JINSEI STORIES

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」 Posted on 2024/02/09   

某月某日、映画俳優だけはできません、と言い続けてきた父ちゃんだが、一度だけ、主演のような芝居をやったことがあるのだ。えへへ。
正確には主演は坂井真紀さんで、父ちゃんはその相手役というべきかもしれない。
パリと東京を舞台にした自主映画で、監督と俳優をやっちゃったのである。仏語のタイトルは「ParisTokyoPaysage」、日本語のタイトルは「その後のふたり」であった。
完全な自主映画で、パリと東京の映画ボランティアの人たちが参加して、完成させたのが、2010年だったのじゃないか、と記憶している。
日本とフランスで上映され、パリの小さな映画祭で、撮影賞も受賞している。
その作品の中で、郵便配達夫の役をしてくれたのが、ぼくの友人、チュックの15歳年上のお兄さん、ミーシャだった。
コミカルな役柄で、ぼくのへたな芝居を実によくサポートしてくれた。
そのミーシャが、先月、亡くなって、チュックと姉のカテリーナが、75年生きたミーシャの人生の後始末をするために、日本とアメリカからパリにやってきたのだ。
「レスキュー隊が屋上から窓を蹴破って、中に入り、廊下で倒れていたミーシャを発見したんだ」

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」

※ わああ、懐かしいなァ。坂井真紀さんお元気ですか~? いつもぼくの作品に出てくれて、ありがとう~ございます。素晴らしい演技力!

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」

※ 左側が、父ちゃんですね。あはは、芝居とは言えない、しばい、じゃなく、やばい、でしょうか。実は、小説では、二人は兄妹だったことが判明するのだ。だから、似せているのであーる。あはは。



ぼくも驚いたが、心臓が悪かったのだという。
独身で、身寄りがだれもいなかったので、発見が遅れてしまった。
チュックとカテリーナを誘って、ぼくの行きつけのタイ料理屋に行き、ミーシャの思い出話しで、ミーシャの送別会となった。
彼らのオリジンはロシア人なのだ。
おじいちゃんの時代に、ロシア革命があり、亡命をした。
若かった祖父母は、まず、ハルピンに入り、その後、日本人に助けられ、神戸へと移り住んだ、らしい。
チュックたちは3人とも神戸で生まれている。実は、チュックは、日本人なのだ。亡命しているので、彼は、最初から、たぶん、最後まで日本人!
ぼくはチュックと15年ほどの付き合いがあって、チュックもぼくの映画「東京デシベル」に出演している。
ポパイみたいな顔をして、いつも陽気で、常に前向きな男だ。
日本のテレビ番組が「アイヌ民族」を揶揄して、ちょっと前に、大問題になったが、実は、チュックが作ったアイヌの方々のドキュメンタリー映画を紹介する話のながれで、その事件が起きた、らしい。その番組に出ていたのがタイタンの若手芸人さんで、ぼくの映画にも出てくれた。とっても、いい子だったよ。
その話をすると、チュックは驚いていた。世の中は狭い。
お姉さんはバークレイに住んでいる。
ご主人はアメリカ人だが、カテリーナは17歳まで日本にいたので、日本語が堪能なのだった。(ミーシャは日本語が話せなかった)
この二人が、とっても仲が良く、亡くなられたミーシャが、本当に優しい人だったことを物語っていた。
今の、ウクライナとロシアの戦争のことにも、話が及んだ。
彼らはロシア革命の時の亡命ロシア人の末裔なので、複雑な気持ちがあるようで、この問題には、それぞれ、はっきりとした意見があった。
タイレストランのオーナーはカンボジア人で、携帯に残っていたミーシャの写真を見せたら、「チュックとカテリーナの背後の壁紙の前にいる」と言い出して、ぼくらはびっくりした。
携帯を覗くと、20年前の写真なのに、ミーシャの背後にある壁紙が、その店の壁紙と全く同じだったのだ。
もしかしたら、その写真はそこで撮影されたものかもしれない。
「いるね、ここに」
とぼくが言うと、チュックとカテリーナが、背後を振り返って、動かなくなった。

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」



「その後のふたり」という映画は、予算がゼロに近かったので、フランスでの撮影はぼくが主演で、東京での撮影は坂井真紀さんが演じた。
で、ワンシーンだけ、二人がすれ違う過去の時間が回想で描かれ、二つの世界をつなぐ、という構造なのだった
ぼくが坂井真紀さん相手に、喧嘩をふっかけるような場面があって、振り返ると、坂井さん、迫力があった。一方、ぼくは、本当にお恥ずかしい演技力なのであった。あはは。
時々、役者をやらないか、という話しを貰うのだけれど、あの映画でこりごりしているので、たぶん、もう、やらないと思う。
そういえば、宮本亞門さんに、おばあさんの役をもちかけられているのだけれど、え? おじいちゃんじゃなくて、おばあさんって、はー、それなら、できるかも、・・・あほな、役者を舐めるなよ、と言われそうなので、やめておきます。
ミーシャ、長い人生の旅だったね、映画ではお世話になりました。
ありがとう、郵便配達夫のあなたが届けてくれた手紙、まだ、ぼくの心のポストの中に眠っていますよ。

滞仏日記「ぼくは一度だけ映画で芝居をやったことがあり、その時、ミーシャと出会った」

※ ムードメーカーとして、コミカルな演技を披露してくださった、左手のポストマンが、ミーシャさんです。



人生はつづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
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さて、最近、(昨日くらいから)インスタを二つ、開始しました。笑。フォロワーさん、まだいません。
・新しいデザインストーリーズのインスタ、はじめました。まだ、これからですが、応援ください!!!
https://www.instagram.com/designstories_paris?igsh=cHlpdGFvdWkyYmdj&utm_source=qr
・ジャパンストーリーズのインスタも同じくやり始めました、まだまだ、新米ですが、動画をアップしていきます。当スタッフ一同にて。
https://www.instagram.com/japan.stories?igsh=MTA2dWFjODdsZnNrZA%3D%3D&utm_source=qr
ぼくのなりすましが、ファイスブックで暗躍していて、問題が起きている、というので、皆さん、フェイスブック、ぼくのなりすましには、近づかないように、友だち申請とかしないでくださいね。要注意です。

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●小説「東京デシベル」がイタリア、Rizzoli社から刊行されました。
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●6月30日、パリ・ライブ決定(詳細、待って)
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以上です。
※ツジビル(辻村)では村人を募集中、イベントがいろいろあるよ。☟☟☟

TSUJI VILLE

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※ その後のふたり、から、十年後の恋、へ。

自分流×帝京大学