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退屈日記「日本とこんなに違う、フランスの人々は反対運動で大統領を動かす」 Posted on 2024/02/18   

某月某日、フランスという国は、とにかく、毎日のようにどこかでデモをやっている。
最近も農業団体が大規模なデモをやって、パリに入る高速道路をトラクターで封鎖した。パリから車で出入りしないとならない人たちは本当に困った。しかし、フランスの人々はデモ運動に関しては、寛容かもしれない。
それをしないと、暮らしがよくならない、ことを知っている。
こういうのが日本で起こったら、どうなるのだろう?
というか、起こるだろうか?
日本でも、平和なデモ行進が時折、行われているが、フランスのデモとは比較にならない。ぼくは目の前で、新聞スタンドが燃えあがるの二度、見た!
過激で、大規模で、もう、ひとたび、デモが暴走すると、その周辺地域は、すべてが麻痺してしまう。
今回は、様々な理由でフランスの農家の人達の怒りが爆発した。このままでは生きてはいけない、と彼らは声をあげ、法律をかえるべく、大規模なデモをおこなっている。
その怒りと動きが、パリの高速道路封鎖へとつながった。
一方、オリンピック開催期間、セーヌ川沿いに並ぶブキニストと呼ばれる古本屋をセキュリティ上の理由(テロ対策)で一時的に移動させるということが議会で決まった時も、ブキニスト協会の人々や市民が声をあげ署名運動をはじめた。
こういうデモや署名運動や抗議活動で何が変わるのだ、と思う人も多いだろうが、フランスでは、とことんやるので、声が大統領に届くこともある。
実際、マクロン大統領が、パリ市民の声に耳を傾け、このブキニストの移動を中止させることに、決めたのだ。
自分たちの暮らしは、行動を起こし、声をあげれば、民主国家なのだから変えることができるのだ、ということを、フランス人は心得ている。
何せ、革命で王制を倒した国民だからである。
大統領が折れたことで、ブキニストたちは大いに盛り上がっていた。(セーヌ川沿いのブキニスト、900軒以上あるのだ。大喝采であった)
詳しくは、こちらのパリ最新情報をご覧ください。
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https://www.designstoriesinc.com/europe/bouquinistes-2/?preview=true

退屈日記「日本とこんなに違う、フランスの人々は反対運動で大統領を動かす」

※ こういうスタンドの古本屋さんが、ブキニスト、である。セーヌ川の両岸に、ずらりと並んでいる。



日本も今、GDPがドイツに抜かれ、それよりなによりインフレもあり、円安が続いて、国民が大変な思いをしているという一方、自民党の派閥の問題や、政治家のお金の問題が、たびたび、ニュースになっている。
なのに、日本の国民は我慢強い。
ぼくの母さんとか、父さんはもういないけれど、その世代の方々はやっぱり、変革をあまり求めない人が多くて親戚の大マダムなどだいたい、わからんもん、と言って、昔ながらのことを信じている。
若い人も、政治のことには関心がないように、見える。
ぼくも、日本に住んでいないということもあって、情報がSNSしかなく、ますます、選挙からも遠ざかり、人のことは言えない情報不足の立場になってきた。
それでも、日本のことは心配で仕方がない。
国会議員の皆さんが、まずは、自分たちから改革をしていかないと、立ち上がらないと日本は本当に、後数年後、GDPは驚くほど、ぐーんと、落ちて後進国入りしまうのじゃないか、と心配になる。
企業がどんなに頑張っても、日本丸の政治中枢が、国民が動かないことを利用して、ある意味、それを利用しているのだから、政治家ばかりが儲かり、税法も政治家にはあまく、なかなか人々の暮らしに青空が見えてこない。でも、仮に、一度でも大きなデモや運動に発展したら、日本も変わる。
ブキニストの反対運動だけれど、フランス政府側も、ここは、折れてみせている、という可能性もあるが、でも、声をあげれば大統領も動くということが、人々をさらに勢いづかせているのも事実で、農家の人たちにも、いい影響になったはずだ。
欧州にあって、フランスの農家のクオリティはすごい。しかし、利益も少ない。
フランス国民は農家の人たちに同情的である。
ぼくはこのデモ行動の先に、妥協的な政治の修正が行われるのじゃないか、と思っている。しかも、この農業改革運動は、欧州全体に飛び火しつつあるのだ。
政治というと、関わりたくない、と思う人が多いし、たしかに、自民党とか野党とか、そういうことにはうんざり、という人もいるかもしれないが、政治がダイナミックに動く時、その国も、いい流れを生むし、今の危険水域に入っている日本の経済などを本当に改革できるのは、大局的にみると、じつは、政治家の質とガッツなんだけど、と思う時もある。
「そうは言うけど、そんな政治家がいないんだよね」
という意見が多いが、まず国民が動かないと、いい政治家も出現しない世の中だと思う。
国会議員の全員が、居眠り政治家ばかりではない。
まともな人を探そうとすることは大事だけれど、もう一つ、、危機感を政治家たちに持たせることはもっと必要なのじゃないか、と思う。

退屈日記「日本とこんなに違う、フランスの人々は反対運動で大統領を動かす」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
今日は、ツジビルのラジオがあります。日本時間、22時から、生放送です。
あと、いろいろと、おしらせがあるんで、流し見して、ごらんください。
伊勢丹アートギャラリーの個展ですが、気を付けてほしいのは、初日の28日は抽選で決まった方しか入れないので、正式には、29日の朝10時から、3月5日の午後6時まで、ご自由にご来場いただけます。「辻個展、29日から、3月5日まで」とメモをよろしくお願いいたします。混乱を避けるため、との画廊の判断ですので、ご理解ください。

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●3月3日、両国国技館、ギタージャンボリー出演。(検索ください)
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●6月30日、パリ・ライブ決定(詳細、待って)
●7月3日、リヨンでライブ!!!
・ジャパンストーリーズのインスタ、はじまりました。
https://www.instagram.com/japan.stories?igsh=MTA2dWFjODdsZnNrZA%3D%3D&utm_source=qr
新しいデザインストーリーズのインスタも再始動しています!
https://www.instagram.com/designstories_paris?igsh=cHlpdGFvdWkyYmdj&utm_source=qr
・それから、ぼくのなりすましが、ファイスブックで暗躍していて、問題が起きている、というので、皆さん、フェイスブック、ぼくのなりすましには、近づかないように、友だち申請とかしないでくださいね。要注意です。
以上です。

退屈日記「日本とこんなに違う、フランスの人々は反対運動で大統領を動かす」

自分流×帝京大学

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