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白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜 Posted on 2017/07/04 ヒルトゥネン 久美子 通訳、プロジェクト・コーディネーター フィンランド・ヘルシンキ

今年の春は寒かったです。
5月になっても霙が降り、北の国に暮らす私たちは、もう夏が来ないんじゃないかと、かなり投げやりになっていました。実はまだ、今も涼しいです。

でも、ちゃんと夏はやってきました。涼しい夏ですが、しっかり白夜ですし、夏至に合わせて道端のいたるところに夏の野の花が花を咲かせています。
こんなに涼しいのに、日没前の夕刻11時ごろでも小鳥たちは喜び歌い飛び回っています。鳥も花も、文句を言わず、むしろブツブツ不平を言っている私たちを励ますように元気に夏を祝っているようです。
 

白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜

夏至の週末から、フィンランドはいよいよ本格的に夏休みに突入しました。
私もフィンランドの習慣に従って、夏至祭を過ごすため、週末田舎にある夏の家へ行ってきました。

「夏の家」とは、私たちのセカンドハウスのこと。フィンランド南東部にあるフィンランド最大(4.400km²)のサイマー湖のほとりにあります。湖に突き出した桟橋は日光浴をしたり、泳いだり、私の大好きな場所なのですが、今回はあまりの涼しさにサウナから湖に飛び込んだのも1回だけ。水温は気温と同じく13度でした。

夏至の食卓を飾るのは、ディル(香草)をふんだんに入れて茹でた新ジャガと酢漬けのニシン、スモークしたサーモンなどです。
 

白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜

夏至祭のイブの夜には、あちらこちらでコッコと呼ばれる焚き火をします。昔は悪いものを焼き払うという意味があったようです。このコッコを家族揃って見に出かけるのも夏至祭の習慣です。
ちょうど雨も上がり、近所のキャンプ場の浮島に大きなコッコの準備ができていました。
夕刻の9時に着火されると火は勢いよく燃え上がり、集まった人達は皆、喜んで記念撮影をし、そして互いに「良い夏を!」と挨拶を交わし、それぞれの家に戻っていきます。
 

白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜

翌日もまた変わりやすい天候でした。
でも夕刻雨が上がったので、9時から一人夜の散歩に出かけてみました。
9時でもまだ陽が森の木の間から差し込み、森の小径は全く怖くありません。
雨に濡れた木の葉から流れ出る、たくさんのアロマが森中に充満していて、とっても贅沢なアロマをお腹一杯吸い込みながら歩きました。
 

白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜

夏の花の代表のルピナスはパープル、ピンク、ホワイトととても鮮やかです。
葉っぱには水の雫が踊り、本当に綺麗。森を過ぎ、上り坂の先にある橋から眺めたサイマー湖の眺めは素晴らしかったです。

雲の間に顔を出そうと踊る太陽の力強さ。何者も太刀打ちできない壮大な力がそこにありました。一瞬たりとも同じ光景を繰り返さない目の前のスペクタル・ショーは絵画のような、またこの世のものではないような迫力で、私は「わぁ〜、凄い!」と一人心の深いところで感動しました。
 

白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜

自然って本当に凄いです。
綺麗な姿だけではなく、寒かったり、暗かったり、雨が降ったりしても、「必ず変わって、成長していく」ことを教えてくれます。必ず太陽は出てきます。
だから、夏が来ない、暖かくならない、と不平を言って閉じこもっているのはもったいないと大反省させられました。

どこかに「明日のことは思い悩むな」という言葉を読んだことを思い出します。
今、一年のうちで一番幸せな時、生命の力が漲る白夜の夏がやってきました。

明日の天気など気にせずに、白夜を感謝して楽しむことにします。
皆さんも良い夏を、お過ごしください。
 

白夜のフィンランド 〜気温がたった13度でも嬉しい夏。一年で一番幸せな時〜

 
 

Posted by ヒルトゥネン 久美子

ヒルトゥネン 久美子

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通訳、プロジェクト・コーディネーター。KH Japan Management Oy 代表。教育と福祉を中心に日本・フィンランド間の交流、研究プロジェクトを多数担当。フィンランドに暮らしていると兎に角、色々考えさせられます。現在の関心事はMy Type of Lifeをどう生きるか、そしてどう人生を終えたいか。この事を日本の皆さんと楽しく、真面目に、一緒に考えていきたいです。