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パリ最新情報「金持ちだけ楽しんでいる、愉快犯的闇営業に批判殺到」 Posted on 2021/04/06 Design Stories  

先ごろ、日本で厚労省の職員23人の会食が発覚した。
ここフランスでも、高級レストランの闇パーティーに潜入したニュース番組のルポルタージュが発端でパリ警視庁が捜査に乗り出す騒ぎが起きている。
フランスでは日本と違い、レストランの営業自体が禁止されている。

ニュース番組は二つのレストランに潜入しており、その一つはハイソな地区にあるスターが集うプライベートレストラン。紹介制らしい。
ランチ、ディナーの営業をしており、メニューは140(約2万円)ユーロから490(約6万5千円)にユーロに及ぶ。
店内では、誰もマスクをしておらず、もちろん、客もマスクを外す。
「そのドアを一枚越えるとここにはコロナはない。ここにくる人にはリラックスしてほしい」がうたい文句なのである。



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もう一つ潜入レポは、4月1日にオーガナイズされた会費制パーティーの様子。
パリ市内にある有名なコレクショナーの所有するパレス、会費は220ユーロ(約3万円)。
キャビアとシャンパーニュの会だという。
40人ほどの客はもちろんマスクはしておらず、ビズをし合う姿まで隠し撮りされていた。
驚くべきは、このパーティーの主催者という人物の証言である。
その人物は、
「今週2、3軒の闇営業レストランに行ったが、レストランには大臣の姿もあった。(闇営業レストランに禁止する側の人間がいるなんて)ちょっと笑えますよね」
と皮肉った。
ルメール経済相は「それなら名前を出してみてほしい。政権の中にそんなことをするメンバーはいない」と即座に反論した。
その後の調査で該当する大臣は今のところ特定されていない。



この秘密パレスは内装や絵画の様子からすでに特定されている。
この主催者は、以前、自身のYouTubeチャンネルで、
「自分は政府内に多くの友人がいる。例えば、友人であるガブリエル・アタル政府スポークスマンも近々ディナーに来る予定だ」
と衝撃的発言を披露していた。
この主催者の証言に対し、ガブリエル・アタル氏はこの人物と全く面識がなく、「晩餐会やパーティーに参加したこともない」と完全否定している。

パリ最新情報「金持ちだけ楽しんでいる、愉快犯的闇営業に批判殺到」



闇パーティー主催者の「民主主義の元にいるのだから自分がしたいことをする」という言葉が印象的であった。
しかし、上流階級だけが抜け駆けをするのは許されることではない。
レストラン営業ができなくて頭を抱えている経営者がどれだけいるだろうか。
レストランオーナーたちはこのようなお金持ちだけが楽しむ闇営業に激しい怒りの声をあげていた。

闇営業をした場合、主催者には他人を危険に晒したという理由で15000ユーロの罰金、最大懲役1年が課せられ、参加者にはディナーの場合、夜間外出禁止令違反で135ユーロとマスク義務違反で135ユーロ、合計270ユーロの罰金になる。(現在捜査中)
しかし、それくらいの罰金なら払うリスクを背負ってでも好きなことをする、という人もいる。

現在、フランスでは約5400人がコロナ感染症で集中治療室に入っている。一部の身勝手な行動がこの数字を叩き出す一原因となっていることを忘れてはいけない。

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