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滞仏日記「熱血100連発。ケンブリッジ大行進をやると決めた、父ちゃんなのだった」 Posted on 2023/09/10 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、ともかく、20日の週に、ロンドンのホテルを予約した。
当然、ユーロスターのチケットもゲット。とりあえず、ロンドンへ行く。
ポール卿から、とくに連絡はないが、ともかくぼくはぼくでライブをやるからには、遠くからぼんやりと指をくわえて、眺めているわけにはいかないのだ。熱血はどうした!
ポール卿が招聘元のプロモーターなので、普通だったら、お任せでいいのだけれど、ただライブをやりに行くというのも、辻仁成らしくないのでよくないし、せっかくの機会だからこそ、一人でも多くのロンドナー(パリジャンみたいなロンドン人)に観て貰いたいので、ぼくが動くしかないのだった。
ホテル代もユーロスターチケットも貧しい芸術家の父ちゃんには、バカに出来ない。息子よ、すまん。
それでも、ロンドンに行かないわけにはいかない。人生の下見であーる。
ロンドン・ケンブリッジ劇場ライブも、オランピア劇場ライブに負けないくらい、盛況にやり抜きたいではないか。熱血~~~!!!
ならば、アクションを起こさないといけない。そうだ、それだ!
Action is neededなのであ-る。

滞仏日記「熱血100連発。ケンブリッジ大行進をやると決めた、父ちゃんなのだった」



ぼくは常に行動の人でありたい。
一人でも多くのロンドナーにぼくの音楽を届けるために、まず、ぼくが率先して動くしかないのであーる。熱血~。
パリのオランピア劇場でのライブは、自らポスターを貼りに動いたじゃないか。
さすがにロンドンでポスター貼りは逮捕されるレベルなので出来ないが、他にも、何かできるはずだ。でも、何が出来るか、パリからではわからない。
行くしかない・・・。そうだ、熱血渡英しかない!!!
その何かが、今はわからない。行くしかない。下見のつもりで、行ってやろうじゃないか!
パリに住んでいる日本人がただ腕を組んで何もしなければ、結果は見えている。
ダメだとしても、行動してダメなのと、何もしないでダメなの、では、じゃ全然違う。
ロンドンを成功させれば、今回のワールドツアーは大成功となる。よし、父ちゃん、その通りだ。
自分のために、ぼくはまず動くことにした。
日程はとりあえず、20日からの週で、一週間以内とした。ポール卿、メモしてね。
ポール卿からは「10月1日に、ジャパンソサイエティのイベントがあるので、そこに来てほしい」と言われた。
し、しかし、10月1日からバンドのリハーサルが決定しているので、変更は難しい。
宣伝よりも、まず、練習が大事である。熱血~。
そこは、本末転倒にならないよう、空いてる日にちで動くしかないのだ。
ともかく、ポール卿は、ポール卿で宣伝をしてもらい、ぼくはぼくで出来ることをやる。
ということで、まずは、ユーロスターのチケットをゲットすることからはじめた。
次にホテルを探すことに・・・。ぐあああああ、熱血じゃああ!!!

滞仏日記「熱血100連発。ケンブリッジ大行進をやると決めた、父ちゃんなのだった」



ところで、ケンブリッジ劇場はロンドンのどの辺にあるのだろう。調べてみた。
ケンブリッジ劇場はロンドンの劇場地区、ウエストエンドにあった。
おお、凄い。ニューヨークで言うと、ブロードウエイじゃないか!!! 
そして、すぐそばに、あのお洒落な、なんでも手に入る、コベントガーデンがある。
これはきっと、面白いことが出来そうだ。
そこで、スタッフと相談をし、24日の日曜日、日本時間の22時あたりに、Youtubeのぼくのアカウント「2G」チャンネルからYouTubeライブをやってはどうか、となった。
できれば、ポール卿にも参加してもらい、一緒にウエストエンドを歩きながら、ツアーをやる。もちろん、ゴールはケンブリッジ劇場だ。おお、熱血~。
こんなことをして、宣伝になるのか、という意見もあるだろう。
でも、何もやらないよりは、大きなアクションになるような気がする。
それを起爆剤にして、まず、ロンドンと辻仁成とを繋ぐ。ロンドン在住の方々で、お暇な方はぜひ、一緒に歩いてもらいたい。
それを「ケンブリッジ行進」と名付けようではないか。おお、熱血~。
ポール卿に案内をしてもらい、一緒に、ケンブリッジ劇場までライブの豊富を語り合いながら、行進をするのである。ロンドン在住の皆さん、一緒に歩きましょう!熱血~!
どうであろう。この素晴らしいアイデア。何かが動くような気がしませんか?
しない? えええっ? 誰も来ないっ? あああ、そういうこともありえーる。
しかし、誰も来ない、と頭から決めて何もやらないより、何かが起こるかもしれない、と思って行動することが大事ではないだろうか?
ぼくは、ポール卿を信じている。彼は絶対に、ケンブリッジライブを成功させるはずだ。
彼はアイデアマンだし、大成功をおさめた過去の偉大な経験がある。
何か、きっかけがあれば、世界は必ず動くはずだ。
ロンドン滞在中、ぼくはキーパーソンたちと次々に会っていく。きっと、ケンブリッジ行進から革命的な何かが生まれるはずである。
ふふふ、行動あるのみ~! 熱血~。

滞仏日記「熱血100連発。ケンブリッジ大行進をやると決めた、父ちゃんなのだった」



滞仏日記「熱血100連発。ケンブリッジ大行進をやると決めた、父ちゃんなのだった」

※ 熱血に、拍手~。ぱちぱち。



ということで、新たな熱血宣言である。
ケンブリッジ大行進を成功させ、ケンブリッジ革命を起こし、父ちゃんはケンブリッジ劇場の舞台に、日本人としては初めて、仁王立ちするのであーる。
メンバーは、2年連続フランスの最高パーカッショニストに輝く、ブラジル人のジョルジュ・ベゼラ。
ポーランドのオーケストラを主催し、欧州で引っ張りだこの、バイオリニスト、イタリア人、マリオ・フォルテ。
父ちゃんの右腕的存在のピアニスト、日仏ハーフのエリック・モンテニー。
そして韓国で90年代にナンバーワンを獲得したことがあるトランぺッター、ユン・ファソン、という超豪華な布陣なのであーる。
さらに、英国の豪華ゲストも、ポールが現在仕込んでいるところなのだ。成功させないわけにはいかない。皆さん、ご一緒に、熱血~!!!!!!
まずは、24日のケンブリッジ大行進を成功させましょう。
ロンドン、コーリング!!!

つづく。ふー。

今日も読んでくれてありがとうございます。

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