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滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」 Posted on 2023/07/15 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、今日は7月14日、フランスの革命記念日なのだ。
日本では「パリ祭」と呼ばれている。(この名称は日本だけ。昔、ルネ・クレール監督の映画「キャトルズ・ジュイエ」が「パリ祭」と邦訳され、大ヒットしてから、日本ではパリ祭と呼ばれるようになった。ほー)
とにかく、パリは、そしてフランスは、この革命記念日を盛大に祝っている。
1789年にフランス革命の発端となったバスティーユ牢獄(ここにはたくさんの政治犯が投獄されていた。絶対君主制の象徴だった)を市民が襲撃した日を記念している。
古い体質の王政を倒し、市民が政権をとる、動きの発端の日、ということで「キャトルズ・ジュイエ(パリ祭)」なのだ。※ ちなみに、キャトルズ・ジュイエとは7月14日、という意味である。シンプル~。
エッフェル塔周辺は、昼過ぎから、一目、花火を観ようと人々が集まって、墨田川の花火大会の場所取りと同じような状態となった。
国が違っても、どこも一緒なのである。
ご覧頂きたい、エッフェル塔周辺の路上はこの場所取りの人々で昼過ぎから溢れかえり、長蛇の列であった~。

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」

※ パチンコという日本語が、す、墨田川か~。

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」

※ 寝て本を読んでいる人、花火まで数時間あるので、よっこらしょ・・・。

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」

※ 門は閉ざされている。開門はいつだ!!!



滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」



三四郎と父ちゃんもエッフェル塔を目指したが、先へ進めない。
いつもはがらがらで誰もない散歩コースの一つなのだけれど、柵が張り巡らされ、中に入ることができないのであーる。おおお、パリ祭、毎年こうであった~。
ぎゅーーーーーん!
もの凄い騒音が轟き、三四郎が、庭、駆け回った。おおお、ジェット機である。
フランス空軍のアクロバットチームがパリ上空に三色旗模様の煙をたなびかせたぁ。華やかだ~。

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」



さんちゃんも落ち着かないが、父ちゃんも落ち着かないのである。
いつも公園で遊んでいる三四郎の犬友とそのお母さんがいた。
マダムがぼくを見て、やれやれ、という顔をした。
「今日は身動きとれそうにないわね」
「ほんとですね」
「花火大会があって、今夜、パリ市内は、もの凄いことになるわよ、気を付けて」
「どこらへんで花火が上がるんですか?」
マダムが肩を竦めた。それにしても、パリって、いつも騒々しい・・・。
「どこかしら。でも、こんなに人が待っているからエッフェル塔のあたりでしょうね」
「何時に?」
「主人が、23時からだと言っていたけど」
「あ、なら、夜、出直します」
ぼくらは笑顔で別れた。
よし、花火を4Kで撮影してやろう、と思った父ちゃんであった。熱血。お楽しみに!

滞仏日記「今日はパリ祭! パリは人々で溢れかえる。三四郎と父ちゃんも出陣!」



つづく。

ということで、お祭り騒ぎのフランスなのでありました。
今日も読んでくれてありがとうございます。
この7月14日を過ぎると、ほとんどのパリジャン・パリジェンヌはパリを離れ、ますます、観光客だけになります。シャンゼリゼなどの観光地は賑わいますが、あとは、静まり返る。例年、この日を境に世界がいっぺんするのです。逆に言うと、今日は眠れなーい。
はい、ということで明日、日本時間の日曜日、7月16日、父ちゃん最後のエッセイ教室が開催されます。今回は、皆さんの課題提出作品ももちろん今まで通り分析しますが、もっとも時間を割くのは、父ちゃんが書いたエッセイの構造分析などをやって、エッセイの書き方を学ぶ、ということをやりたいと思います。ご興味ある皆さん、今年最後のエッセイ教室にご参加ください。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックね。めるし。

地球カレッジ

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福岡国際会議場メインホールでのライブまで一月ちょっとですねー。皆さん、もうすぐ会えますね。名古屋、東京、京都公演は売り切れました。福岡は22日に一般発売開始。



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