JINSEI STORIES

退屈日記「凱旋門の向こうに沈むシャンゼリゼの夕陽」 Posted on 2020/05/31 辻 仁成 作家 パリ

某月某日、人生って、毎日の連続だからね、その繰り返しの中で、安定しない日もあるし、何をしても楽しい日もある。毎日、なんとか必死で乗り越えているような、そういうある意味ぎりぎりの状況を、ぼくも、過ごしている。人生に疲れる日もあるし、人生に助けられる日もある。今日はどっちだろう、とびくびくしながら起きる朝もあれば、やっぱりあまりよくなかったとがっかりしてしまう夜もある。その中間地点が夕方なのだ。お日様が、さようなら、をしている。歩きながら、ぼくはその去り行く背中をおいかけ、手を振る。寂しいけど、明日、また会える。それを希望と呼んでおきたい。

ただ、夕陽が見たくて、あの日をおいかけた。この美しいパリの夕陽に言葉はいらない。

永遠が一瞬になる。
一瞬が永遠になる。



退屈日記「凱旋門の向こうに沈むシャンゼリゼの夕陽」

退屈日記「凱旋門の向こうに沈むシャンゼリゼの夕陽」

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退屈日記「凱旋門の向こうに沈むシャンゼリゼの夕陽」

退屈日記「凱旋門の向こうに沈むシャンゼリゼの夕陽」

退屈日記「凱旋門の向こうに沈むシャンゼリゼの夕陽」

シャンゼリゼ大通りの入り口、コンコルド広場の出口に辿り着いた時、真正面の凱旋門の向こう側に空を焦がす夕陽があった。太陽は凱旋門の向こう側に沈まんとしていた。この奇跡を、あなたに。



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