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滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」 Posted on 2024/01/01 辻 仁成 作家 パリ

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」

某月某日、皆様、あけまして、おめでとうござりまする。
毎日毎日、休まず、もう、何年も何年も、滞仏日記を書いてきたが、「読んでますよ」と言ってもらえることが、嬉しくてしょうがない父ちゃん、なのだった。
とくに大事なことなど、何も語ってはおらぬのだが、パリやノルマンディでわんこの三四郎と暮らす父ちゃんの日常を通して、皆さんが大笑いしてくれたり、気休めになってもらえているのであれば、
心より、うれしいのであーる。
「読んでますよ」
と今日も、マレ地区でのツジビル・オンラインツアーの後に、言われた。
「妻が毎日、読んでいます」
妻のために一枚写真をよろしいでしょうか、と今日、はじめて出会った岡本さんにも、言われたのだった。
車を停めた目の前で、掃除をしているムッシュがいて、フランス人だと思って「ここに車とめてもよきものか」と尋ねようと思い、声をかけてみたら、振り返ったムッシュ、な、なんと日本人で(世界は狭い!}、その洋服屋Vorteranoのご主人だったのであーる。
「え、辻さんですか? 妻が毎日、日記、読んでいます」
と言われ、記念撮影へと・・・、あはは。
手縫いの服を売っているというので、ちょっと覗いたら、えええ、いいじゃん、大人買いした父ちゃん、どうです? 似合ってます?
今時、ミシンとかじゃなく、全部、手縫いなんだとか。ひゃあああ・・・
岡本っち、フランスに挑戦しに来た、と力強く言うので、応援したい!
熱血~。

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」



「ほら、犬がいますよね」
「あ、三四郎ですね」
「そうそう、妻が大ファンなんです」
かならず、犬がいますよね、と聞かれるのだ。犬・・・。ま、いいでしょう。三四郎です。
それから、おせちをやらないが、毎年、恒例になっている、マレ地区のケーキ屋さん、レ・トロワ・ショコラに注文していたケーキをとりにいったのだが、その途中で、
「あ、辻さん」
と見覚えのあるムッシュに声をかけられた。だれだっけ?
「妻が毎日、日記読んでいますよ」
また、言われた。あはは。
デザイナーのこうじさんだった。HELMSという靴のブランドを立ち上げた方である。
「奥さんに、お礼を言っといてください。いつも読んでくれてありがとうって」
妻は読むが、夫はあまり読まない、これ、問題じゃなかろうか?
2024年の方向性を少し変えないといけないかもしれない。ムッシュにも読まれる「滞仏日記」を目指そう。えいえいおー。おやじたちに、届け~。
そして、「犬」ではなく、「三四郎」と呼んでもらえる生き物にさせてやりたい。さんち。犬なんですけどね・・・。あはは。

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」

※ HELMS PARISで検索すると出てきます。調べたら、伊勢丹でも、売ってた。

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」



ま、ともかく、パリで、安定感があり、存在感の強い人気店、(父ちゃんの周辺では一番人気です)のレ・トロワ・ショコラにケーキを取りに行ったのだった。
ま、誰も来なければ、一人で全部食べればいいし、ね・・・えへへ。
息子が友達を連れてくるかもしれないし、ご近所だったニコラとマノンがご挨拶したいというので、不意の訪問者のために、正月は必ず、佐野さんとこのケーキを買って備えているのだけれど、これが、年越しケーキをやってみたら、マジ、うわ、やっぱ、すげー、今年最高じゃん、となった。
サントノーレとパリブレストを掛け合わせた、両者のいいとこ取りのような一品。
A la folieというお菓子である。
ううう、たしかに、サントノーレとパリブレストのいいとこどりだァ~、思いつかなかった!
おいしい~!

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」

※パティシエの翔君、かなり、ダイナミックなパリジャンになっていて、前は、東北訛りが強かったのに、今は福岡出身の佐野さんの影響で、博多弁、しゃべりよった! よかねー!!!! サントノーレの生クリーム感、そして、パリブレストの濃厚クリーム感、両者の長所を兼ね備えた「A la folie」

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」

※ 小さいサイズだとこうなります。

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」



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※ そして、佐野さんが作る、この抹茶のチョコバーがねー、これでもかというくらい純度の高い濃厚抹茶クリームが、うすいダークチョコでコーティングされており、かじった次の瞬間、ドバっと口の中ではじけて、とろける、ううう、たまらん、傑作! 

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」

で、その帰りに、オペラにあるお気に入りの蕎麦屋さん、「東郷」に、予約していた生蕎麦を取りに行ったのだった。ここの蕎麦、大好きなのだけれど、自分でゆでると、お店で食べるあの「つるつる、しこしこ」感が出ない。
鍋はできるだけ、大きな鍋で少しずつやらないと、いけないみたいね。

ということで前説が長くなったが、年越しそばを日本酒に浸して(?)食べてから、三四郎と、エッフェル塔を目指した父ちゃんであった!
大勢の人が、エッフェル塔周辺に集まり、毎年恒例のカウントダウンをやり、ちっちゃな地味な花火があがって、ブラボー、ボナネー、と叫んでいた。
在仏歴、22年、ぼっちの父ちゃんだが、毎年、ボナネーの瞬間だけ、幸せを感じるのであーる。
日記を読んでくださる皆さん、いつも、ありがとう。そこに向けて、書き続けますねー。あはは。
誰に書いているのかいつもわからず、筆を動かしているが、こんな駄文でも、この地球上の、どこかで生きる、誰かの気休めになってもらえるのであれば、作家冥利に尽きるというものである。
小説だけが作家の仕事じゃない。え?
2024年も、念中無休で、無理せず、一日、2回程度のペースで、日記を発信していきたい、父ちゃんであった。☜はよー、小説書け、という声が聞こえた気がした、気のせいでしょうか・・・。いいえ、こだまです。
でも、人生、急いでもしょうがない。
なるようにしかならないので、年齢に見合った立ち方で、たたずんでいきたい。毎年、個人史における最高記録更新中である。
今年は、さらに、最高年齢のおやじを目指して、パリから世界へ向けて、発信し続けたいと思うのであーる。
道端で、会ったら、「妻だけじゃなく、ぼくも読んでいますよ、辻さん」と言ってもらえる、そんな、2024年を目指したいっちゃんねー。
じゃあね。

滞仏あけおめ日記「熱血新年~、あけましておめでとうございます。本年もよろしくなのだ」



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※ 新年の瞬間!!!
それにしても、実に地味な元旦のエッフェル塔でした。花火は個人があげているだけで、大きな花火は、周辺では、無し。なかなか、オリンピックイヤーとは言えない感じ、でも、戦争の時代だから、これでいいのかもしれません。2024年になった瞬間、拍手がおこり、みんな、次の瞬間、家路についてました。

つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
好きな絵を描いて、大好きなギターを弾いて、愛している三四郎を抱きしめて、2024年がスタートしました。
ということで・・・。
皆さんに、報告があります。元旦から、父ちゃんは毎朝、走ることに決めました。3月のライブまでに4キロほど、絞って、鉄男になってみせます。鋼のようなボディで、最強のブルースを歌う予定ですので、覚えておいてくださいね。ふふふ。
そして、お知らせですが、いよいよ、来月、28日から新宿・伊勢丹デパートの伊勢丹アートギャラリーで、3月5日の18時まで、個展、やります。すべっても、コテン、どじっても、コテンぱんに、なのですが、頑張ります。
で、3月3日は、両国国技館で、ギタージャンボリーに出演します。出番はわかりませんが、父ちゃん的にはオリンピックの位置づけ、楽しみです。
6日は、ツジビル祭り、2時間のライブを2セット、都内ライブハウスでやります。で、もしかすると、7日に、ついに、ギャラリーTがグランドオープンすることに。
そして、今年は、元旦から、父ちゃんは、フランス、ボルドーワインのグランドアンバサダーに就任しましたので、ボルドーの若手の作り手たちのワインの普及に一年間つとめたい、と思うておるのです。
どうぞ、ボルドーをごひいきに。熱血新年!!!

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