PANORAMA STORIES

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」 Posted on 2017/04/05 佐伯 幸太郎 ライター パリ

るんるん。

さて、ぎっくり腰も治って目下絶好調の佐伯幸太郎、向かうところ敵なし、恐妻あり。
妻に内緒で今日もパリジェンヌとデートだ。いいね、いいね。何がすごいって、パリジェンヌだらけなんですよ、ここパリってところは。でも、普通の日本の男たちには手が出しにくいパリジェンヌ、敷居が高いんだよね
ところが俺は違う。野獣先生に敷居なんかない。
女を口説けない情けない日本男児よ、俺の爪の垢でも飲みなさいってか。あはは。

ということで今日は絶世の美女、マリー・ペランちゃん、27歳とデートだぜ。
犯罪すれすれなる野獣こと、佐伯幸太郎が絶世の美女マリーちゃんと待ち合わせたのはなんと、パサージュ! おお、花の都の歴史的アーケード商店街!
パリ2区にある、1800年からある歴史的なパサージュ・デ・パノラマ。大人気のパサージュとしてパリジャンに慕われているデートスポットだ。えへん。
最近このパサージュがね、食文化の発信地と化してる。食文化のたまり場みたいなイメージ。いいね、いいね。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

ということで、ブロンド長身の青い目のマリーちゃんとパサージュ・デ・パノラマに出かけたよ。
ここに出店している店は間違いなく全部かわいい。アンティークショップ(特に切手、コイン)も結構あるし。
実はここの53番地に2ツ星レストラン「53(サンコントワ)」があるんだけど、予約なしだとさすがに入れない。残念。

なので、佐伯の嗅覚を頼りに物色したところ、おお、レストラン「CANARD & CHAMPAGNE」その名もずばり、鴨とシャンパンの店を発見。
マリーちゃんも「鴨食べた~い。シャンパン飲みた~い」ということで、へへへ、女は鴨肉と泡に弱いからね。
いいね、いいね、世界の佐伯、絶好調だぜ。わお~~ん。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

シャンパンと鴨の専門店ってなんか惹かれるね。しかも、安いんだよ。物価の高いここパリでは異常に安すぎる。ランチが前菜+メイン+デザートで21ユーロ(約2500円)だ! 

ま、ガストロノミーじゃないしね。でも、鴨とシャンパンが好きなら、いいんじゃない? 働いている子たちはイケメンだから、お客の女子率が高いし(笑)。
ん? マリーちゃんがすでにギャルソンと仲良くしている。しっ、しっ、あっちいけ。
近寄ってくるな。これじゃ、いつものパターンじゃねぇか。くそ。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

ということで、フォアグラをマリーちゃんと分け合い、シャンパンを飲んだ。酔わせちゃえばこっちのもんだよ。足がふらっとしたら、腰に手をあて、視線が交わったら、唇を奪っちゃうってか?
あはは。いいね、いいね。るんるん。

ということで、出てきたよ、メインだ。赤い肉汁がたっぷり、赤ラベルのマグレ・ド・カナールをマリーちゃんが、俺が、フレンチパラドックス(フランス的不条理)という名の鴨肉のハンバーガーを頼んだよ。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

あわせたシャンパンは俺がDomain Le ferte 1er Cruで、マリーちゃんが Lallier-Grand Cruのロゼだ。
二人のシャンパンを並べて記念撮影、俺たちの心は寄り添っているよ。
ハートも精神もばっちり寄り添ってきた~。今日は間違いない。いける。
ブッキングドットコムで近くのホテル予約しないきゃ。え? もちろん、こっそりと予約だよ。

見てろよ、ここから最寄りのホテルに拒否られずに連れ込むまでが佐伯幸太郎ならではの一流の技の見せどころだ。あはは、うしし、おほほのほってか。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

ところがここで妨害の登場だ。来やがった。ハンサムなギャルソン。シモンという名らしい。いつの間にか、名前まで告げている。用はないよ、あっちへ行け。ところがマリーちゃんの目がハート。
くそ。今までだとここでかっさらわれるパターンですよね? だから、ここは先手を打って、デザートはパス! 

「え? コータロー、デザートなし?」
「まさか、ハニー、俺は君のために最高のデザートを用意してるんだよ。ここの近くに」

不意にマリーちゃんの目が輝いた。いいね、いいね。チップを置いて、佐伯幸太郎はマリーちゃんの手を引っ張って飛び出したよ。ブッキングドットコム~~~。
レストランのハシゴだ。ホテルに行く前に甘いものを食べよう!
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

店の入り口に剥製が置かれた話題のイタリアン、「CAFE STERN」!
話題の店なのに(しかもここのシェフは最年少でヴェネツィアでミシュラン3ツ星を獲得してんだよな)、ちょっと高いせいかな、いつも割と空いてる。穴場だね。
たびたび、デートで利用しているからさ、給仕長、ピオダニエーレ氏とも顔馴染み。最高の笑顔でしょ? 
この人なら、大丈夫。え? いや、ほら、マリーちゃんが目移りすることもないじゃん? 

「いつものデザートを頂戴」と注文しておいた。ここの名物でね、ピスタチオのアイスクリームに5種類のソースが添えられてある。
やだ、コータロー、これ、どうやって食べるの? 決まって女の子はここで悩みに入る。
マリーちゃんの手にスプーンを握らせ、ついでに、あ~んしてごらん。
きゃ、コータロー~って優しいのね。うふふ。いける。ブッキング~~~~。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

もう、俺の頭の中にはブッキングドットコムで予約した昼下がりの情事ホテルの薄暗い部屋のイメージしかな~い。カーテンから差し込む光の筋の中で、豊満な肉体を惜しげもなく曝け出すマリーちゃん、わ、わわわ、なんて大胆なんだよ。ちょっと、君、俺には妻子がいるんだよ~~~。
やだ、野獣先生、私、そういうの燃えるの、ということで。
あはは、妄想妄想。でも、心臓高鳴るね。とにかく、ここでもう一杯シャンパンを頼むことにした。
美人のソムリエがぐぐぐっと俺に迫る感じでシャンパンをついでくれたよ。もてる男はつらいね。
 

佐伯幸太郎の美女と美食三昧 向かうところ敵なし、恐妻あり「パサージュ・デ・パノラマ」

さ、行こうか、と俺はお会計を終えると宣言したよ。
はい、とマリーちゃんが俺の目を真剣に見つめながら頷いた。おお、まじか~~。いける、と俺は思った、いけんで~。
その途端、緊張しちゃって、がくがくと足震えちまったぜ。と、その時、携帯が鳴った。
妻か? いや、違う。知らない番号だ。誰だろう? 妻じゃないので、仕事関係の電話に違いない。
「ごめんね、ちょっと出るね」と言い捨て、マリーちゃんに背を向け、電話に出た。

「アロー(もしもし)?」
「アロー?」
「アロアロ???」
「あほ~」
「あほ~~?」
「あっぽっぽっぽ~」
まじかよ。やばい。妻からであった。

さよなら、ブッキング。また、会う日まで。
 

Posted by 佐伯 幸太郎

佐伯 幸太郎

▷記事一覧

Kotaro Saeki
ライター。渡欧25年のベテラン異邦人。ワインの輸入業からはじまり、旅行代理店勤務、某有名ホテルの広報を得て、現在はフリーランスのライター。妻子持ちだが、美しい女性と冒険には目がない。モットー、滅びゆくその瞬間まで欲深く。