JINSEI STORIES

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」 Posted on 2023/08/28 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ということで東京に戻って来た父ちゃんなのだが、今日はホテルの宿に積みあがっている歴史的な父ちゃん資料の整理をやった。
これは、小淵沢の倉庫に保管してあった父ちゃんの古い小説の生原稿とか、初期作品のゲラとか、若い時代の絵画とか、世界中を旅した時の写真とか、学生時代の日記とか、バンド時代の手帳とか、カセットなどの音楽データとか、ある人にとっては、超お宝、ばっかり。
都内某所に現在内装中のキッチン・ギャラリー(?)で展示するために使う辻重要文化財(?)なのだけれど、いやぁ、まさに超一級資料である。☜ 誰の誰に対する超一級?
(キッチン・ギャラリーはまだ二転三転、四転五転しているので、ちょっと、いつ、どういう形で世に出るのか、言えない状況です)
今日と明日が名古屋ライブ前で、ちょうど何もない日だったから、なんとなく、作業しはじめたのだけれど・・・、ハマった。
はー、いろいろと出てきたよー。
まずは、母さんと、父ちゃんが少年だった頃の写真とか。
たぶん、撮影しているのはぼくの父さんということになるのかなぁ。弟に確認をしたら、そうなるかねー、と母さんが言ってる、とのことであった。
笑っている父ちゃんは、幸せ、そうである。
母さんが、若い・・・。当たり前だけれど、まだ人間としてできてない顔をしてなさっとる。今は、出来上がり過ぎた人間の顔をしている、米寿だからね、当然だ。
人間って、生き続けると顔にでる、おもろい、のー。

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」

※ 上、若い頃の母さん。下、今の母さん。笑。ピアニストのドクター・きょんさん、と。福岡ライブの後。

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」



たくさんの写真が出てきた。ECHOESデビュー前の写真がどっさり、その中に、郵送したけど相手がいなくて戻って来た年賀状があった。☜坂内さん、が思い出せない。
デビュー前のぼくが友だちか知り合いに、送った賀状なのだけれど、文面がこれまた面白い。
いや、デビュー直前の幸せそうな父ちゃんがそこにいた(ということは、1985年だね)。
その頃の写真も出てきた。こんなにぴちぴちした青年だったのか、とびっくりぽん。
あはは。

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」

※ 年賀状なんか、もう四半世紀も出してないので、若い頃の方が真面目だったことがわかりました。



どこかのデパートでぼくの死後に回顧展が決まったら(☜ はぁ~?)、十分過ぎるほどの辻文化財の宝庫がここにある。
若い頃に描いたと思われる日本画もあったし、書もあった。ともかく、充実であった。
ただ、これを全部ホテルに置いておくのは、ちょっと危険なので、パリに一度持って帰り、事務所で管理してもらうのがいいかな、と思っている。
キッチン・ギャラリーで展示をする場合は、その都度、持ってきて、個展と同じく、展示をしていく、ということになりそうだ。
ともかく、ぼくは東京での定宿をこれから探す必要が出てきそうだ、という新たな問題が発生・・・。
東京拠点計画、というタイトルでスタートしておいて、今更、そこには住めない、というのも、残念だけれど、キッチン・ギャラリーやるなら、やはり、住めない。
落ち着いて滞在できる場所、他に、探します。☜ふりだし? 
でも、キッチン・ギャラリーは完成しますので、オープンはします!!!
来春とかでしょうか? ☜え、めっちゃ、伸びてない? あはは。

さらに、整理をしていると、うちの息子の母親代わりをつとめてくれているミナと、なんと、大学生時代の父ちゃん仲良し写真が出てきた。
ミナが幼稚園児くらいの頃のだろうか?
ぼくが19歳か、20歳の時である。
ぼくはなんで、「もんちっち」のような髪型をしていたのであろう。流行だね、当時、サーファーがいっぱいいたからなぁ。
芥川賞受賞時の写真は今よりも老けている。
あの頃は、精神的なストレスをかなり抱えていたので、ある意味、気持ちの病気だった。それを乗り越え、今は、こんなに安定し、元気な父ちゃんなのである。
うちの息子はミナに懐いている。
ま、遠い親戚ながら、兄妹のような感じだったので、その結果、今があるのだろうね。この間の映画の舞台挨拶の時も、ミナが母さんの手を引いてくれていたっけ。

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」

※、若いし、むんむん、しているね。父ちゃん・・・。

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」

※ そして、このもんちっち父ちゃん写真をひっくり返すと、この文章が出てくるのであーる。20歳じゃん!!!!

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」



それにしても、いったい、東京拠点計画、どうなるのだろう。
ぼくの東京拠点は本当に出来るのだろうか?
ぼくの部屋は、足の踏み場もないくらい、展示をする予定の原稿とかが溢れているのだけれど、ここまでして、東京拠点をやっている自分に、疲れてきた。
だってね、かび臭いんだよね、この資料・・・。他に保管できる場所がないから、ホテルの部屋の中に、過去のデータがどさっとあるからね、そりゃあ、咳も出るよね・・・。
大変だったのだよ。お盆の時期は・・・。
ここまでして頑張る、意味が知りたい。
ライブが終わって、部屋に戻ると、シマちゃんからハワイ土産のチョコが届いていた。くー、チョコは好きだ。
おっと、シマちゃんから電話だぁ、凄いね、呼ぶなぁ・・・。この続きは、次回に・・・。
「あ、もしもし、ツジちゃん? その件なんだけどね」
熱血~。

滞日日記「東京拠点計画の先が見えず、ちょっと停滞中。いったいどうなる東京拠点!」

※ 足の踏み場がない。ずっとこんなかび臭い部屋で、生活をしている父ちゃんなのだった。早くパリに帰りたい!!!!



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
このタイミングでパリの携帯紛失マネージャーのMMからもメールがあり、「先生のご無事を祈っております。どうぞ、あまり無理なさらず、あまりやり過ぎず、たまには人にふって、逃げて、なんとか生きつづけてください」と書かれてあった。あはは。

父ちゃんが朗読する自著、「ミラクル」
☟☟☟ 
https://www.audible.co.jp/pd/ミラクル-オーディオブック/B0CD34GYVG

8月29日、名古屋ダイヤモンドホールでのライブ(完売)
8月30日、東京EXシアターでのライブ(完売)
9月3日、京都劇場でライブ(完売)
9月1日、辻村(tsujiville)開村
9月16日、NHKBS、新作「パリごはんSP」その一週間前から連日過去作一挙再放送。
2024年2月末、伊勢丹アートギャラリーにて絵画初個展「les invisible」開催。

●「ボンジュール!辻仁成の春のパリごはん」
【BSP】9月11日(月)午前6:15~7:14
※初回放送 2021年6月18日

●「ボンジュール!辻仁成の秋のパリごはん」
【BSP】9月12日(火)午前6:15~7:14
※初回放送 2021年10月30日

●「ボンジュール!辻仁成の冬のパリごはん」
【BSP】9月13日(水)午前6:15~7:14
※初回放送 2022年2月23日

●「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2022春」
【BSP】9月14日(木)午前6:15~7:14
※初回放送 2022年6月17日

●「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2022夏」
【BSP】9月15日(金)午前6:15~7:14
※初回放送 2022年9月23日

●「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2022秋冬」
【BSP】9月16日(土)午後1:00~1:59
※初回放送 2023年2月17日

●「ボンジュール!辻仁成のパリごはん 2023春」
【BSP/BS4K】 「パリごはん2023SP」(9/16土曜20:00~21:29)
今回が、初回放送になる、新作です!!!!!



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