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パリ最新情報「祝100周年!VOGUE PARIS回顧展が開催中」 Posted on 2021/10/08 Design Stories  

VOGUEといえば、ハイファッションの最先端を行く雑誌のひとつ。
掲載されるファッションは欧州の名門ブランドが軒並み名を連ね、この雑誌に取り上げられたモデルたちは世界的な知名度を獲得することになる。

そんな「大御所」的なVOGUE PARISが2020年で創刊100周年を迎えた。
パリのガリエラ宮ではこのアニバーサリーイヤーを祝うため、10月2日から来年の1月30日まで回顧展が開催されている。本来なら2020年秋に行われる予定だったが、コロナ禍のため1年延期されたという。

パリ最新情報「祝100周年!VOGUE PARIS回顧展が開催中」



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オープニング前日の夜には、世界中からセレブたちが駆けつけた。
アメリカ版の編集長、アナ・ウィンターやナオミ・キャンベル、クリスチャン・ルブタンやパリス・ジャクソンなど、VOGUEに深く関わるスターの姿があった。

パリ最新情報「祝100周年!VOGUE PARIS回顧展が開催中」

回顧展に入るとまず、VOGUE PARISの歴史ともいえる表紙のアーカイブに迎えられる。
その数はなんと400以上。時代を変えた強い女性たち、世界のビューティアイコンの面々はパリのファッション文化を彩ってきた存在だ。

全体を通して、1920年代の創刊当初から現在までVOGUEのページとともにフランスの社会情勢を知ることができるという内容で、実に興味深いものばかりだった。

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まず1920年代といえば、ココ・シャネル。”動きやすさ”という今では当たり前の感覚は、彼女によって確立された。女性を苦しいコルセットから解放した、シャネルの”ラ・ギャルソンヌ”ルックは今も有名なところ。

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1940年代に入るとフランスでは女性にも投票権が与えられる。戦後というのも相まって、女性のファッションはより自由に、「楽しむ」ものとなった。
この時代は歴史的な”ニュールック”がディオールから発表された時でもあった。スリムなウエストとボリュームのあるスカートで、フェミニン&リュクスなスタイルが特徴である。

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続いて、オードリー・ヘプバーンにグレース・ケリー、エリザベス・テイラーなど、それぞれの美しさを誇る大女優が映画界を席巻した50年代。
フランスではパブロ・ピカソ、ブリジット・バルドー、セルジュ・ゲンズブールなどが中心となりパリの文化芸術を底上げした。

しかしパリジェンヌたちはここで打って変わってカジュアルに方向転換する。元々はフランス海軍の制服だった”ブレトン・ストライプ”(いわゆるボーダー)がここで流行となり、映画内でもたびたび衣装として採用された。

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そしてフランスを代表する大女優、カトリーヌ・ドヌーヴはVOGUE PARISの表紙を飾った最多の存在である。1962年から2003年まで登場すること16回、回顧展でも「レジェンド」として紹介されていた。
60年ものキャリアを積んできた銀幕の女王は10月22日で78歳の誕生日を迎えるそうだ。年齢を超越して今も輝く、ドヌーヴ氏の今後の活躍が楽しみでならない。

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1970年から80年代は「写真家」の時代であった。
“20世紀を最も騒がせた”ファッション・フォトグラファーのヘルムト・ニュートン、ギイ・ブルダンといった巨匠たちの作品が展示され、多くの人が足を止め見入っていた。
その独創性かつ挑発的な写真からは、むしろ当時の方が今より「表現の自由」があるのでは?という印象を受けたほどだった。

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1990年代に入るとケイト・モスやシンディ・クロフォード、ナオミ・キャンベルといった「スーパーモデル」が台頭する。
颯爽とランウェイを歩く彼女たちは女性の憧れの的となり、時代のアイコンとして大活躍。
現役を引退した今もそれぞれが実業家や慈善活動家として活躍するなど、「パワフルな女性像」の草分け的存在となった。

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そして現在、VOGUE PARISが発信するのは「多様性」。
プラスサイズモデルやトランスジェンダーモデルも起用し、身の回りで起こるダイバーシティについて積極的にコンテンツを配信する。

また、体型や人種による待遇の違い、さらに環境問題についてもモデルたちが次々と声をあげたことによって一般の女性も随分と勇気づけられた。
今ではワーク&ライフバランスを主軸に多様性とは何か、多様化する社会におけるファッションの役割とは何かを提案し続けている。



急激なオンライン化に伴い、私たちを取り巻く常識は、めまぐるしい変化を遂げている。
そうした中で見た今回のVOGUE PARIS回顧展では、雑誌がいかに「夢を見させてくれる」ものであるかを再確認することができた。

今後は配信という形でどんどん「器」が変わっていくのだろうが、VOGUEの本質的な役割はずっと変わらないのだと思う。

しかし100年ものあいだ埃をかぶらず、こうしてVOGUEらしさを保っていられることもすごい。それはやはり、時代の躍動感を映し出すクリエイターたちの存在が大きいのではないだろうか。
単なるファッション誌だけでなく、作品集としても見れるVOGUE PARIS、この2020年代をどう彩るのか興味をそそられた。(聖)

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