JINSEI STORIES

退屈日記「一人で生きる飯改め、一人と一匹で生きる飯、はじまる。ニカっ」 Posted on 2022/10/14 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、困ったことが起きている。
それは、三四郎がフランスのペットショップで買った健康「おやつ」を食べてくれないのであーる。まずいのだろうなぁ・・・。変なもの(落ちてる木とかプラスティック)は食べるくせに、おやつを食べないって、なんて、ぜいたくな犬だろうか。
最近、ぼくがつい甘やかして、自分の食べているものの中から、塩胡椒のかかってない、素材だけのものをちょっと与えるようになって、そのせいで、目が見開く、のである。尻尾がふりきれるくらい、振り回して、凄いのである。困った。
お腹が空けば、ドッグフードは食べてくれるのだけど、ぼくがテーブルに自分の料理を並べだすと、三四郎がそわそわしはじめ、室内をぐるぐる走り回る。
一度、目を離したすきに椅子をつたって、テーブルの上に飛び乗り、ぼくのごはんを食べようとした。
さすがにめっちゃくちゃ怒ったので、その日はしょげていたけれど、ご飯時になると、自分もその恩恵をあずかることができると子犬は思うようで、笑、もう、食事が出来ないくらい、うざい、のである。
頂戴、頂戴、という勢いでぼくの足に、飛び登ろうとするのだ。
あれだけ人間が食べているものは与えない、と豪語していた父ちゃんだったが、長生きはしてもらいたいけれど、日々、ちょっと喜ばせてやりたい、とかいう甘い親心もあって、つい、与えたのがいけなかった・・・。海より深く反省である。

退屈日記「一人で生きる飯改め、一人と一匹で生きる飯、はじまる。ニカっ」

※ レコーディング中なので、身体を温めるために、玉ねぎたっぷりです。たっぷり食べて、健康を取り戻します。



そこで、最近、父ちゃんは、あ、正確には、三四郎の誕生日の時に茹で鳥で作ったバースデイケーキの時からだけど、肉類を茹でて与えるようになった。
例えば、昨日は焼肉にしたのだだ、120gのぼくひとり分の肉の20g分くらいを三四郎用に最初から取り分けておいて、そっちはそっちで、最初から調理をかえてやる。(ぼくはだいたい、100gもの肉は食べきれないので、翌日のランチのサイドディッシュに回す。もしくはおにぎりの具にする)
ぼくの分は人間が食べるものだから焼肉ソースとかも入れて調理し、三四郎のは茹でる。それも何度か茹でて、犬が食べてもいい状態にまで追い込んでいく。
だし汁がいい味出すので、ドッグフードに混ぜたりすると、かなり喰いつきがいい。
ぼくが食堂でご飯を食べる時、三四郎にそれを与えている。
親として、罪の意識もないし、これなら、堂々と与えることが出来るのだ。
基本はドッグフードを食べてもらうのだけど、パパしゃんが食べてるものを味見したいという三四郎の気持ちもよくわかるので、同じでしょ、と両方の肉を並べて見せてから、
「こっちはパパのね、こっちはさんしー」
と仲良く、わけわけている。
おかしいでしょうか? 笑。

退屈日記「一人で生きる飯改め、一人と一匹で生きる飯、はじまる。ニカっ」

※ 下のプラスティック容器に入っているのが、三四郎の茹で肉であります。なんも味付けしてないけど、さんしー、目が点!!! あはは。



一人で生きる飯という父ちゃんの哲学は悪くないのだけど、せっかく、三四郎が一緒に暮らしているのだから、一緒に食べた方が父ちゃんも楽しい。
しっかり茹でることで、三四郎の健康も守ることができ、納得。めでたしめでたし、ではないだろうか?
それにしても、ペットショップで買ったドッグおやつ、どうしましょ・・・。日本の方からいただいた、「すなぎも」と「牛タン」の犬おやつは、食いつきがかなりいいので、これもこれで困っている。
確かに、あれはやばい。フランスの健康おやつとは比較できない感じがするので、ご褒美の時だけ与えるようにしている。
一人と一匹で生きる飯、という新しいライフスタイルが始まった辻家、ま、三四郎は幸せな犬じゃないかな。本人はどう思っているのだろう。
あはは。

つづく。

ということで、今日も読んでくれてありがとうございます。
三四郎は牛肉よりも鶏肉が好きですね。それから、野菜も大好きです。散歩にいくと、雑草を食べるので、雑草は何がかかっているかわからないから・・・、ぼくがたべる苦いルッコラを与えたら、飛びついてました。笑。こちら、ルッコラがめっちゃ安いので、助かります。大きな袋いりで100円ちょっと・・・。

地球カレッジ

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※ やったーまん! これからスタジオに行きます。今日も2曲歌えますように・・・。今日は「友情」歌いますよ。



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