ・オブジェ(Maison & Objet)という世界的なインテリアとデザインのトレンド見本市と同時開催で、見本市がプロフェッショナル向けなのに対して、こちらは若手育成を目的とした入場料無料のものだ。
これまた世界的なデザインイベント、イタリアのミラノサローネ国際家具見本市で、出店料が高い見本市に出せない若者たちが、ミラノの街なかで展示を始めたフォーリサローネに倣っている。
 

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

 
展示参加者はデザイナーを中心に、インテリアストアや、内装材専門店などの小さな路面店で開催されているものも含めて、その数300。
どこからみたら良いかわからないときにオススメなのが、「パリデザインウィークファクトリー」だ。
選りすぐられた、たくさんの作品を一気にみることができ、展示全体に一貫したテーマを感じた。
ちなみに、全ての会場、入場時には、衛生パスポートの提示が必須だった。
 

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

 
今回の展示で多く見受けられたものは、環境に配慮したリサイクルの更の先の概念「アップサイクリング」。
創造的再利用ともいわれ、廃棄物や副産物で、より価値のある製品へと作り替えることだ。
単なる再利用に留まらずに、付加価値をつけることがリサイクルとは異なる点。
 



パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

 
特によく目にしたものが、食品廃棄物を再利用した製品だ。
例えば、コーヒーの出がらしを素材にしたコーヒーカップや、オレンジの皮を再利用したコップ、ムール貝やホタテ貝の殻を利用した樹脂など、元の素材の温もりを感じる味わいのある仕上がり。
 

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

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一方で、漁業廃棄物に注目し、牡蠣の殻を再利用したガラス製品は、まったく牡蠣の存在を感じさせない。
美しい緑色は貝殻の成分によって出てくる「海の色」だといい、「海ガラス」と名付けられた。素敵なテーブルセッティングの展示に箸が使われていたのが、日本人としてちょっと嬉しい。
会場では、「海ガラス」製品制作の実演もみることが出来た。
 

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

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そして、更に直接的にゴミ問題に取り組んでいるのが、タンザニアやケニアのプラスチックゴミを再利用した家具だ。
家具に仕立てるまでを現地で行っている。こちらもまた、ゴミであったことを感じさせない仕上がり。
樹脂廃棄物を細かく砕きチップ状にし、溶かして角材にしたものを、熱で溶接したり、削ったりしながら形作る。
元の角材の素材感が、まるで木目のように美しく重厚感がある。
 

パリ最新情報「パリのデザイントレンドは『アップサイクリング』がキーワード!」

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手間をかけて再利用することが本当にエコなのかどうか、という議論もたまに耳にするが、来場者であるフランスの人たちの反応をみていると、素材の背景にある物語に惹かれているようだった。
古いものを大事にするフランスでは、経験を積んだモノたちが廃棄されずに再び生まれ変わること自体にも価値があるのかもしれない。(ウ)
 

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