JINSEI STORIES

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」 Posted on 2024/05/09 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、死にたくなることもある。
人間、生きていると、本当に、自分がだれに愛されているのか、わからなくなり、家族にも言えず、友だちにも相談できず、なんとなく、生きているのが嫌になること、って、人間であれば、一度や二度はあるはずだ。
そういう時、父ちゃんは、「ひとなり、死にたいと思ってもいいから生きろ」と自分に言い聞かせるようにしている。
今日は、そんな日だった。
でも、人間は死ぬことなんか、なかなかできるものじゃないので、また、自然と頑張ろうという方向に向かうのだ。
このもう一度、頑張ってみようよ、と思うことが大事で、その背中を押すのが、父ちゃんの場合は、自分とごはん、ということになる。
で、身体が動かず、やる気が出ない時に、父ちゃんがよく作るものがある。
食欲がなくても食べたくなって、その上に、栄養価も高く、とはいえ、簡単に作れることが大事になので、これだ!
父ちゃんの「肉巻きおにぎり」。
これがいいところは、元気がなくても、作ることができて、食欲がなくても、食べたくなって、なにせ、簡単で、絶対においしいやつだからであーる。

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」



作り方は、適当でいいのだけれど、だって、元気がないのに、難しいレシピなどできやしないわけだから、適当、適当、と言いながら、作ればいいよ。
それでも、絶対においしくなるから、大丈夫。
ボウルにごはんをいれて、胡麻とか、紫蘇の千切り、梅がちょっと入ると尚いい。塩昆布もいいねー。贅沢したければ、おしんこの微塵切りとか入れてもいい。
なんでもいいけれど、生きたろう、生きたろう、と言いながら作ろう!
俵おにぎりを作るのだ。これは、絶対に俵おにぎりにしないとならない。理由は、焼きやすいからである。
その俵おにぎりに、薄い牛肉を巻き付ける。安い肉でいいんだよ。
でも、ここにお肉がないとあかんのよ。
綺麗に巻きつけて、一度、ぎゅっと、手でもんで、形を整える。心も整う。
で、それを軽く油引いて、フライパンで焼いて、焼き目を全体に付けたら、そこに、アマダレをまわしがけするのだ。
自分で作るのがめんどうくさければ、焼き鳥、焼き肉のタレでいい。
もし、自分で作るなら、ボウルに、全部大匙1で、醤油、みりん、酒、を投入。あと、小さじ1程度の砂糖をお忘れなく。
ほら、見てほしい。元気が、出ないわけないよね?
元気になってほしい。
そして、また、生きてください。

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」



やっぱり、苦しい時にこそ、食べるのが一番いいのである。
よく寝て、嫌なことは思い出さず忘却し、そして、誰も愛してくれないと思うのなら、せめて自分くらい自分のことを心配してやってほしい。
で、死にたいと思ってもいいから、生きましょう。
生きていれば、すごくきれいな空を見ることができます。
ぼくも、このおにぎりで、また、明日から頑張る。
本当は、引退なんかしたくないけれど、ぼくには残念なことに、真の味方が少ないからね、これ以上、続けられない、ということなのだ。
物理的な理由で、ぼくは、引退をする。
今日は、セトリを決めた。ECHOES時代の曲が10曲もあった。あはは。
やっぱり、歌いたかったんや~。
生きてきた自分を褒めてやりたい。
最高のライブにします。

パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」

※ ひゃああ、これ、絶対においしいやつやん!!!!



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
いろいろと生きていると被害妄想にもなるし、苦しくもなるけれど、味方も必ずいるし、一生懸命やっていれば、見守ってくれる人も必ずいるので、無理したらあかんが、でも、頑張れる時に頑張ろう。頑張れなくなるまで、頑張ればいいと思う。ぼくは、頑張っている時に、生き甲斐を感じるタイプだから、肉巻きおにぎりは、ちょうどいいのだ。
毎日が、自分の自己ベストなのだから、そういう一生を切に、生き切りましょうね。
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パリごはん日記「もう駄目だ、という時に食べてほしい。肉巻きおにぎり」

そして、フランスツアーが6月に行われます。
パリは、ベルビルにある老舗の劇場「Le Zebre」にて行われます。チケットが発売になりました。在仏、在欧の皆さん、お時間があれば、ぜひに。
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●6月30日、パリ、Le Zebre チケットはこちらから、どうぞ!
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そして、7月3日、リヨン、La Marquise
なぜか、パリの会場よりも、売れています。売り切れる前に、お早目に!笑。
チケットはこちらから、どうぞ!
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●7月13日ごろ、帝京大学出版会から、父ちゃんのアートブック「パリ情景、動かぬ時の扉」が出版されます。全176ページの画集&小説集です!!!
●7月20日から7月28日まで青山・新生堂画廊にて、個展!
●9月後半、コルシカ、アジャクシオ、ライブ。(ライブは、だいたい、9月25,26日のどちらかになります。作家としての登壇も予定しています)

自分流×帝京大学

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