ノルマンディ、ツジ村便り

辻村だより、27 Posted on 2026/01/30 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
またまた、パリに入り、この週末は忙しくやっております。
今日の辻村だよりは、スイスの方からのご相談でございます。

匿名希望Mさん
「私はスイスで10年以上暮らしているのですが、複数言語が混ざる厄介な地域だという事もあり、語学が未だ中級レベルで、まだまだ学習が必要です。
辻さんも、努力をなさってフランス語を身に付けられていると存じますが、語彙を増やす方法など、何かアドバイスや勉強のコツがあれば教えて頂きたいです」

辻村だより、27



おこたえしまーす。

「それが、大学で仏語は選んでいたものの、笑、今まではフランス語をまともに学習したことがありませんで、街の中で、なんとなく学んできました。音楽&カフェ活動を通して学んだものが多く、とくに若いミュージシャンたちとの交流が多くて、ちゃんとした仏語じゃなく、ブロークンなものばかりで、上流階級の方々と話すような仏語が苦手で、そこはある種の恥もあり、必ず勉強をし直そう、と思って生きてきた次第です。でも、思うばかりで、なかなか本格的にやり出せませんでした。一度、ソルボンヌ大学で学ぶ決意をしたこともあったのですが、大学の受付まで行き、話をして、これは無理だと思って、逃げ帰りました。しかし、年々、フランスから様々な仕事の依頼がありまして、そこでやはり、通訳さんを頼ってやりとりしていても、違うな、と思うようになり、実は、1月1日から文法と単語を中心に連日(独学ですが)再学習をしております。在仏歴が25年もあるのに、日常生活程度の会話しか出来ず、ネイティブに話せないことは一生の恥でもありましたので、ここは気合いを入れ、今年の秋までには上達させようという計画をすいこう中で、よいタイミングで質問を受けた、と喜んでおります。今より、5000語を増やす計画で、文法は動詞の変化とか男性名詞女性名詞の徹底とか特に苦手なものを中心にやりはじめています。でも、だてに四半世紀もパリにいたことが無意味ではなかったことが実感されており、文法書を読むと、そうか、そうだよな、そこにつながるんだ、と思わぬ感動の連続でして、勉強が楽しいのです。仏語のアプリはあまり役立ちませんでした。

で、せっかくフランスにいるので、今は積極的にフランス人の方々と会話を通してより正確な仏語を獲得しようとしています。まだ、決定ではないでのすが、秋に日仏の文学イベントがあるので、そこで通訳無しで、渡り合えるように、専門用語も学んで、頑張ってみようかなと思っています。何か、そういう目標があると外国語って、伸びますよね。今更ですが「来る老後」にも備えないと、お医者さんに翻訳機で病状を説明するのも、なん違いますからね。死ぬ時には死にますが、その最後に、お世話になった人にも、仏語で、ちゃんと感謝を述べてまいりたいと思って、頑張っている所存であります。おたがい、頑張りましょう。一つ気が付いたことは、語学って、近道はないな、ということです。無限の表現があるので、その一つ一つを制覇することの喜びが、上達の大きなステップになることには気づくことが出来ました。死ぬまで勉強って、楽しいですよね。精進したいと思います。えいえいおー」

辻村だより、27

※ ご相談の送付先は、デザインストーリーズのインスタかエックスに送ってください。ぼくのエックスのDMなどは一切見ませんので、よろしくお願いします。今回の方は、インスタに届いたようです。皆さんのご質問、どしどし、募集中です。TSUJIVILLEのエックスでもいいです!!!



辻仁成展覧会情報

現在、フランス日動画廊パリでのグループ展に参加中。3月7日まで。
GALERIE NICHIDO paris
61, Faubourg Saint-Honoré
75008 Paris
Open hours: Tuesday to Saturday
from 10:30 to 13:00 – 14:00 to 19:00
Tél. : 01 42 66 62 86

それから、8月5日から、一週間程度(予定)、三越日本橋本店特選画廊Aにて、個展を開催いたいます。
今回のタイトルは「辻仁成展、鏡花水月」です。

そして、11月初旬から3週間程度、リヨン市で個展を開催予定しています。詳細は決まり次第、お知らせいたしますね。お愉しみに!

そして、電子書籍で「海峡の光」が配信されております。文学の方もどうぞ。

海峡の光 (Kindle電子書籍版)
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ええと、2023年のパリ、オランピア劇場ライブもごひいきに。

自分流×帝京大学