JINSEI STORIES

滞仏日記「神経質な父ちゃんだったが、ついに、うんちとり名人になったぞの巻」 Posted on 2022/06/08   

某月某日、NHKの「春ごはん」の放映(6月17日)前ではあるけれど、なんと、こちらはすでに「夏ごはん」の撮影が佳境に入っている、のであーる。
今日は、アルゼンチンの肉屋にアンガスビーフの最高級バベット肉(ハラミのような部位)を買いに行き、その帰りに、マーシャルの八百屋で「夏やさい」を大量に仕入れた父ちゃんなのであった。めでたし。
昨日まで、フランスは連休だったので、今朝、朝の3時にマーシャルはフランスの築地、ランディス市場に野菜を仕入れにいったばかり。つまり、超、新鮮!!!
店の前には色とりどりな新鮮フルーツや野菜がずらりと並び、まるで、シャガールの天井画のような絢爛豪華さであった。
ぼくがマーシャルに夏野菜でどういう料理を作るのがいいか訊ねていると、マーシャルの娘のイジアちゃんが途中から参戦~。
「ムッ~シュ~、つ~~」
店の野菜をぼくに次々プレゼントしてくれたのだ。
大人には嫌われる父ちゃんだが、ほんと、犬と子供には相変わらず愛されている。あはは。
ぼくがマーシャルと撮影をしているのに、横から、がんがん、割り込んできて、
「ムッシュ、これあげるわ」
とアプリコットや赤ピーマンなんかを、手渡しに来る。きゃわいい。

滞仏日記「神経質な父ちゃんだったが、ついに、うんちとり名人になったぞの巻」



お父さんのマーシャルは、笑っている。
奥さんのステファニーは何にも言わないで、通りからただ見ているだけ・・。いい家族だ。
撮影しているのを知ってるのに、子供に自由にさせる、この放牧状態の家族感が素晴らしいじゃないか。そして、ぼくは実にこういうハプニングが大好きなのであーる。
だから、
「イジアちゃん、一緒にしゃしん撮ろうよ~、ふぉと~」
とお願いしたら、恥ずかしがって、不意に硬直した! 
次の瞬間、お母さんのステファニーのお腹に顔を隠してしまったのであーる。あは、

滞仏日記「神経質な父ちゃんだったが、ついに、うんちとり名人になったぞの巻」



目が点、どったの? 
「だって、ムッシュ、わたし、ええと、しゃしんとか、なんか、困るわ~」
と言いながらも、ぼくにべったり。撮影にならな~い。
終わらないので、ぼくが撮影に戻ると、さらに突進してきて、いたずらっ子ぶり全開なのである!!
「ムッシュ~、ツージーィ~、ツージーィ~」
かわいい。ツージーィ~、と後ろを伸ばして発音されたことがないので、やられた。
最近、二コラもマノンも大きくなって、もう、立派な大人に・・・。
二コラも社会性が出てきたのか、寄り付かなくなっている。
子供の成長は実に早いものだ。
実は、今日、階段を下りていたら、大きなお姉ちゃんに追い抜かれた。小さな声で、ボンジュール、ムッシュ、と言われたが、見覚えがない。すると、下で待っていてくれて、大きなポルトを開けて待っていてくれたのだ。
「えええ? もしかして、君、ローズアデルちゃん?」
「うい」
あんなに小さかったのに? 
まじか? 
もう化粧をしているじゃんか。そうか、中学生なんだね。日本が大好きで、ぼくのために絵を描いてくれたのだった。(2020年の11月のことである)
どんどん、子供は大きくなっていくね。
三四郎はずっと子供のままだから、よかったよかった・・・。
ということで、これから暫くはイジアちゃんが、二コラの後釜になりそうな予感、えへへ。

滞仏日記「神経質な父ちゃんだったが、ついに、うんちとり名人になったぞの巻」



さて、夏ごはんのために、ぼくが今回買ったのは、夏と言えばトマト、それからブルターニュ地方のルバーブ、南のメロン、サクランボ、新じゃが、白いんげん、茄子などであった。
明後日、ぼくは出張料理人をやることになっているのだ。依頼人の友人が日本の味噌が好きだというので、今回、父ちゃんが作るのは、な、なんと、すべての料理に味噌を使ったMISOフルコースなのであーる。その中でもアンガスビーフの味噌漬けステーキがすごい。48時間、味噌漬けされたアンガスビーフのスペシャルステーキはひとひねり、ふたりひねりしてあり、フランス人の心をえぐるはず!!!
春ごはん放映前だが、お楽しみに。えへへ。

滞仏日記「神経質な父ちゃんだったが、ついに、うんちとり名人になったぞの巻」



ということで、前置きが長くなったが、ここから今日の本題であーる。(え? マジ?)
ぼくは肉の味噌漬けが終わると、三四郎を連れて、散歩に出た。
どんな本題か? いや、実は、今日、日記で書きたかったのは、ぼくは最近、「犬のうんちとり名人」になった、という話なのであーる。
犬は、散歩に連れていくとだいたい、うんちをする。
飼い主は屈んで、ビニール袋でそれを掴み、まるめて、ゴミ箱に捨てなければいけない。そういうのを目撃するたびに、かつてのぼくは、
「ああ、無理。あんなことぼくには出来ない。犬飼うのは無理」
と心の中で思っていた。
でも、三四郎と出会い、育てるようになって、4か月、ぼくは三四郎のうんち(ポッポ)をビニール袋でさっと回収し、素早く袋とじにし、さりげなくゴミ袋に捨てている。
今日、そんな自分に、「君は変わったね」と思わずつぶやいてしまったのである。
そればかりか、うんちの形態や匂いで三四郎の健康状態もわかるようになったし、それどころか、ビニールが破れて三四郎のうんちが手についたこともあるし、そればかりか、うんちなんかちっとも汚くないと思うようになって、世界が変わった、ということなのだ。
今日の日記の主題はそれだったが、イジアちゃんのことを書いていたら、どんどん話がそれていったけど、要は、子供たちはどんどん成長し大人になっていくし、神経質なぼくだって「うんちとり名人」になる、ということが、言いたかった。
世界は変化するということである。
ええええ、それは凄い真理じゃないか~。
ぼくが子供や子犬が好きなのは、人間の嫌な面を見ないで済むからだろうね。
まさに!!!

つづく。

ということで今日も読んでくれて、ありがとう。
今朝、起きたら、ぼくはもうすぐお爺さんになるんだな、と気が付いてしまった。なんといっても、62歳なのだから、十年後には72歳なのである。十年なんてあっという間だ、じゃあ、何を我慢して生きる必要がある? 死ぬまでにやりたいことを数えたら、星の数ほどあった。あはは、よーし、よっしゃー、皆さん、ここからだ。がんばろ!!! えいえいおー。
ということで、お知らせでーす。
6月13日は、父ちゃんの日本公演のチケット発売日になります。
8月8日、大阪ビルボード、12日は横浜ビルボード!!!!!!!
NHK・BSの新作「ボンジュール、辻仁成の春ごはん」の本放送は6月17日に迫ってきました。
それから、6月30日はマガジンハウス社から、いよいよ「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」が発売に。
で、
6月26日に、地球カレッジ、前期エッセイ教室の最終回、総まとめ編です。
エッセイを書くのが大好きな人、文章家を目指しているあなた、ブログをやっている皆さん、ぜひ、ご参加ください。課題もあります。
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