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パリごはん日記「世界一のフォーに挑む、前編。~おいしいものには準備が必要なのじゃ~」 Posted on 2024/05/10 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、不意に、一からフォーガを作ってみようと思った。
フォーガというのは、PHO(フォー)のことだけれど、鶏肉で作るフォーになる。
麺は、さすがに作ることができないので日本から持ってきた米で出来た乾麺を使うが、本格的なフォーガのスープを作ってみようと思った。
これが、鶏をまるごと一羽、使うのである。
前にもやったことがあるが、世界一、にまで到達できなかった。
今回の目標は世界一のPHOを作ることにあった。あはは。(個人的な目標です。審査員はいないので、自分の判断になります)
ということで、まずは、鶏を一羽買いに行くところからスタート。
行きつけの肉屋さんのウインドーの中に、最高級の鶏を発見!
「すいません。これ、一羽ください」
「はいよー」
元気のいいお兄ちゃんであった。
おにいちゃん、鶏肉をまな板の上に載せ、余計なものを、調理しやすいように除去しだした。おお、なかなか見ることのできない光景なので、撮影開始!
最後に、バーナーで、余分な毛を焼きとって、しまった。じゅー。
しゅ、しゅごい。
これで調理するのか・・・。

パリごはん日記「世界一のフォーに挑む、前編。~おいしいものには準備が必要なのじゃ~」

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まずは、この鶏肉まるごと一羽を解体しないとならない。
脚の、着け根の部分に包丁を入れ、分離させる。
内側に、ソリレスという部分が見えれば、OKである。焼き鳥屋で出てくるでしょ「ソリ」あの部分である。脚と胴体をつなぐ肉で、ここが一番おいしいと言われている。
それから、小さな羽根の部分を取り除き、胴体についているブロン(白肉)のところを丁寧に、包丁で殺ぎ切りおとし。
日本だと胸肉と呼ばれている部分である。
胴体から二枚、とることができるのだ。足も二本とれます。当たり前、あはは。
御覧いただきたい、これが、解体した鶏になるのだ。
じゃじゃじゃじゃーん。

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そしたら、大きな寸胴鍋に8リットルのお湯を沸かし、そこにこの解体鶏を全部、ぶち込むのである。ここから、最高のエキスが出てくる。
まずは、一時間ほど、この状態で煮込み、火が完全に入ったところで、骨と肉とを分離させるのじゃ。(ちなみに、さすがに丸ごと一羽なので、胸肉はちょっともったいないので、笑、あとで別の料理に使う方が便利だから、はずしておきました)
肉の部分はそぎ落とし、タッパーに入れて保存をするのだ。胸肉を外したので、この程度が残った。
これは、最後にちょっと調理をして、PHOの上に、ハーブなどと一緒に、具材として載せることになる。(これだけを食べても、超、美味い!!!)
さて、ここで、PHOに必要なスパイス類を投入する。ブラック・カルダモン、フヌイユ(ウイキョウ)シード、八角、エシャロット(これはフライパンで焦げ目がつくまで焼いてから入れる)生姜(同じく焼く)シナモンスティック、コリアンダーシード、コリアンダーの茎、などなどである。何か、忘れているかもしれない。
そこから弱火で、2時間ほど、おいしいスープのベースができるまで、根気強く、待たないとならない。水は、足さない。
ふふふ。
完成をお楽しみに。☜今、ここなので!

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※ 途中で、骨と肉を分離させます。で、出てきた肉がこちら・・。これだけで、十分に美味しいのだ。

パリごはん日記「世界一のフォーに挑む、前編。~おいしいものには準備が必要なのじゃ~」



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
丁寧に料理をする、というのが、ぼくは大好き。息子に、フォーガ作ってるから、食べに来なさい、とメッセージを送りました。友だち、連れてきてもいいよー。さすがに、1人だともったいないから・・・。完成が、楽しみなのでありまーす。

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そして、7月3日、リヨン、La Marquise
なぜか、パリの会場よりも、売れています。売り切れる前に、お早目に!笑。
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自分流×帝京大学