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滞仏日記「牡蠣をパリのカフェーでどうやって食べたらいいの?  カフェで食べる牡蠣が最高!」 Posted on 2024/02/20 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、父ちゃんは毎日、カフェーで命の洗濯をしているのだ。
今日は、三四郎をスタッフさんの娘のマリーちゃんに預け(今、フランスはバカンス期間。マリーちゃんは時々アルバイトで三四郎の世話係)、やらないとならない仕事に朝から没頭をしたのであーるきめです。☜誤字ではない。ちょっと、アルキメデス、にひっかけたが高度であったかのー、無視されたし。あはは。
いくつになっても創作人生なので、暇があれば、何かやっている父ちゃんなのだが、生きているので、生きているかぎり、なにか、食べないとならない。
昼食をとるのも忘れて、創作に没頭していたら、お腹が、ぐーっと鳴った。
キッチンに行ったが、先日やってきた息子にいろいろと持たせたので、冷蔵庫はほぼ、空っぽであったーまん。
ということで、近所のカフェーに、気分転換をかねて、食べに出かけたのだった。カフェーに行けば、なんでもある。そこは、父ちゃんにとって食堂のような場所なのだ。
「ムッシュ、なんにします」
「なんにしようかな、食べすぎちゃいけないし、また、仕事に戻らないとならないんだが、元気になることができて、ちょっとつまめるようなものあれば、頂戴」
朝から何も食べてないが、たくさん食べると眠くなるので、少量がいいのだ。
「じゃあ、ブルターニュ産の牡蠣とか、いかがですか? パンもついてるから、ちょうどよくないですか?」
「おお、名案だ、いいね」
ということで、ここのカフェーには、牡蠣スタンドが併設されているので、ブルターニュあたりからくる牡蠣とかが、食べられるのであーるめにあ。_(._.)_
最低、6個から、いけるので、ブルターニュのおすすめを(種類も4種類くらいいつもそろっている)、6個ください、と注文したのだった。
ついでに、白ワインは、牡蠣にあうサンセール!(ちょっと酸味があるワインで、父ちゃんは酸味が苦手なのだけれど、牡蠣のヨードに、この酸味が火消し役をつとめてくれるので、牡蠣=サンセール、と覚えておくと、パリ旅行が楽しくなります)

滞仏日記「牡蠣をパリのカフェーでどうやって食べたらいいの?  カフェで食べる牡蠣が最高!」

滞仏日記「牡蠣をパリのカフェーでどうやって食べたらいいの?  カフェで食べる牡蠣が最高!」



ここのカフェーではアルコールを頼むと、だいたい勝手に、ピーナッツとオリーブが出てくる。
で、父ちゃんは黒オリーブが好きで、そこの穴に、ピーナッツを詰める。
あ、いや、これは遊びです、あはは。(ピーナッツオイルとオリーブオイルの融合みたいな世界観になるが、こんなことはハシたないので、ぜったい、真似しないでください)
でも、おいしいのです。
フランスでは、牡蠣には、黒パンがくっついてきて、そこにバターを塗って、牡蠣と食べあわせるのだが、22年前は、まじか、とこの風習に驚くことばかりであった。
でも、これ、慣れると、牡蠣の臭みというかヨード感をバターが包んでなだめてくれる感じになり、さらに牡蠣がおいしくなるので、おすすめ。マジマジ。
で、なんで黒パンなのか、そこはよくわからないが、勝手な想像で申し訳ないが、酸度が近いから、お互いを邪魔しないというか、気が合う感じで、たしかに、バゲットではこのコンビネーションは出せない。フランス、奥が深いのー。
まだ、仕事がたくさん残っているので、ワインは呑むというよりも舐める程度。
ソースのような役割をするので、白ワイン、じゃないとだめ。赤はヨードとぶつかるので、口の中が、鉛をかんでいるような感じになって、ぼくはNG~なのであーるせーぬるぱん。
で、牡蠣にはレモンも添えられているが、ソースとして、エシャロットの入ったビネグレットソースが必ず付いており、これがね、牡蠣にあうのよ、おすすめであーるぬーぼー。
今日の牡蠣は小粒だったけれど、新鮮で、臭みもなく、美味であった。

滞仏日記「牡蠣をパリのカフェーでどうやって食べたらいいの?  カフェで食べる牡蠣が最高!」



ということで、カフェー飯を食べて、事務所に戻り、仕事に没頭をした、父ちゃんであった。
次の個展のために、12枚の連作の絵を日本画のような不思議なタッチで描いているのだ。何かに没頭すると、そのことしかできない、父ちゃんなのであーる。えへへ。
夜は、冷蔵庫の中に期限切れの豆腐を一つ見っけ、冷凍庫にちょっとだけ牛ひき肉があったので、なんちゃってマーボ豆腐を作って、豆もやしを塩茹でしたお惣菜を添えて、つまんだのであった。
なんか、一見、寂しそうに見えるかもしれないが、そんなことはないのである。
一食一食、ちょっとずつだが、おいしく、食べて、感謝をして、今日を締めくくった、父ちゃんであった。
ああ、もうすぐ、個展だし、もうすぐ、ギタージャンボリーだよなー。
がんばろ。みんなも、一緒に、
熱血~!!!!

滞仏日記「牡蠣をパリのカフェーでどうやって食べたらいいの?  カフェで食べる牡蠣が最高!」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
ふと、思ったのだけれど、そろそろ、新曲、出さないとなりませんよね。もう、ずっと新曲出てないですものね、アルバムを全曲新曲で出したいですね。うんうん、メモしておきます。いつか、時間をうまく配分して、アルバム作らないと!!!
はい、お知らせでーす。
伊勢丹アートギャラリーの個展ですが、気を付けてほしいのは、初日の28日は抽選で決まった方しか入れないので、正式には、29日の朝10時から、3月5日の午後6時まで、ご自由にご来場いただけます。「辻個展、29日から、3月5日まで」とメモをよろしくお願いいたします。混乱を避けるため、との画廊の判断ですので、ご理解ください。

●小説「十年後の恋」集英社文庫版が1月19日全国発売。
●小説「東京デシベル」がイタリア、Rizzoli社から刊行されました。
●3月3日、両国国技館、ギタージャンボリー出演。(検索ください)
●3月6日、ツジビル・ライブ(SOLD OUT)
●4月19日、ロンドン、ライブ。詳細はこちらから☟

https://www.eventbrite.co.uk/e/2gz-tsuji-and-hide-live-japanese-music-in-london-tickets-790578039197?aff=oddtdtcreator

●6月30日、パリ・ライブ決定(詳細、待って)
●7月3日、リヨンでライブ!!!
・ジャパンストーリーズのインスタ、はじまりました。
https://www.instagram.com/japan.stories?igsh=MTA2dWFjODdsZnNrZA%3D%3D&utm_source=qr
新しいデザインストーリーズのインスタも再始動しています!
https://www.instagram.com/designstories_paris?igsh=cHlpdGFvdWkyYmdj&utm_source=qr
・それから、ぼくのなりすましが、ファイスブックで暗躍していて、問題が起きている、というので、皆さん、フェイスブック、ぼくのなりすましには、近づかないように、友だち申請とかしないでくださいね。要注意です。
以上です。

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自分流×帝京大学