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退屈日記「ついに、熱血辻ゼミがスタート。5人のゼミ生と向きあった父ちゃん先生」 Posted on 2023/04/20 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ついに、父ちゃんのゼミ「熱血辻ゼミ」がスタートしたのであーる。
一応、課題を出し、応募してくれた作品を審査し、5人の生徒が選ばれたのであった。
男子2名、女性3名の合計5人の生徒たちで、だいたい文学部の子たちであった。
帝京大学にはクリエイティブ・ライティングのクラスがなかったので、ぼくが創作科をやることになったが、このゼミは単位とか出さない自由ゼミなので、本当に書きたい人しか参加することが出来ないのであった~。
一人も応募がないかもしれない、とぼくの先輩にあたる廣田先生と話をしていたのだけれど、それなりに応募があり、最終的に5人の生徒に決まったのだ。

退屈日記「ついに、熱血辻ゼミがスタート。5人のゼミ生と向きあった父ちゃん先生」



今日はその最初の授業がオンラインで行われたのだけど、作品を読んで想像していた感じの子たちではなかった。おかしな言い方だけれども、意外、だった。
この作品を書いた子はちょっと暗いかな、と思っていた子がずっと笑顔だったり、この子は騒がしい子に違いない、と思ってた子がちょっとおとなしかったり、いろいろ・・・。ま、でも、全体的に静かな学生たちだった。
しかし、授業が終わる頃には、全員がぼくの中で、腑に落ちていた。笑。
いい感じでスタートできたのじゃないか、と思う。
いつにもまして、熱血で、駆け抜けた90分であった。あはは。
この創作科というのは、作品が実はすべてなので、ぼくの授業は授業そのものに重きを置くことがない。
授業から次の授業までのあいだ、自分に与えられた創作の時間が大事なのである。
自分の時間の中で、どのくらい作品と向き合うことが出来るか、がすべてなのである。
で、授業では何を話しているかというと、実は「自分流」について語ったのだった。
どうやって大学生活を乗り切るか、とか、どうやって苦難を乗り切っていくか、とか、どうやって生き切るか、とか、もちろん、だからこそ、どういう小説を書くべきか、など。
ようは、エッセイ「自分流」で書いたようなことを、小説を書くということを通して語っていくようなクラスなのであった。

退屈日記「ついに、熱血辻ゼミがスタート。5人のゼミ生と向きあった父ちゃん先生」



ともかく、次の授業までに掌編小説の課題を出したので、彼らは掌編小説の書き方を自ら探し、学んで、書いていく。
それを締切日までに提出し、ぼくも読むけれど、全員で、全作品を回し読みし、次の授業で「合評」をやるのである。
この「合評」はなかなかスリリングなものがあって、9年間教えた京都造形大学の創作科のクラスでもいろんな意味で喧々諤々、泣き笑いあり、で盛り上がっていた。
自分には甘いが、他人には厳しいのが人間なので、合評は、まさに自分が晒され、自分を曝け出す、いい勉強方法になるのだ。
授業の最後、ぼくがまとめるのだけれど、いいところは伸ばしてあげ、気づかないところを気づかせてあげたい、と思っている。
生徒たちは、批判されながら、気が付くことで伸びる。
5人くらいだとちょうどバランスもいい。それから、普段、自分の意見を言う機会のない子たちが、どんどん発言出来るようになるので、この点も素晴らしい。
さて、熱血辻ゼミ、まずは一年間、5人の生徒たちと向き合ってみたい。オンラインの授業が基本になるが、ぼくが日本に行く時には対面授業も行う予定だ。
熱血はこのように、各方面に飛び火し、熱血の遺伝子をばらまいているのであった~。

退屈日記「ついに、熱血辻ゼミがスタート。5人のゼミ生と向きあった父ちゃん先生」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
大学生の「熱血辻ゼミ」の大人版が「地球カレッジ」だと思ってください。人生100年時代に突入しています。ただ、ぼんやりと長生きをしてもつまらない。楽しいことをどんどん見つけて、チャレンジすることで自分の一度キリの人生を豊かにさせる、これこそ熱血流なのであります。ということで、5月7日に、「敷居のめっちゃ低い小説教室」を開催いたします。まずは、覗くだけでいいので、父ちゃんの小説学校に顔を出してみてください。書きたくなれば、しめたものですよ。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてください。メルシー。

地球カレッジ



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5月29日 辻仁成 パリ・オランピア劇場 ライブコンサ-ト!


ついでに、父ちゃんのニューアルバム「ジャパニーズソウルマン」、お好きな音楽プラットホームから選ぶことが出来ますので、聞いてみてくださいね。

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自分流×帝京大学