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退屈日記「フランス新首相、34歳と言う若さのガブリエル氏に。まじ、息子みたいな年齢じゃん」 Posted on 2024/01/11 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、フランスのマクロン政権が新首相に34歳のガブリエル・アタル氏を起用した。彼はフランス第五共和制時代において、実に、最年少の首相となった。
ぼくの息子と言ってもいい年齢の人がフランスの内政を指揮することになる。これは、世界中で大きな話題となっている。
アメリカの大統領、バイデンさんは1942年生まれの81歳、習近平・国家主席は70歳、岸田総理は66歳なのである。
ちなみにマクロン大統領は、46歳と、かなり若い。(奥さんの、ブリジット・マクロンさんは70歳)
そのマクロン政権で、新首相に選ばれたアタル氏は34歳なのだ。

退屈日記「フランス新首相、34歳と言う若さのガブリエル氏に。まじ、息子みたいな年齢じゃん」

※ おじいさん(父ちゃん)の横にいるのは、息子ではなく、笑、新首相のガブリエル・アタル氏、34歳。この写真は2021年くらいかな、まだ、32歳だったガブリエール!!! 



この34歳という年齢で、思い出されるのは、フィンランドの女性首相、サンナ・マリン元首相、のことである。
34歳で彼女はフィンランドを率いる立場になった。しかし、昨年、彼女が率いる与党が敗北し、37歳で、首相の座を譲っている。
フランスの新首相に就任したガブリエル・アタル氏も34歳で首相になった。
この若さにフランス人の多くは期待し、フランス人の多くはこの若さに経験不足を感じている。
印象としては好意的に思われている反面、現政権への批判も強く、最後の盾の役目の方が大きいかもしれない。でも、多くの人は彼は明晰な人と思っているのではないか。彼は、メモも見ず、自らの力で国民を説得する。自分の言葉を持っている。(当たり前のことだけれど)
マクロン大統領が、ガブリエル・アタルを指名したのは、実によくわかる。アタル氏に未来へのバトンを渡すような意味合いも感じられる。
そして、もはや、彼しか、いなかった。
弁が立ち(元報道官であった)、若く、指導力があり、真剣に政治と向き合っている人間として。
コロナ禍のロックダウン時期、ガブリエル・アタルは若年層への新しい挑戦を試み、若い政治家としての卓越を人々に示した。
決して、未来のない政治家とは思えない。
マクロン政権の使命はここで終わるかもしれないが、アタル氏の政治的経験はここから始まるようにも思える。
次の政権がフランスを率いる時、ガブリエルはそこと対峙する急先鋒になる可能性が十分にある。
経験がなかったガブリエルは、新首相になったことで、多くの経験を手にすることであろう。今、34歳の彼の20年後が気になる。
八方塞がりのこの世界を彼がどうとらえ、導くのか、その若き政治家の手腕が問われる。
ガブリエル・アタル新首相の登場は、この世界が世代交代を夢見る一つの試金石なのじゃないか、と思われる。
残り少ない時間の中で、ガブリエル・アタルが何をするのか、様子をみたい。

退屈日記「フランス新首相、34歳と言う若さのガブリエル氏に。まじ、息子みたいな年齢じゃん」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
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