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なぜ、パリジェンヌはカッコいいのか、パリジェンヌのファッションから学ぶ Posted on 2021/10/29 種井 小百合 デザイナー パリ

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フランスでモードを勉強する為に留学すると決めた時から、一般的にパリが「モードの都」と言われる所以や文化を見つけることが、パリに留学する本当の意味だと思っていました。
そして、洋服だけを見るのではなく、この街の雰囲気や文化、人々の習慣や思考になるべく肌で触れ合い感じられるように意識しながら、パリ生活を送って来ました。

シックな雰囲気を持つパリジェンヌたち。
「一体何がその魅力を引き出しているのか・・・」
それが解明出来れば、自分が今後デザイナーとして婦人服を創る為のインスピレーションに繋がるはずと思い、日々友人や同僚の女性たちを観察していました。
日本とは違う生活や文化の中から生まれたパリジェンヌのシックさは、女性目線から見てもとても刺激的で、魅力的でした。



パリジェンヌを最初に見た時は、顔が小さいとか、足が長いとか、雰囲気がカッコイイとか、そんな外見の特徴が彼女たちを美しく見せているのだと思っていました。
でも、実際に彼女たちと触れ合っているうちに、本当の美しさは彼女たちの生き方や考え方にあることがわかりました。
パリジェンヌの美しさは、外見のみの美しさではなく、内面から来る美しさだと気づいたのです。
私が刺激を受けたパリジェンヌは、自分がシンプルに輝ける方法を見つけ、自信を持ってそこに進んでいました。
そんな姿が、彼女たちのスタイルとして表れ、美しく魅せているのでしょう。
 

なぜ、パリジェンヌはカッコいいのか、パリジェンヌのファッションから学ぶ

パリジェンヌは、人生に寄り添うパートナーを見つけるかのような感覚で身につける物を選びます。
何かを購入する時、その大事な人生のひとときを飾る「華」を厳選しているのです。
それが、彼女たちが身に纏う「モード」なのです。



私がパリ生活の中で憧れた女性の一人は、以前働いていた会社でお世話になった部長でした。
彼女は子供を3人持つ女性。
朝は、子供を保育園に送る優しいお母さん。
そして、働きに出ると部長としての威厳とカッコよさを持つ女性でした。
そんな女性特有の二面性を持つ彼女のスタイルは、実に要点を綺麗に押さえたシックさで表現されていました。
黒のタートルネックとパンツという家の中で動きやすそうなシンプルなルックの上に、質とデザイン性の高いユニークなジャケットを羽織う。
凛としたスタイリッシュさを纏いながら、さらに質の高い鞄と靴で品格をプラスするというスタイルでした。
それはまるで、シンプルな優しい家庭料理を作り、仕上げにスパイスとハーブを足して、レストランに出すようなオシャレなお料理に変身させてしまった。
スパイスとハーブ、まさに、それが彼女らの仕上げ方でした。

女性らしい優しさと社会人としての強さという二面性を持ち、複雑な現代の女性社会の中で、肩に力を入れ過ぎず、かつ抜き過ぎずという絶妙なバランス感覚を身に着けているのです。
その彼女の「身のこなし」を、厳選したアイテムでの上手な「着こなし」によって体現していることが「モード」なのだと思いました。
それが「モード」!!!
 

なぜ、パリジェンヌはカッコいいのか、パリジェンヌのファッションから学ぶ

彼女たちが着こなしているお洋服からは、社会学、女性学、哲学、そんな深い学問すら見えてくるような、知性と優雅さを感じます。
パリの社会と、その中で生きる人達と洋服の密接な関係性によってパリのモードは創られているのです。
「モードの都、パリ」とは、その中で生きる「パリジェンヌ」たちも含めた上での表現だということが分かりました。

パリジェンヌから学び得た物作りのインスピレーションは、女性たちのライフスタイルを美しく応援し、支えになるようなモノを創造するということ。
このインスピレーションを元に、私はこれからの女性たちが持つ素の美しさをより輝かせるための “スパイスとハーブ” になるようなモノを作りたいと思いました。

スパイスになるようなジャケット、花を添える様な革小物アイテム…。
それらを日本とフランスの職人さんたちと共に丁寧に創り上げ、女性に美しさと自信を持ってもらえるようなモノを提案していきたいです。
複雑な現代社会を力強くも美しく生きる女性を、よりシンプルに輝かせられるデザイナーになることを目標にしながら・・・。
 
 

なぜ、パリジェンヌはカッコいいのか、パリジェンヌのファッションから学ぶ

Photographer : 福岡秀敏 Hairmake : 小杉かえ Model : 玉紅

なぜ、パリジェンヌはカッコいいのか、パリジェンヌのファッションから学ぶ

Photographer : 福岡秀敏 Hairmake : 小杉かえ Model : 玉紅

 

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Posted by 種井 小百合

種井 小百合

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Sayuri Tanei
デザイナー。1985年生まれ、愛知県出身。中京大学国際英語学部卒業後、2009年に渡仏Studio Berçotにて服飾デザインを学ぶ。卒業後、同校でニット講師アシスタントを務め、Jean-Paul Gaultier社に入社。同社でコマーシャルライン統括デザイナー、オートクチュール刺繍デザイナー、Jean-Paul Gaultier氏直属アシスタントデザイナーとして4年間勤務。その後、高田賢三氏の元で、コラボレーション企画の統括デザイナーとしてアシスタントを務める。2017年、日仏に拠点を持ち、両国の文化や伝統技術を取り入れた自身のブランド「MAISON MAREA」を立ち上げる。