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第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」 Posted on 2020/12/29 Design Stories  

第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」

 

第4回アート&デザイン新世代賞・2020

 

 
■テーマ
「君がリデザインするアフターコロナのホテル」
今年は新型コロナウイルス感染症の流行により、この世界のあらゆる事象が大なり小なりそのレゾンデートル(存在理由)を揺さぶられることになりました。そんなこの時代だからこそ届けたい、若い世代が描く新しいカタチのホテルのリデザインを募集しました。

■審査基準
・デザイン性   
・アート性   
・ストーリー性
・アイデア性

■募集期間 
2020年7月17日(金)〜2020年10月17日(土)

■賞
・最優秀賞:該当作なし
・優秀賞(4点)賞金10万円 ※順不同
     角張 渉さん
     グループ名「Ri」木村有里佳さん、山﨑理莉子さん
     グループ名「North house」北村彩夏さん、菅家 結さん
     田中 勝さん
・特別賞(1点):賞金5万円:荒木鴻歩さん

■審査員(敬称略・順不同)
辻 仁成/Hitonari Tsuji(作家、Design Stories主宰、審査員長)
田根 剛/Tsuyoshi Tane(建築家)
島田成年/Narutoshi Shimada(起業家)
佐藤悌章/Yoshiaki Sato(シマダアセットパートナーズ株式会社)

■主催Design Stories(デザインストーリーズ) 

■協賛 
S.H.ホールディングス株式会社
https://shimadahouse.co.jp/
シマダアセットパートナーズ株式会社
http://shimada-sap.co.jp/



 

■受賞者及び受賞作品■

 
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優秀賞:角張 渉さん 

第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」

■作品名:「遊びの間〜遊戯的ホテル空間の試作〜」
 
■設計提案・コンセプト■
コロナウイルスの爆発的蔓延は、私たちのこれまでの生活様式や価値観を簡単に転覆させた。そこで生まれたアフターコロナという考え方は、COVID-19を私たちの生きる時間軸の一部に嵌め込み、その前後を認識することで、あらゆる既存の価値や認識の更新を図るために生み出されたものである。
そこで、私たちは何を想像しなくてはならないのだろうか。

身近な変化で言えば、コロナ禍において集合は抑圧されるため、個になれる場所の重要性が高まった。これは建築分野においてはかなり大きな革命で、なぜならこれまで多くの建築は、人が集い、交わる場所へと想像力を働かせてきたからである。
さらに、多くの人が在宅勤務やオンライン講義などを経験し、その利便性や可能性に触れたことも、COVID-19がもたらした変化である。
この変化を都市へと拡張すれば、都心部のオフィスはその必要性が下がり、やがて多くの空隙が生まれるだろう。人々はこれまでの電車を用いた郊外と都心の移動の非合理性に気づき始めている。住むための空間を充実させるためには、農村に新たにスポットライトが当たる日が来るかもしれない。
このように、コロナ前後を比較することで、私たちはアフターコロナの世界に想像を巡らせている。しかし、社会全体の根底を揺るがす出来事に反射的に応答し、表層のみを掬い取ってそれを新しい価値を生み出すためのアリバイとする思考は危険性だと考える。

9年前、私が中学二年生の時に発生した東日本大震災も、私たちの価値観を大きく変えてしまう出来事であったが、その直後の建築分野においては現在と同様に「災害後の建築」のあり方が議論された。そこで目指された一つの形が、人の集う場所であったと思う。しかし、そんな「みんなの場所」も、コロナ禍では利用が制限されてしまった。
私たちの暮らす世界は、いつだって変転可能な流動体である。これがコロナウイルスから教えてもらったことである。アフターコロナという名札をつけ、流動的な世界を二元論的に形式化する危険性についても考えて行くべきである。

コロナ禍の中で、私たちは日常を生きる身近な空間を見直し、場所を再構築する本能を呼び覚ました。安全性や心地よさなどを獲得するために、場所を紡ぎ出す行為は「遊び」であると思う。そこで私は、空間を漂いながら、他者や環境へと想像力をめぐらし、「間」を取りながら自ら場所を決定して行く、遊びながら暮らすようなホテルを提案する。

■受賞コメント■
コロナウイルスは、私たちの世界の根底を揺るがすような事件となりました。ただ、私はこの事件に生体反射的に反応し、自らの建築行為のアリバイとすることが無責任であると感じ、ポストコロナの世界へ想像力を巡らせることを躊躇していました。新世代賞は、そんな思考停止状態に陥っていた私に、動き出すきっかけを与えてくれました。
私の作品は、画期的な問題解決の手段となる建築ではなく、曖昧で不確かな可能性そのもののような建築ですが、であるからこそ、この作品が誰かの遊び心をくすぐり、この建築に、あるいは身近な世界に想像力を働かせる契機となることを祈っています。
 
■田根 剛 選評
ホテルは公共性があり、自由を受け入れてもらえる空間だ。1番の角張渉さんの提案は人の行動の自由と使い方の自由とが共存でき、かつひとの距離と関係を保ちながら可変的な活動が舞台装置のようにシーンを生み出し、使う側と見る側が一体となっている。その点を高く評価した。コンペというのは、実用性ではなく、世の中には未だ存在していなけれど、その先の未来をつくる為または示唆してくれることに意義がある。その可能性を提案してくれるようなデザインの思考、概念の発想、社会的発想を既成概念にとらわれずに自由をもって考えている点において、他の作品よりもテーマを投げかけている点が面白いと思った。
 

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優秀賞:グループ名「Ri」木村有里佳さん、山﨑理莉子さん

第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」

■作品名:「Le;Place」
 
■設計提案・コンセプト■
コロナ禍において私たちは「密閉・密集・密接の回避」と「社会的距離の確保」が推奨されている。このことで今まで移動を必要としてきた様々なことが制限を受けているが、中でもより顕著なものとしてビジネスホテルと学習環境に着目した。
◉ビジネスホテル
従来の機能が出張や遠征のための移動を行う人に休息の場をもたらすためのものであったため、それらの機会が大幅に減少したことで社会的に抑制された。主な収入源を宿泊費としていたために収益は減少、経営は悪化している。
➡︎新たな収益減を確保する必要がある。
●学習環境
今年度、通勤通学が制限されたことで多くの人がオンラインやリモートによる学習を余儀なくされた。多様な学習方法が活用され始めた現在も学習環境は従来通りとはならず、大学生を中心に多くの人が十分な学びの環境を得ることができないままである。
➡︎十分な学びを得るため。学習環境の充実が求められる。
昨今ホテル業界では、リモート勤務の就業者のため仕事を行う場としての提供が始まりつつある。そこにさらに「学びの空間」を足すことで、将来を見据えた再起ができるのではないかと考えた。

そこで「Le;Place」=“ビジネスホテルをLearning空間としてreplaceする“として、ハードとソフト両面からの提案をする。ハード面の提案はホテル下層部の改修である。エントランス階〜客室層最下層にあたる約3階分の空間を、従来の機能を維持しつつ、自習空間や図書空間、会議室とすることで学びのための空間として再構築する。ソフト面の提案は定額制学習空間提供サービス『HOTE Learning』である。サービスが導入されている全てのホテルで昼間に空室を利用できる他、学習空間の優先利用や優待サービスを受けることができる。ビジネスホテルの新たな収益源にもなると考えられる。

現在世界的に広がる困難は人間自身が引き起こしてしまったものであるとも言えるだろう。『過去があるから今があり、過去が未来を決定するーラプラスの悪魔ー』というようにこの状況は過去の結果でもある。同じことを繰り返さないためにも、私たちはこのことから学び、未来を創っていかなければならない。『学び』にフォーカスを当て、実際にこの事態に経済困難に直面したビジネスホテルという場所とともに、これからの社会をつくる新たなかたちを提案する。

■受賞コメント■
この度は素晴らしい賞を頂きまして、誠にありがとうございます。同じ目標に向かって異なる立場から意見を出し合い創り上げるという貴重な経験をさせてくれた友人にも感謝しています。現在私は学生として、大学側のコロナ禍における様々な試みから学習手段の多様性を感じております。しかし学内の一部機能や活動は未だ制限されたままであり、ほとんどの授業はオンライン、学習環境は十分であるとは言えません。学生はもちろんどの世代の方も利用できるような学びの空間の充実は私にとってひとつの願いであり、作品を通して何か伝えることができたのならば光栄です。(木村有里佳)

この度は、優秀賞という輝かしい賞を頂戴し、嬉しく存じます。去年まで大学生、建築学生として同じ志で挑戦し続けた戦友である木村と、初めての共同制作で評価を頂けたことは大変光栄です。私たちは目指すところが同じとはいえ、アプローチや考え方が全く異なるため、互いの考えや主張を砕き、磨き、形成するという工程で進めて参りました。今回のテーマはデザインの視点でコロナについて考えるというところで、まだまだ考えきれなかった、磨ききれなかった未熟な点があっての優秀賞だと思いますので、今後も多くの刺激を受けながら良いデザインをつくれるよう、精進致します。(山﨑理莉子)
 
■佐藤悌章 選評
「Le;Place」という作品はビジネスホテルの新しい展開、学習の場を兼ねるという考え方が学生らしく、またハード面だけでなくソフト面においても、一日単位のホテルを運営しながら一ヶ月単位の賃貸として借りられる利用方法が具体的に提案されていて面白いと思いましたね。
 

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優秀賞:グループ名「North house」北村彩夏さん、菅家 結さん

第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」

■作品名:「昇り途」
 
■設計提案・コンセプト■
コロナウイルスの蔓延は、人々の意識の違いが特に強く感じられたように思う。これほどの大きな変化や混乱によって、自分を見失ったり、将来の不安やこの先の見通しが立たなくなったりと様々な揺らぎが生じている。錯綜する情報や世間体から逃れ、一人で静まり自分の考えを見つけるようなホテルを提案する。
コロナウイルスによって生まれた数多くの変化のうち、人々の活動制限によって蘇ったものに目を向けたい。世界の様々な都市で、空気や水の環境問題が緩和され、美しい景色や水路、星が姿を現わしつつある。変化し発展し続けてきた社会が混乱し、人間活動が静まった地球上に本来の風景が顔を出しはじめたことに人々は気づいた。今作品を、このような変わらないものを思い出せるように、揺さぶりの中で自分を見つめなおす場所として提案する。

敷地は東京都立川。都心部に近く、星の見える川沿いの住宅地で、日常の中で訪れることができ、かつ異質な存在として地域に身を置く。

最大の特徴は寝室を最上階に設け、星を眺めて一夜を過ごすことができる点である。ホテル形態は、一人で宿泊することを前提に一人あたり一棟の利用とする。アプリケーションなどのデバイスで予約、受付、宿泊を一貫して管理することを想定し一般的なホテルとは違い、スタッフとの接点を完全になくすものとする。一棟の高さはそれぞれ異なり、主に三〜四階の狭小な棟を昇っていく。一階では開かれた階段下ロッカーに荷物を預け、二階の浴室で体を洗い、三階の書斎で読書や書き物をし、四階にはお香で安らぐ部屋がある。これは、人の生涯の最終点を星と捉え、人生を空へと昇るエスカレーターと例えて形を決定した。最上階の寝室では、昇る途中の体験として、星を眺めながら考えを巡らす。

失った日常と引き換えに、かつての空が戻り始めている。大きな変化が渦巻く今、忘れていることはないだろうか。
人生の空へと向かう昇りの途中、星に一歩近づき、一人で向き合う時間を。

■受賞コメント■
この度、優秀賞に選出して頂けたことを大変光栄に思います。建築学生として、今年はアフターコロナの建築について考えさせられる機会が多かったです。本テーマに対して、単なる密を避ける空間をつくることよりも、コロナが生んだ人の本質的な側面を引き出すようなアイディアで進めていきたいと思っていました。(北村彩夏)

アフターコロナのホテルとして、自分たちなりに時代の変化を読み解きながらデザインした作品に対し、このような評価を頂けたことを大変嬉しく感じております。この結果を糧に、今後の活動も励んでいきたいと思います。(菅家結)
 
■島田成年 選評
「昇り途」はまさにこのコロナの時代だからこそ生まれた作品ではないかと思う。随所にこの時代ならではの発想が散りばめられており、コロナにより様々な影響を受け続ける人間の心の部分に寄り添い、そこにはロマンもしっかり存在し、コロナの時代に作る意味を感じる作品だと思いましたね。一人でいることを認めてくれるホテル。優しいですよね。
 

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優秀賞:田中 勝さん

第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」

■作品名:「『出会い』を選択するホテル」
 
■設計提案・コンセプト■
−「接触」をコントロールすることで、人との「出会い」を諦めない空間へ−

現在、私たちはコロナによって、ライフスタイルや社会構造を改変しなければならない状況に直面している。特にコロナの感染力が人の行動を抑制する力は強く、多くの人々は人と接触することにとても敏感になっており、「コロナだから仕方ないか」という考えによって、いろいろなことを諦めているように思える。この「諦め」を空間によって解消することが、アフターコロナの建築には求められる。

題材となるホテルについて考えたとき、そこには、様々な場所から人が集まり、日常では出会うことのない人がそこには宿泊している、そして、その人々との「出会い」を含めてホテルの非日常性は成り立っていると思った。しかし、人との「出会い」はすなわち、コロナとの「接触」を意味すると言っても過言ではない今日、多くの宿泊客は「出会い」を諦めなければならない。そこで、空間によって「接触」をコントロールすることで、人との「出会い」を諦めないでいいホテルを提案する。

今日のホテル空間についての問題点として、多くの客を収容するために客室、レストラン、その他の様々な機能が密集する形であることが挙げられる。ダイヤモンド・プリンセス号の事件がいい例だが、このような密集空間において、コロナ(また、それ以外の有害物質)との「接触」を避けるのは困難である。これには、換気が困難であることと、もう一つ大きな要因がある。それは、密集させることによって、ホテルのプランが溜り場とそれを繋ぐ移動空間だけになり、人々の活動が直線的なものになることである。これによって、人同士のバッティングが多くなるとともに、宿泊客が同一の活動を強制されることで、より密集する状況を作り出してしまっているからである。

この問題点を解決するために、道を貫入させることで室同士の関係性を切断することで、空間の密度を下げ、また、室の特性を外部に溢れださせる特殊な扉を各室に設けることによって、室と道が同一化され人々が単純な線的な移動だけではない面的な活動、移動を行えるようにした。もう一つ、重要なのは、宿泊客が戶の開閉を行うことが、公共の場、他人との「接触」の有無を選択しているということである。

このホテルによって、宿泊客は「出会い」を諦めるのではなく、「出会い」を選択できるようになる。

■受賞コメント■
この度は、優秀賞という評価を頂き、たいへん光栄に思います。
コロナによって、人との「出会い」を諦めないといけない今日、多くの人は家にこもって他人と出会わないようにしていると思います。
確かに、他の空間との連続性を絶ち外部の物、人との関係性から離脱して、自分もしくは、自分の家族だけの空間を確保することは重要です。しかし、建物の空間の堅さによって私たちの活動が制約されているのも事実で、そのため、「出会い」を諦めざるを得ない状況が生まれているともいえます。
今提案では、人が建物の空間を操作できるようにすることで、「出会い」を選択できるようなアフターコロナに相応しい建築物の提案を目指しました。
 
■辻 仁成 選評
田中勝さんの「出会いのホテル」は今回のテーマに沿ったデザインではないかと思った。扉を開けば他者との関係が築け、扉を閉めれば遮断された個の空間となる。個人と全体とが一つの扉によって長屋のように分けられており、全て取っ払えば大きな一つの広場になったりする。閉めれば誰にも会わずにすむ空間となり篭ることも、人と触れ合うこともできる街。今、出会いを選択するという意味で、この作品はとても文学的でありその発想が面白く、とても興味深く思い、高く評価しました。
 

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特別賞:荒木鴻歩さん

第4回新世代賞受賞作「君がリデザインするアフターコロナのホテル」

■作品名:「立体駐泊場」
 
■設計提案・コンセプト■
時代遅れの立体駐車場▶︎アフターコロナの宿泊施設

時代は今、既成概念を問うている。
コロナウイルスは外出のスタイルを変え、技術進化を早めた。
そして新しく始まったライフスタイルで、日々衝撃が連続して起きている。そんな時代の『ホテル』を問われたこの課題では『非接触を徹底した移動』という事変と『車の自動運転化』という技術革新について考え、それらを組み合わせた新たな可能性を提示する。

まず、『非接触を徹底した移動』において考えるべきは『旅行』である。これまでの旅行では幾多もの交通機関を乗り継いで遠出をし、ホテルや旅館では暖かいおもてなしを受けてきた。しかし人との接触が禁忌となった今、旅行どころか大学に行くまでも非接触への徹底により気疲れしてしまう。こんな時にGOTOキャンペーンがあろうが旅行をして良いホテルに泊まろうという気すら湧かないのは私だけではないはずだ。一方でコロナ禍において、非接触の撤退のためオートメーション化しつつある世界の技術革命には大変驚いた。
ここで次に考えるのは『車の自動運転化』である。

大学入構時の自動検温機など、世のオートメーション化はすでに日常化しているが、元々研究が進んでいた車の自動運転化もその時が迫っている。そしてこのコロナ禍において、自動運転は非接触の徹底に大きく貢献すると考えられる。勿論、人と接触せずに目的地まで行けることでストレスなく外出できるという利点があるからだ。もし、自動運転化が進めば『シェアサービス』の流行も相まってマイカーの所持者は激減、車は無人で動かしておけば良くなり、駐車場は時代の遺構物となっていくだろう。そこで私は、時代が生んだ事実からアフターコロナにおけるこれからのホテルのあり方の一例を提案する。
場所はとある観光地の使われなくなった自走式立体駐車場。

ここでは車を利用して宿泊室や共用部へ移動することで、目的空間以外は全て非接触に過ごすことができる。そして、宿泊者たちは人々と接触することなく宿から観光地へと繰り出していく。さらに、駐車場という空間は耐荷重の強度があることから自由度が高く、斜面で構成された道路を地形として人工的に自然風景を作り出すことができるなど、様々な空間的ポテンシャルも有している。

このように事変と技術革新によって生み出された新しい事実は、組み合わされることで新時代の豊かな外出ライフを創り出していくことができるのではないだろうか。

■受賞コメント■
この度は新世代賞特別賞を頂き、誠に有難うございます。本提案で舞台とした立体駐車場は、ステイホームのため自宅での発見から空間を設計するという今年度の設計課題において、什器を地形的に解釈した体験を既存建築物に見出す試みを行った際に発案したものでした。コロナウイルスは大変な禍となりましたが、ここで立体駐車場の可能性やアフターコロナについて考えてきたことを思うと、通常では考えない既成概念にまで深く思慮を巡らす絶好の機会であったと私は捉えております。今回頂いた講評を糧に、今後も引き続き新しい空間可能性を求めて考え続けてまいります。
 
■佐藤悌章 選評
立体駐車場をホテルに変えるという発想に驚いたし、実に面白いなと感じた。密を避ける、人との接触を減らすという点においても、車のまま移動できるホテルは、コロナの時代にありえると思ったし、立体駐車場をホテルへリデザインする「立体駐泊場」が今回のテーマに沿っていて、推したいと考えた。

■辻 仁成 選評
荒木鴻歩さんの「立体駐泊場」は面白いと思いました。コロナの時代、人と会わずにすみ、人との接触を減らす工夫を感じる。
 

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第4回新世代賞受賞者の皆さまの作品はいかがだったでしょうか? コロナ禍の今を乗り越えるための、新しい形のホテルの姿を感じさせる、アイデアや未来に向かうためのヒントなど若い世代ならではの思いが込められた作品だと思います。

コロナの影響を受けながらも多くの皆さまがこのコンペにご応募くださいました。心より感謝しています。

新世代賞は5回に向け、動き出したいと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。

                   新世代賞事務局一同

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デザインストーリーズ編集部(Paris/Tokyo)。
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