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パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」 Posted on 2023/03/10 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、父ちゃんの喜びは、毎日の昼ごはんと夜ごはんの中にこそある。(基本、朝ごはんは食べません)
苦しいことがあっても、自分を励ますために、だいたい毎日、料理に全力を注いでいる。
もっとも、インフレがひどいので、贅沢は敵なのである。
お金は旅行とか、ここぞという時に使いたいから、なるべく豪華な外食は避けて、「家飯」に勢力を注ぎ込んでおるのだ。
息子や友達が来る時は「腕によりをかけて」、美味しいものをせっせと作る。
一人のときは、粗食ではなく素食、それもどれだけお金をかけないで美味しいものを作るか、に命をかけている。これが実に楽しいのであーる。
もちろん、ここぞという時には「いい肉」や「新鮮な魚」を買うが、たとえば、パリで新鮮な魚は目が飛び出るくらい高いから絶対買わず、(買う場合はマルシェに行く)、田舎にいる時に、地元の漁師さんからタダ同然で美味い蟹とか貝とか魚を買ってばくばく食べている。
安いと思うと、嬉しくなる。それが人間というものだ。
パリは大手スーパーのプロモーション(5時からセールみたいなもの)を狙い、豚肉2キロで500円とか、そういうめっけものを探し出しては大喜びしている。
最近、めっちゃはまっているのは「釜揚げうどん」だ。
いやァ、ハマっている。
実にうまい。釜揚げうどん、お好きですか?

パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」

パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」

※ これはパリごはんの制作会社Lさんが2年ぐらい前にくれた「手延べうどん」大事に食べている。あと、最後のふた袋なのである。



ライブが近いので、ここに大量のおろし生姜をいれ、大量の葱で「喉を労わる」ようにして味わっているが、喉にいいと思うと、ますます美味しいねー。
身体が喜ぶことが大好き。
鶏肉を酒で漬けて、紫蘇を巻いて揚げ焼きして、うどんの添え物にしたり、昨日は梅ごはんを作って、お握りにしたのだが、たまらんかった。
フランスはサーモンが超安いので、これを大量買いして、白味噌とか麹とかで漬けて、小分け冷凍し、ちょこちょこ食べるのがこれまた楽しい。
楽しいぞー。実に楽しい。
豪華な外食もたまにはするけれど、そういう時は、何かいいことがあった時とか、ご褒美と位置付けて食べに行くようにしている。
そもそも、料理の腕がかなりあがったので、外食をする意味を失っている。
先日の「カフェ飯教室」で作った、牛フィレ肉のエシャロットソースがけ、銀座のホテルとかだと2万円くらいするけれど、パリのスーパーなら700円くらいで150gくらい買えちゃうのだ。
腕さえあれば、700円が2万円になるのだから、笑いが止まらない。
フィレ肉とか、もう食べ飽きたわい、とか、言ったりしている。あはは。
料理が出来ると、人生は本当に豊かになる。
だいたい、銀座の高級ホテルのレストラン、フィレ肉だけではすまない。なんだかんだ、ワインとか飲んだりすると、3,4万円くらいかかっちゃう。
「辻先生、先生にお似合いのワイン、こちらムルソーの白ですと1万8000円になります」
「ああ、君~、いいね、じゃあ、もらっとくかな」
とか、見栄をはっちゃう父ちゃん、日本で外食はやばいのだ。
しかも、知り合いとか一緒だと、
「先生、ワインお詳しいんですねー」
とか言われて、
「ソムリエ君、あれはないのかね、あれだよ。ほら、もっといい奴あるだろ?」
とさらに高いのを頼んでしまい、墓穴を掘りまくる。
きゃあ、財布が燃えてる~。バーニング~。味わえない~。
しかし、一人暮らし自炊だと、見栄を張らないでもいいので、毎日、プロモーション(安売り)の美味しいワインをちびちびと舐めながら、釜揚げうどんをすすっている父ちゃんなのであったァ。げへへ。かっちょわり~。
でも、最高なんだよね。

パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」

※ 見よ。これが父ちゃんの本当の日々のごはんだ。どこがフィレ肉だァ、という実態が明らかに。しかし、目玉焼きごはん、最高~。

パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」



高級なものでも、家飯なら安価で作ることが可能なのだ。マジです!!!
これは今のようなインフレの時代に、とっても大事なことだと思う。
自分の幸せを自分で作ることが出来る上に、周囲も喜ばせることが可能なのだから。
無駄遣いや贅沢は敵なので、健康第一の食事に気持ちを向けて暮らしている父ちゃんなのであったァ。
ところで、ぼくはフランスで生きているので、日本の今には相当に疎いのだけれど、ツイッターで最近よく目にするのが「コオロギ食」なるもののツイートで、食糧難が来ることを想定して流行りだしたのかもしれないが、その前に、まずは、やることがあると思う。
食品ロスを本気で減らすことが先決のような気がする。まずは、ロスをなくせ。
コンビニでも、レストランでも、どれだけの食べ物が破棄されているのか、よく考えてもらいたい。
まずは、自炊をし、食べること、生きること、お金を使うこと、を徹底管理する生活を、ぼくは日々、実践し、節約し、無駄を嫌い、楽しんでいるのである。
ああ、今日はお金使わないで、こんなに美味しい料理が出来た、という日が一番うれしかったりする父ちゃんなのであった。

パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」

※ これは下のチキンのクリーム煮込みを作った時のチキンを少し、三四郎用に蒸して、彼にも自炊でご馳走なのであーる。えへへ。

パリ日記「インフレに負けない人生を豊かにする家飯で幸せ目指す父ちゃん」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ところで、オランピア劇場ライブ、宣伝担当が何にもしないと怒っていた父ちゃんですが、プロモーターのベルトランから、今、フランスの「ぴあ」みたいな雑誌に記事が出たよ、と連絡が入りました。やれやれ。ベルトラン、「ついにやったぜ」と興奮をしているので、父ちゃんも一緒に喜んであげたのであります。( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
こちらがその記事です。まずは、第一歩、じわじわっと攻めて行きましょう。

そして、3月19日はそんな苦節63年の父ちゃんがおおくりする「気まぐれ文章教室」が開催されます。文章の推敲の仕方、文章の組み立て方、書き方など、今回もまた一緒に学びましょう。ご興味ある皆さん、ぜひ、ご覧ください。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてくださいね。

地球カレッジ

オランピア劇場ライブの翌日、日本からお越しの皆さん、JALパックさんがパリのレストランでランチ会を開催します。父ちゃんも、ライブの翌日ですがちらっと顔を出しますので、パリ旅行を計画されてる皆さん、チェックしてみてください。

エディットピアフも立った。ビートルズも立った。ローリングストーンズも、マドンナも、スティングも立った。オランピア劇場でのライブが近づいてきました。
フランス国内、もしくは周辺国、あるいは世界各地にお住まいの皆さん、ぜひ、遊びに来てください。旅慣れていない皆さんには、JALパック・パリさんが協力いたしますので、こちらをクリックください。

https://www.jalpak.fr/optionaltour/tsujiconcert/
ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。

https://linkco.re/2beHy0ru

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