JINSEI STORIES

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」 Posted on 2023/05/14 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、うちによく出入りしていた近所の二コラ君、覚えていらっしゃるであろうか? よく、ロックダウン時期、おにぎりなんかを一緒に作ったものであーる。
ニコラ君はもう、背がぼくよりも高くなった。おお、信じられない。180センチ!!!
引っ越しもあったし、ご両親の離婚もあったので、ぼくのところには寄り付かなくなった。
でも、お姉ちゃんのマノンちゃんは、三四郎のことが好きだし、十斗とも気が合うので、(笑)、たまーに、連絡があるのだ。
十斗も最近、よくメッセージをくれるようになったが、マノンちゃんはもっとくれます、和笑・・・。
人間、老けていくと、年配人気が出るのかもしれない。☜なんのこっちゃ。
ということで、
「ムッシュ・ノルマンディ~、お元気ですか? 今、わたしたち、セーヌ川の河原でピクニックやってるんですよー」
とマノンから、メッセージが来た。おおお!
私たちというのはどうも、同級生のことらしい。
フランスの女子高生たちが集まって、どういうピクニックをやっているのか、気になる。気になりませんか? 今時の仏人高校生日記・・・。
で、最初に届いたのがこの写真であったぁ~。ひゃあ、ひ、ひどい。

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」

※ これ、なんだろう??? ううむ、謎な食べ物だ。チップスと、なんだろう、真ん中のもの・・・。右のはアボカドのディップかなぁ・・・。謎である。

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」



実は、フランスの人たちのピクニックって、実に敷居が低いのである。
日本で「ピクニックやろう」となると、もう、めっちゃみんながんばるにゃん。
サンドイッチとかおにぎりとか唐揚げとか作って、盛大にやるわけだが、フランス人は、マジで、なんも準備しない。
天気がいいと、すぐに出て来て、円陣を組んで、家にあるものもちよって、たいしたものじゃないのだけど、それでわいわいとやるのだ。
ぼくなんか、ピクニックバケットを持っているのだけれど、そんなの持ってピクニックしているフランス人にお目にかかったことはない。
郊外の大公園とかだと、たまに見かけるけれど、セーヌ川の川岸なんかだと、かなり、適当なのである。
これは、大学生も、会社員もだいたい同じかな。
太陽がご馳走、みたいな感じなのだ。
みんな家にあるものを持ちよって、お金をかけないで、気楽に、楽しんでしまう。気楽に、それがフランス流、ピクニックだ。

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」



「でも、マノン、なんで、写真くれたの? めっちゃ嬉しいけれど」
「あはは、ムッシュ・ノルマンディ~、実は、今、このセーヌ川河岸でちょうど、ノルマンディ市場祭りをやっているの。ノルマンディから業者さんがやってきて、特産品とかを売ってのよ、で、ムッシュのこと思い出したんです」
あはは、早とちりであった。
マノンの同級生たちが、そのお祭りで和んでいる写真をご覧いただきたい、いいですね~。

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」

※ 石鹸!? はちみつの石鹸とか・・・ノルマンディ、というより、石鹸ならばマルセイユなんだけど・・・・。すいません。よくわかりせん。もしかしたら、ノルマンディも石鹸が強いのかも。

退屈日記「マノンちゃんたちフランスの女子高生のピクニックがやばい!!!」



フランスはこれから太陽溢れる季節に突入するので、こういうイベントが続くのだ。まさに、イベント大好きなフランス人らしい夏が近づいてきた。
「マノン、ちゃんと片付けて帰るんだよー」
「ういー、あびあんと~(はい、またねえー)」
ですって。若いって、いいですよね。
はぁ、娘がほしかったなぁ。あはは。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
5月29日のオランピア劇場の席を2名様分プレゼントする読者感謝祭を今、開催しています。詳しくはデザインストーリーズのツイッターをご覧くださいませ。
あと、そんな父ちゃんですが、6月の18日の日曜日に、右岸のたぶん、ルーブル美術館に近い場所から出発し、セーヌ川を渡って、左岸のサンジェルマン・デ・プレ界隈を散策するオンライン・ツアーを開催いたします。あの、いつもの小田光とマコちゃん、長谷っちが同行しますよ。ご興味ある皆さん、ぜひ、下の地球カレッジのバナーをクリックしてみてくださいね。めるし。

地球カレッジ



自分流×帝京大学