PANORAMA STORIES

コロナ禍で勉強できる有難さを感じる Posted on 2020/11/25 木枝 萌 学生 スウェーデン・ヨンシャーピング

どんよりとした天気のせいもあるのか、夏と比べると全体的に活気がない。
スウェーデン人の友人と街を散策している時「最近、元気がでないんだ。16時には外は真っ暗になるし、日中は曇っているし、太陽が恋しい。」と私が言うと、「11月を乗り越えられたら、クリスマスが待っているから!この時期、暗い気分になるのはみんな一緒だよ。毎日ビタミンDをとるように心がけてね。それから、大学に人工太陽照明の部屋があるから、行ってみたら?」と紹介してくれた。
この人工太陽照明の部屋、南半球の太陽さんさんの国から来た学生たちにとても人気らしい。スウェーデンに冬が訪れると、曇りの日が多くなり、さらに太陽が沈む時間が早いので、みんな太陽光不足なるそうだ。
太陽の光を浴びることが少なくなった今、お日様の存在の大きさを身に染みて感じている。人工的な太陽光だけれど、あるだけでとてもありがたい。

コロナ禍で勉強できる有難さを感じる



久しぶりに街に出掛けると、あまり変わった様子はなく、ショッピングや外食を楽しむ人々が見られた。コロナ対策は各店しっかりとしていて、入場人数を制限していたり、アルコール消毒を設置したりしている。
公共交通機関のバスの前方には立ち入り禁止の張り紙が貼られており、運転手さんとなるべく接触しないようになってる。運転手さんがコロナに感染してしまうと、人々の生活に大きな影響がでてしまうので、このような対策がされているのだろう。

コロナ禍で勉強できる有難さを感じる

コロナ禍で勉強できる有難さを感じる

地球カレッジ

大学では、8月から主にオンライン授業が続いていて、友人たちは、きっと来年まで続くのではないかと予想をしていた。ほとんどのサークル活動も一時停止しており、かなり静かな学生生活だ。私は感染を恐れて一度も参加したことがないが、毎週金曜日の夜に学生寮の共有キッチンで行われていた集まりもなくなった。
さらに11月の初めから、感染予防のために、共有キッチンは一切利用できなくなったので、学生たちの賑やかな声はすっかり聞こえなくなった。
内心、あぁ良かった。これで感染のリスクは減る、と少しほっとしている。

コロナ禍で勉強できる有難さを感じる

そんな中、先日、同じ大学に通うイタリア人の友人から突然悲しいお知らせが届いた。

「コロナの影響で経済的に苦しくなり、勉強を続けられなくなった。イタリアに帰らないといけない。コロナが落ち着いて、余裕ができたらまた大学での勉強を再開したいと思う。また会える日まで、元気でね」

国や親からの経済的な支援が受けられなくなったのだろうか、それとも、違う理由なのか、詳しくは聞かなかった。でも、かなり生活に苦しんでいたのだろう。なんとかやりくりしていたけれど、もう限界だった。と彼が言った。

メッセージが届いたときにはもう、彼はイタリアへ向かう電車に乗っていた。突然の知らせに、私は驚きを隠せなかった。一緒にクリスマスをお祝いしようと約束していたから、とても悲しい。
私は、彼が人一倍勉強していたこと、そして大きな目標を持って大学に入学したことを知っている。今一番悲しいのは彼自身だろう。コロナさえなければ、きっと今頃、一緒に勉強を続けられていたのに、、、そう思うとやるせない気持ちがしてならない。

しばらくしてから、私はもう一度椅子に座り、姿勢を正し「よし。頑張るぞ」と気持ちを切り替えて、さらに勉強に励むと心に決めた。
今の私にできることは、彼の分まで一生懸命勉強することだ。コロナ禍で学生として勉強できる環境があることに、感謝の気持ちを忘れてはならない。

コロナ禍で勉強できる有難さを感じる

自分流×帝京大学



Posted by 木枝 萌

木枝 萌

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大学学士課程
神奈川県出身。スウェーデン、ヨンショーピング県に2020年より在住。現地の大学では経営学を専攻。