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パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」 Posted on 2022/01/15 Design Stories  

パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

 
これまでも当サイトで何度か取り上げてきた、パリで日本酒をつくるWAKAZE。
この度、パリのシリコンバレーともいえる、スタートアップの聖地Station Fの起業家向けプログラム「Founders Program」に、日本のスタートアップとして初めて選ばれた。
今回の応募は、採用率7%という狭き門だった。
 



パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

 
Station Fとは、パリ東側13区のセーヌ川からほど近い場所にあり、2017年にスタートアップを育てる場としてオープンした、3000を超えるワークエリア、会議スペース、ホールを備えた施設だ。
キャンパスと呼ばれる、34000平方メートルの広大な空間は、旧国鉄の貨物列車の駅舎だったラ・アール・フレシネ (La Halle Freyssinet)を改装したもの。
かつて貨物輸送の要だった場所が、デジタルで世界に繋がる新しい空間に生まれ変わる様は、時代を象徴している。「スタートアップの90%の課題は、周りのスタートアップから学んで解決できる」というプログラムの標語どおり、ここでは、1000を超えるスタートアップとベンチャー企業が共に切磋琢磨する。
 

パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

 
そもそも、WAKAZEは今どんな日本酒をつくっているのだろうか。
以前、当サイトがインタビューをした2020年3月時点では、甘い飲み口の「C’est la vie」が看板商品だった。
あれから2年経ち、ラベルは一新、「THE CLASSIC」と名前も改め、看板商品以外の種類も増えた。
今年の新酒の仕上がりは、「甘酸っぱい果実のようなフレッシュさとキレのよい後味の飲み飽きしない1本になった」と、代表取締役の稲川氏。
「現地素材×低精白食用米×現地酵母」というWAKAZE FRANCEの基本の骨格を残しつつ、「軽さ」「香り」を強く意識したそう。
南仏カマルグ産の米に、現地のワイン酵母と、徹底してフランス産素材での酒造りにこだわっている。
 



パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

※以前の「C’est la vie」

パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

※新しい「THE CLASSIC」

地球カレッジ



 
特に、新しい試みを提案するLABというシリーズには注目だ。
「MIKAN SAKÉ」や、「NIGORI SAKÉ」など、主力商品とは異なる個性的な酒を定期的に発表。
一番人気は「YUZU SAKÉ」。フランスでは柚子ブームが起こっているが、やはり人気のようだ。
 

パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

 
また、一番の挑戦作は、バラのボタニカルSAKE「ROSE D’ISPAHAN SAKÉ(ローズ・イスパハン・サケ)」だったそう。
パリのパティスリー好きだったらすぐにピンとくる、あのお菓子のイスパハンの味だ。
バラ、フランボワーズ、ライチ、3つのそれぞれ香りと、味わいの調和をとるのに試行錯誤したそう。
 

パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

パリ最新情報「パリで日本酒をつくるWAKAZEがスタートアップの聖地に乗り込む!」

 
これまでWAKAZEの商品はECサイトでの販売が主だったが、看板商品の「THE CLASSIC」と「YUZU SAKÉ」は、フランス大手ワインショップチェーンのNicolas(ニコラ)でも販売される。
フランスでも手軽に日本酒を購入できることで、より日本酒が定番化していくだろう。STATION Fの「Founders Program」に加わることで生まれる、WAKAZEの更なる挑戦に期待したい。(ウ)
 

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