JINSEI STORIES

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」 Posted on 2023/09/17 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、今日は「ボンジュール、辻仁成のパリごはんSP」がオンエアーされたのだった。
放映と同時に、ぼくのラインに各方面から、「観てるよー」というメッセージが数通、届いたので、ちょっと驚いた。
普段の放送の時はここまでの反響はない、かな・・・。
ゴールデンタイムのオンエアーだったからか、それとも、この一週間、連日過去作が放映されてきたからか、ともかく、いつになく、いい滑りだしであった。
放送直後に、オンラインコミュニティでやっている生放送ラジオ・ツジビルでも観た方々からたくさんの意見が(チャットで)届けられた。
「三四郎とたくさん会えた」「ライブがよかった」「荒城の月がよかった」「毎日のごはんが美味しそうだった」「息子さんが料理上手」などなど、いろいろ。
よかったよかった。
ディレクターの義和氏が頑張ったのは言うまでもない。
製作チームがいつになく、力を入れて編集作業をやってくれたおかげもあるだろう。最終回にふさわしい出来栄えで、放送が終わる時、やりきった感に包まれた。
おつかれ、父ちゃん。
そして、皆さん、ほんとうに、ありがとうございました!

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」



それにしても、NHKの皆さんが、こんな番組だけれど、ちゃんと大事に扱ってくださっているのが伝わってきて、嬉しかった。
この自撮り撮影、思い返せば、大変の連続だったからだ。
携帯で撮影しているが、日常生活を送りながら、つねに、撮影を意識しないとならなかったのが、しんどかった。
美味しいご飯が出来たのに、カメラを回してない時の衝撃ったらなかった。笑。
たぶん、テレビ用自撮りをやらせたら日本で一番うまい人になったように、思う。
もっとも、映画監督をやってきた経験が役立った、というのもある。Iphoneが優秀というのがもっと大きな成功の理由かもしれない。あはは。
料理している場面を、自撮りするのが実は一番厄介であった。一台は手元をとり、もう一台は三脚につけて、自分を撮影する・・・。
あまった手でフライパンをゆすったり、ひっくり返したり、大忙し。
カメラ撮影をしながらなので、肉に火が入り過ぎたりとか、画面がずれて使えなかったり、自撮りだからこその失敗も何度かあった。
料理だけの撮影だと楽なのだけれど、自分を撮らないとならないのが厄介で、たまに、怠けたこともあった。すると、義和氏に叱られた。
「辻さん、自分の顔を映してください」と。笑。
そう言われると、パリまで撮りに来いよ、と言いたくなったが、ま、予算もない番組だったので、ぐっと堪えて自撮りを続けたのだった。
つまり、ぼくが頑張るしかないのだった。あはは。だって、自撮り番組だからね。
毎回、これが最後と思ってやって来た。
今回の番組で7回目なので、こんなに大変なことを7回もやって来たのだ、と思うと、自分にご苦労さん、と言いたくなる。
父ちゃん、お疲れさまでした。
しかし、これで、ぼくは自由になるので、ま、大変だったことも含め、いつか、いい思い出、になるに違いない。

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」

※ 自撮り棒を忘れた時、田舎で、海の場面を撮影するために、作った即席、自撮り棒!!!! 笑。流木とたわし、・・・苦労したよ。

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」



どんな反響がNHKに寄せられているのか、わからないけれど、肩の荷が下りた。
もっとも、再放送がしばらくは続くのかなぁ。
BSならではの、超ロングランを目指して、番組は新しい海へと船出した、ということであろう。
人生のある時期、ぼくの日常をカメラ(携帯)が捉え続けた。
よかったよかった。
熱血~。

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
こうやって、一つ一つ、終わっていくのが人生なのです。お世話になりました。息子君も、大学生になり、毎日、自炊をしています。彼が作る料理はマジ、本格的で、涙が出そうになります。シングルファーザー冥利につきますね。皆さん、もう一度言わせてください。ありがとうございました。
さて、今日は宣伝無しで、終わりにします。じゃあ、明日。

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」

滞仏日記「ボンジュール、辻仁成のパリごはん、無事に放映されました。感謝します」

自分流×帝京大学