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パリ最新情報「コロナと共に変わった、ファッション・ウイークの新しい姿」 Posted on 2021/01/05 Design Stories  

コロナの影響で、世界中の大小のイヴェントが中止、延期、または完全に姿を消してしまっている昨今、ファッションウィークも困難を強いられているが、しかし 決してその流れを止めない努力を、モード界は続けている。

各国のファッション連盟がデジタル化を成功させている。
例えば昨夏からデジタルを中心にファッションウィークを運営するミラノは、イタリアファッション商工会議所によると、この秋のデジタル中心のファッションウィークでは4500万という今までとは比べ物にならない飛び抜けたビュー数を記録した。
見せる方も、見る方も、ファッションを死活させない努力を本当に惜しんでいない。
このようにイヴェントも満載したデジタルプラットフォームの手応えは決して悪くないが、しかしもちろん、触ったり、本物を見て感じることの大切さには譲れないことは、誰もが認めるところだ。

 

パリ最新情報「コロナと共に変わった、ファッション・ウイークの新しい姿」



さて、毎年恒例の1月のファッションウィーク。
ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリと華麗な舞台が続き、人気モデルたちが世界を飛び回るシーズンだが、昨年秋のそれ同様に、今回も各都市でコロナに対応した展開を強いられ、再オーガナイズがなされている。

パリは、1月19日から24日までメンズファッションウィークの開催が決定した。
1月4日現在ではロックダウンが予定されておらず、夜間外出禁止令(パリは夜8時から朝6時まで)であることも、開催を決めた理由かもしれない。
しかし、三度ロックダウンが起こる可能性も否定できず、現時点では「リアルまたはデジタルで」と伝えられている。

71のメゾンが2021–22秋冬のコレクションを、 そして引き続き25日から28日には31のメゾンが2021年春夏のオートクチュールコレクションを発表する予定だ。
毎年世界から溢れるほどのファッション界の人々がやってきて、パリ経済の貴重な役割も果たしていたパリファッションウィーク(ファション連盟によるとその一年の収益は約12億ユーロ)。
今年は全くもって無理だが、フランスはモードというパリの命の一つである炎を、小さくとも燃やし続ける。

パリ最新情報「コロナと共に変わった、ファッション・ウイークの新しい姿」



蛇足だが、昨年のファッションウィークの時に、フランスで大活躍した高田賢三氏が亡くなったことは記憶に新しい。
彼の訃報を、フランスでは新聞もメディアも大きく取り上げた。それだけではない。
エマニュエル・マクロン大統領と大統領夫人ブリジットが、エリゼ宮の正式サイトに、彼への長文のお悔やみの言葉を捧げている。
書き出しが素敵だ。
「多くの有名なファッションデザイナーたちが自分の姓をブランド名にします。彼は名前を使いました。そしてその名は世界中で、エレガンス、愉快さ、開花、カラフル、の代名詞になりました」
フランスでは、モードは尊ぶべき芸術のひとつなのだ。経済だけでなく、芸術という視点でも、この国ではファッションウィークを続けていく意味がある。

 



ミラノも1月から2月の2週間の開催を発表。2021–22秋冬のメンズコレクションが1月15日から19日、ウィメンズが2月23日から3月1日までを予定している。 ファッションはイタリアでは2番目に重要な製造業だがやはりコロナによる大きな痛手では否めいない。
今回もデジタルが中心であっても開催、前進していく気合いだ。

コロナ禍の中、ファッションの世界も大きな変容を求められているが、デジタル化など明るい兆しを探しつつも、もう暫くはやはり苦しい綱渡りが続きそうな状況である。
イングランドに至っては、全土でロックダウンに突入してしまったが、それ以前から変異種の拡大感染を受け、1月のメンズ開催は中止が決定していた。
そこへきてのロックダウン、2月中旬まで全土封鎖が続く可能性が出てきたため、2月19日から23日のウィメンズは開催予定であったが、これも絶望的となった。
日々、変化するコロナの状況に振り回されながら、世界のファッション界も、さらなる変化が求められていくことになりそうだ。(ア)



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