JINSEI STORIES

第六感日記「ぼくに声をかけてきたあの謎の英国紳士、なんと、めっちゃ大物だった」 Posted on 2023/06/07 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ぼくは啓示のようなものを良く受けて、第六感が働き、それに逆らわず、素直に従って行動をしていく主義なのだが、そうすると、だいたい物事が実現する、という人生で、そのことを良くここに書いてきた。
それが、またしても、起きつつあるので、途中経過だけれど、現在までのところをまとめてご報告しておきたい。
まずは、ライブの翌々日に書いた日記の抜粋を再掲載するので、目を通して頂きたい。

『ランチ会の時に、ハンチングをかぶった一人の英国人紳士がいて、ぼくに近づいて来て、あなたの音楽がとっても好きだ、ロンドンでやってもらいたい、と英語で言われた。
「実現するなら、やってみたいですが」とは返したが、バッキンガム宮殿からやって来たような風貌の紳士は、かすれた声で、何か一方的にライブの感想を語り続けていた。
ぼくがホテルを去ろうとしていると、追いかけて来て、
「コンタクトをとりたい。メールアドレスを教えてほしい」
というので、携帯紛失マネージャーのMMが対応した。
ぼくは迎えに来た車に乗って、先に、紳士の元を離れたのだけれど、ロンドンでライブ、という彼の言葉が耳に残ってしまった。
この人が何者かわからなかった』


この話が、実はこの一週間、水面下で進展していたのであーる!!!!
もちろん、まだ、どこまで実現できるのか、ぜんぜん、ぼくにはわからないのだけれど・・・。
人間というのは、不思議なめぐりあわせがあるものだ。
第六感を研ぎ澄まし、そのチャンスを逃さないようにしないとならない・・・。

第六感日記「ぼくに声をかけてきたあの謎の英国紳士、なんと、めっちゃ大物だった」

©Yuki Nakamura



ムッシュとMMはメールで毎日のようにやり取りをしている。
その話を整理してここに掻い摘んで書くと、彼はウイキペディアにも名前が載っているような英国の大興行主で、大きな劇場などを所有し、音楽やミュージカルなどで世界中のみんなが知る成功を収めている。英国で最大のエンターテインメント会社の代表なのであった。
うううむ、こう書くと、漫画みたいで、にわかに信じられないのだが、ぼくも最初、そんなアメリカンドリームみたいな話があるか、とMMを突き放していたのだった。
でも、MMは“この紳士は本物だ”と思っているようだった。
ぼくは思い出す。
ライブの翌日、日本人を対象にしたJALパックの食事会の席にその紳士がいた。
日本の方々は遠慮されて、ぼくに近づかない状況なのに、その紳士はぼくの横にやって来て、聞き取りにくい英語で、あなたの音楽をロンドンでやりたい、と言ったのだ。ね、信じられないでしょ? はい、やります、と言えないよね、笑・・・。
普通は用心するのだけど、その人の風貌が先にも書いた通り、ハンチングと乗馬のベストみたいな英国風佇まいを持っていたので、何かあるな、と思って、MMを間に介入させたのだった。
「あの人、ほんものでした」
と昨日、MMが言った。
「あの人って?」
「例の英国最大の興行主です」
「マジか、ほんとうなの? でも、なんで、オランピア劇場にいたの?」
「オランピアだからですよ。オランピア劇場だから、見てもいいと思ったのでしょう。そして、実際に見て、気に入ったんです」
ぼくはきつねに摘ままれていた。
「で、彼はどうしたいの?」
「秋に、ロンドンの伝統のあるクラブで辻さんのワンマンライブをやると言っています」
ぼくは笑った。
でも、MMは笑わなかった。
「お金かかるよ」
「心配しないでいいそうです」
「・・・」
そして、今日、まさに、今日、ロンドン市内の名門ジャズクラブの名前が提示されたのだった。えええ、そこ知ってる!!!
「ほんとうなの?」

第六感日記「ぼくに声をかけてきたあの謎の英国紳士、なんと、めっちゃ大物だった」



細かいやり取りはまだここに掲載できないのだが、というのも、やっぱり実現しなかった、じゃ、かっこ悪いからである。
妨害者や邪魔者も現れるかもしれないので、ぼくは、静かに様子をみることにしている。
でも、真実であるならば、悪くない話だった。ぼくはまだ、半信半疑なのだ。当然である。いくら第六感を研ぎ澄ましても、最後の最後まで人生というのはわからない。
「わたしが仕切ってあなたのライブを実現させたい」
映画のワンシーンのような強烈なメッセージだった。
そして、その有名な興行主は、この秋にロンドンで父ちゃんバンドのライブを実現させようと「今」動いているのであーる。

神様、この話が実現しますように!!!!!

第六感日記「ぼくに声をかけてきたあの謎の英国紳士、なんと、めっちゃ大物だった」



人生はつづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
人生って、ご縁の連続ですからね、あの瞬間、紳士が出現した瞬間、もしかしたら、と思ったのです。これが実現したら、もの凄い出会いになるかもしれないですね。ライブの日程が出たら、もう少し具体的に紳士のことも、状況も含め、皆さんにお伝えします。真実ならば、まもなくですから、ロンドン在住の皆さん、半信半疑だとは思いますが、父ちゃんがロンドンへ向かいますので、力を貸してください。今度はロンドンでオランピアの第二段をぶちかましたい、と思っております。えへへ。
その前に、東京で奇跡を起こさないとならなかったぁ、日本公演です!!!!
(ロンドン公演が実現したら、オランピアからロンドンまでの5公演にタイトルをつけて、父ちゃん世界ツアーとして、父ちゃんの歴史に残したいと思っています。あはは)
「辻󠄀仁成 アコースティック セレナーデ フロム パリ 2023」
Tsuji Acoustic Serenade From Paris 2023
現時点で決定している出演アーティスト:
辻仁成(Vo・Ag)/Dr.kyOn(Piano・Chorus)/ユン ファソン(Flugelhorn・Trumpet・Chorus)/山下あすか(Percussions・Drums)
各会場:
8/29(火)愛知・名古屋DIAMOND HALL
open18:00/19:00
8/30(水)東京・EX THEATER ROPPONGI
open18:00/19:00
9/3(日)京都・京都劇場
open17:30/18:00
さて、デザインストーリーズから、一般発売に先立ち、オフィシャル最速先行、のお知らせを行いします。特別に、「ぴあ」内に、このミニツアーの先行窓口が6月11日まで設置されています。
チケット購入を希望される皆さんは、下のURLをクリックお願いいたします。

https://w.pia.jp/t/tsujihitonari-k/

最速先行発売期間、5/30(火)09:00~6/11(日)23:59/日本時間

さて、6月18日、サンジェルマン・デ・プレ界隈を散策するオンライン・ツアーもあります。詳しくは下の地球カレッジバナーをクリックしてみてください。

地球カレッジ
自分流×帝京大学