ノルマンディ、ツジ村便り

辻村相談窓口、「意見を言えない」 Posted on 2026/02/04 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
辻村相談窓口、担当の父ちゃんです。
一昨日、パリの画材屋さんでのことですが、大きなキャンバスを6個ほど、買っていたんですが、後ろにいた男性が手伝ってくれたんです。
目が合ったら、すっと手を出してくださって、親切な人で、そのあと、レジで並んでいると、
「アーティストさん? 」
と訊かれたので、ウイ、と答えたら、仲良くしようよ、と言われて、名刺を貰いました。オズモさんという人で、ストリートアーティストだったんです。イタリア人の。
で、感想を送りあって、仲良くなりました。たぶん、男だと思っているとは思いますが、笑、・・・。一応。
なんか、世界中でビルの壁に絵を描いているかなりの大物でした。狭い世界ですよね。アーティスト仲間がまた一人、増えた感じです。友だちと言っていいのか、わかりませんが、知り合いは大勢いる、父ちゃんアーティストです。
はい、じゃあ、今日も辻村相談窓口、開設とまいりましょう。

匿名希望Bさん
「うまく、渡り合えず、毎日ストレスを抱えています。たぶん、気を使い過ぎるのかな、と思います。他人に、自己主張が出来ない、意見が言えない、引っ込み思案なんですが、どうしたら、積極的に意見がいるようになれるのか、教えてください」

辻村相談窓口、「意見を言えない」



おこたえしまーす。

「ぼくはこのように生まれつきの図々しい人間ですから、いいアドバイスが出来るか、ちょっとわかりませんが、意見が言えない、というのは、あまりいいことじゃないかもしれません。根本的なところで何かを変えないとダメですね。
先日もちょっと書きましたが、ぼくは先天的な出しゃばりでしたから、子供のころから、意見の塊で、うるさがられ、中学の時にはそれが災いして、激しいいじめにあいました。それでも、黙ることが出来ず、大人になっても、こういう仕事につきましたが、意見をいろいろというものだから、マスコミに叩かれたり、ネットでも、ひどいものでした。今、66歳ですが、まだ、叩かれたり、誹謗中傷を受けたり、結構、闘っております。
確かに、意見を言わない人は叩かれることはないし、たぶん、ぼくが受けたようなイジメ、ぼこぼこにされるようなことはないかもしれません。ぼくのような自己主張の強い人間のデメリットは、社会から締め出されることです。それが怖くて、黙っている人も多い世の中かもしれないですね、今は特にSNSの時代ですから、・・・。
意見をしないのは、反対されたり、にらまれたり、イジメを受けないにしても敵を作りたくない人の共通の気持ちかもしれないです。逆にぼくのような人間は、敵を作ろうが、喧嘩を売られようが、自分を通さないと気が済まないわけです。どっちがいいのか、ですよね。でも、考えてみてください。一生、意見を言わなければ、一生、自分の考えを通せなくなります。それだと、ストレスになって当然です。自分をある程度出せる人間になれるよう、何か行動を起こさないとなりません。恐れず、意見を言うことから、始めましょう。世の中には、意見を言っても敵を作らない人もいます。意見の言い方が上手なんだな、と思います。1万人に一人くらいですけれど、さりげなく、自分の意見をみんなに伝達し、みんなの考えを変える力のある人がいます。ぼくのような出しゃばりはよくないですが、引っ込んで全く自分を出さないのは、同じくらい良くないですし、一生が勿体ないです。一つ提案ですが、意見ゲームをやってみてください。自分を変えるためのゲームです。言いたいな、と思うことを、相手に上手に届けるゲーム。どうやったら、この状況を攻略できるのか、と考えて、発言をしてみましょう。少しずつ、意見が出るようになれば、もしかすると、人生が変わるかもしれませんしね。相手が何を思っているか、まずは、相手の立場になって少し考えてから、実はぼくはこういう風に思っている、と伝えてみると、頭ごなしではないので、相手も心を開きやすいかもしれません。さ、出来るでしょうか? これはゲームですから、うまくいけば、自分が変わる、というゴールが待ち受けていますよ。時間は無限にあるので、焦らず、少しずつ、自分を変える運動を続けてみてください。一年後、しっかりと意見が言える人になっているかもしれません。意見を言い合えるようになると、これまでとは違った人間関係が出来ることもあります。あなたの意見を聞いてくれる人を探して、どんどん、自分を出してみてください。豊かな世界に出会えるかもしれませんよ。あ、でも、くれぐれも、ぼくのような出しゃばり、自己チューにはならないように、笑」

辻村相談窓口、「意見を言えない」

辻村相談窓口、「意見を言えない」



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