JINSEI STORIES

滞仏日記「ついに、九州に上陸した我が息子、ぼくの母さんと柳川へ鰻を食べに行く」 Posted on 2023/07/20   

某月某日、鰻重の、よだれが滴るような写真がぼくの携帯に届けられた。
おお、これは、柳川の鰻ではないか・・・。
息子の十斗が、弟の恒ちゃんと母さんとついに合流したのであーる。
それで、三人は、父さんの骨が眠る大川の勝楽寺さんを目指したのだが、母さんがちょっと興奮し過ぎてしまい、先祖の墓参り前でダウン、引き返すことになったのだとか・・・。
母さんは、ぼくと似ており、興奮すると眠れなくなるタイプだからなぁ。
孫が訪ねてきたので、嬉しかったんだろうねー。想像がつくわ。
はしゃぎすぎて、ぐったりしたようで、柳川の御花(立花藩の末裔の方々が経営するお宿)で一休み、浜松屋の鰻を食べて、帰ることになったのだとか・・・。
母さんの祖先は鉄砲屋と呼ばれ、戦争中は鉄砲の開発、サムライの時代には刀を作っていた。立花藩の刀を作っていたのだそうだ。
戦後は中九州一帯で製鉄所をやっていた。
ぼくが子供の頃には田舎に行くと、大きな工場がいくつも建っていて、たくさんの人が働いていたものだった。母さんは、「鉄砲屋の恭子」と呼ばれていた。こわそう。
御花さんに滞在して、小説を書いた時期もあった。長閑な九州の田舎である。
息子、十斗は、そこが自分の原点だと思っているようで、日本に帰ると必ず鰻を食べ、大川の勝楽寺に立ち寄り、掃除をするらしい。
息子君、すでに10回くらい行っているのに対し、ぼくはこの十数年、一度も行ってなーい。ひゃあ。
先祖様に叱られてもしょうがない。
その分、息子が孝行をしているのであったぁ、あはは。

滞仏日記「ついに、九州に上陸した我が息子、ぼくの母さんと柳川へ鰻を食べに行く」

※ 柳川の風景を撮影する息子。

滞仏日記「ついに、九州に上陸した我が息子、ぼくの母さんと柳川へ鰻を食べに行く」



ところで息子は福岡滞在中に、中洲大洋映画劇場でロングラン中の映画「中洲のこども」を観に行くに違いない。
というのは、あの映画の音楽監督は十斗なのである。
映画を観た方から、ご指摘もあった。
「辻さーん、音楽、辻十斗、となってましたよ~」って。
そうなのである。
あのエンディングミュージックはうちの愚息が作ったのだ。地球カレッジのテーマソングも息子作であーる。☜親バカ?
自分の息子に音楽を作らせていいものか、一瞬、悩んだが、何せ、製作費がない映画だったので、有名ミュージシャンには断られ続けた。
なので、息子に、やらないか、と言ったら、うん、という快諾、あはは、・・・。
冗談のように、さりげなく、親子共演をやらかしているのであーる。
これから見に行かれる皆さん、ぜひ、全編に流れる音楽にも、そして、エンディングテーマにも、ご注目ください。
うちのあやつが、作ったんであります!!!

滞仏日記「ついに、九州に上陸した我が息子、ぼくの母さんと柳川へ鰻を食べに行く」



ということで、息子は福岡からソウルへと飛ぶのだろうな。
フランス人の同級生が韓国に留学中で、彼の下宿に飛び込むのだとか。
もっとも、大学生なのだから、楽しめばいいのである。
今は、ぼくにかわって、ばあちゃん孝行をやってもらい、ぼくは来月、福岡入りし、母さん孝行をして、辻家、みんなハッピー大作戦なのであった。
息子君は、本当に家族を大事にする子なので、勝楽寺に行くと一族のお墓の掃除とかもやって、手を合わせているのだという。
勝楽寺は西本願寺系列のお寺さんで、ぼくのおじいちゃんは東本願寺だったから、(おじいちゃんの喉ぼとけが東本願寺に眠っています)でも、まぁ、近いということでみんな倶会一処なのであーる。
ぼくは息子にメッセージを送ったのだ。
「あのね、君がパパに作ってくれたサーモンのクリームパスタ、あれを恒ちゃんとばあちゃんにも作ってあげてね。ぜったい喜ぶはずだからさ」

滞仏日記「ついに、九州に上陸した我が息子、ぼくの母さんと柳川へ鰻を食べに行く」



人生はつづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
なんと、英国のあの謎の紳士さんから、労働ビザをとる、と連絡があって、メンバー全員の労働ビザをこれから申請することになったのであります。すごいねー。そうか、英国でやるからには、労働ビザが必要なんですね。英国、EUじゃないし、NATOだけれど、ふふふ。その前に、8月24日の福岡国際会議場メインホールでのライブを皮切りに4か所、日本を駆け抜けないとならないし、おお、忙しい時期に突入することになります。体調を整えないといけませんね、父ちゃん。えいえいおー。

そして、8月13日は、地球カレッジの「小説教室」が開催されます。詳しくは下の地球カレッジのバナーをクリックください。

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