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滞日日記「今日もギャラリーTでお料理を提供した父ちゃんであった」 Posted on 2023/11/19 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、今日もギャラリーTでお料理を提供した父ちゃんであった。
このギャラリーTの設計技師の須藤さんが先に試食をし、このご満悦の顔になったのであーるぬーぼー。どうじゃ、この笑顔、やばかろう~!!!!

滞日日記「今日もギャラリーTでお料理を提供した父ちゃんであった」

正確に言うと、ここは大きなホテル(レジデンスも付属している)の中にあり、一階のレストランの総料理長がここの責任者を担っておる~。(御簾料理長については、また、紹介しますね、時代劇に出てくる落ち武者風の風情で、古風なイケメン。おっと、しかも、超ニヒルなソムリエのヤブキが実はこのホテルの総支配人なのであーる。彼は元フォーシーズンズにいたらしい。すでに紹介済みだね)
しまちゃんの会社は飲食、ホテル、建築業の専門家なので、超めんどうくさいことに、そのすべての責任者がいちいち、味見をしにやってくるのだ。チェックしに、あはは。
で、ついに、一級建築士の須藤ちゃんが試食に来た。(でも、逆に、この連中、実に心強い。その道のプロフェッショナルなのだからね! ご安心してください、ちゃんと履いてます~、笑)
なにか、試されているような、別に父ちゃん、ここの専任シェフをやりたいわけではないのに、しまちゃんも、常務も、専務も、秘書広報官さんも、みんなでやってきて、いちいち、蘊蓄飛ばしながら試食していくので・・・、仕方ないのォー、しまちゃんに頼まれたので、父ちゃんはコンセプターやから。
やると言ったら面倒くさくても投げ出さないところが、父ちゃんのいいところなのであーる。(しかも、父ちゃん、謝礼無しで引き受けている。そもそも、遊びにお金は持ち込まない主義、つまり、仕事じゃないのだ。コーヒー飲んでも、支払っているのだから。会議室の使用料も請求されたので、ツジビルの打ち合わせは、骨董通りのカフェでやってる。つまり、ここ、東京拠点にはならなかった。笑。しまちゃんは知らないだろうが、これが真実なんだよー、しまちゃん!)
父ちゃんは、頼まれたら断れない、大馬鹿野郎なのであったぁ~。☜わかりやすい人。

滞日日記「今日もギャラリーTでお料理を提供した父ちゃんであった」



もう少し、詳しく説明をすると、ガスを使う料理などは、ホテルのキッチンで作ったものを、このギャラリーTで温めて出すスタイルになる。
なので、ギャラリーT全体がウオーマーのようなシステム。
御簾シェフとの連携もばっちり。いいね。
そして、ギャラリーTはいわゆるレストランではなく、キッチンスタジオ的、つまり、レンタルスペースになるような感じが近いのかなぁ~。ともかく、イイ感じに仕上がって来た。父ちゃんの作品物を展示するショーケースもばっちりなのであーる。
グランドオープンは3月を目指しているので、そこまでに、運営についてはホテルとレストランの責任者、支配人、しまちゃんなどが決めていく。
なので、父ちゃんがやるのは壁に詩を書いたり、自分の絵を飾ったり、時々、料理会&ワイン会を開催したり、という感じ。いいねいいね~。
今は友だちを招いて、食べて頂いているところで、料理を作る上で気になるところを須藤ちゃんにいちいち報告するのが使命なのであーる。☜どんな使命や。あはは。
ということで、まず、冷凍庫が小さすぎた点、キッチンからフロアに出る導線で必ず足がひっかかって危険なこと、内線の電話が通じないこと、Wi-Fiがかなーり弱いこと、配管の色が壁に馴染んでない、などなど、細かく報告したのであーる。
一番大きな問題は、天井のでっぱりに穴が開いている点なのである。そこにはかつて配管が通っていたのだと思うが、今は、ダクトが撤去され、ズボっと穴が開いている。
「ここ、どうしましょうか」
須藤君が言った。ぼくらは悩んだ。
「三四郎がそこから頭を出していたら、かなり、辻感、出るよね」
「ああ、それは名案です」
マジか。
ということで、壁の穴から三四郎の人形が顔を出すことになった。☜決定です。須藤ちゃんが、ぬいぐるみの作成をするために、三四郎の写真が欲しい、と言い出しました。えへへ。
3月のオープンをお楽しみに!!!

滞日日記「今日もギャラリーTでお料理を提供した父ちゃんであった」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
しまちゃんは、ぼくを顎で使っている、とか思わないでくださいね。しまちゃんの奥さんが凄く優しくしてくれるので、離れられないのよ、笑。しかも、社員の半分を引き連れて、パリのオランピア劇場までやってきたり、ほんとうに父ちゃんの活動を全面的に応援してくれている友だちなのです。ぼくがホテルに隣接するレジデンスに部屋を借りようとしたがために、話が膨らんでこんな展開になったのだけrど、同じ歳のオヤジ2人の、まぁ、壮大な遊び、そして、乗り掛かった船、最後までえい航したいと思います。

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