PANORAMA STORIES
今日の献立、和風クスクス Posted on 2025/06/30 辻 仁成 作家 パリ
モロッコ人が経営するクスクス料理店、そこに集まる連中は北アフリカ系の人たち・・・。
彼らの主食はもちろん、クスクス、ということになる
これが美味いのであーる。
ぼくは一族が九州だから、筑前煮が大好き。
この筑前煮とクスクスって、どっか通じるところがあるんですよね・・・。
筑前煮に、唐辛子ペーストをいれたら、おお、そっくり。
あ、それを言えば、おでん、も通じるところがある。
さてと、ということで、献立に推薦したいのは、クスクス。
しかも、和風のクスクス!
これは、マジ、美味いのだ。
まずは、本場のクスクスとはどんなものか、まずは本場モロッコレストランに皆さんをご案内してみよう。本物のモロッコ料理をまずは眺めて頂きたい!
さて、今回、ぼくが皆さんにご指南するのは、なんちゃって和風クスクス。
日本にある材料で作るクスクスということになる。でも、本場に負けないほどおいしい。
カレーに飽きたら、和風クスクスで!
材料は、野菜ならなんでもいいけど、人参、ズッキーニ、玉ねぎ、大根、蕪、じゃがいも、パプリカ、など、白菜やキャベツとか、・・・ほんと、なんでもいい。
ポトフをイメージしてみて。
で、お肉は普通、羊肉を使うのだけど、鶏肉でも大丈夫。(豚肉でも! イスラム教国では豚肉は食べられませんが、ぼくは豚肉のクスクスが大好きで、よく作っています)
メルゲーズという辛い羊のソーセージを本場では使うのだけれど、日本にはないから、シャウエッセン・ホットチリソーセージなど、スパイシーな辛いソーセージで代用!
カレー作る感覚で豪快に作ってまいりましょう。
鍋にニンニク(生姜もいいね)潰したのを投げ入れ、油引いて、弱火で香りを移したら、鶏肉をザクザクとカットして、さらに、放り込みます。
ぼくはパン切包丁で筋に沿って削ぎ切をすると繊維がいい具合で切れて、味が染みてうまくなるので、そうしている。
試してみてください。
このやり方によって、ひき肉もできます。
いい色加減になったら、カレーと同じ感じで皮を剥いて食べやすいサイズにカットした人参なんかを硬いのから順番に放り込んでいく。
ズッキーニとかは、すぐにぐちゃぐちゃになっちゃうから、最後の最後でいいです。
水を入れ、日本酒とか白ワインを(ぼくは結構入れちゃう、適量だけど入れて、ちょうどひたひたになるところまで、そしたら、鶏がらスープの素とか大匙1程度(固形ブイヨンでもいい。和風だしの素でもいいよ)、そこにぼくは塩昆布を一つまみと昆布茶を大匙1いれる。
で、スパイスは本当にお好みで、タイム、マジョラム、カレー粉、パセリ、ウコン、など本当に好きなものちょっとずつ振りかけて、醤油大匙1、塩胡椒で、ぐつぐつやります。
というか、本当に何でも好きな感じでやってみましょう、大丈夫だから。
沸騰したら弱火にし、カレーと同じ要領で火を入れ、途中で、シャウエッセンのホットチリとかぶち込んでおく。
ま、なんでもいい、ぶこちんで、好きなスパイス!!!
辛く仕上げるのがコツです。
※チューブのがアリッサ(ハリッサ)。中は唐辛子ペーストみたいなもの。香り高い。どうしてもチュニジアの香りと辛さが食べたい人は大き目のスーパーでゲットしよう。日本でも売ってるよ。でも、柚子胡椒がこれがまためっちゃ美味いんだ!
うちの、弟に教えたら、辻家本家では、定番中の定番になったよ。あはは。
パリっと、皮が割れて美味そうになったら、本当はここでアリッサを投入する。
多分、日本のスーパーなどでも売ってるが、ぼくはあえて、柚子胡椒をアリッサ代わりにいれてみる。
ここが、和風クスクスの醍醐味になる。
パスタのクスクスがあれば、お湯とか水で戻して、そこに具とソースをかけて食べるのだけど、辻家ではクスクスではなく、炊き立ての玄米ご飯にクスクスの具をかけて食べている。
クスクスはパスタなので、ちょっとカロリーが気になるなら、玄米は身体にもいい。
さて、元気が出る辻風和風クスクス。
え?
これじゃあ、クスクスじゃないって!!!
でも、美味しいんだから、大丈夫でしょ? めっちゃ、美味しいですぞ。
家族みんなで楽しめるので多めに作って、残ったら、カレーのルーを投下して、カレーににしちゃえば二度おいしいのであーる。
では、付録で、目安レシピを!
材料はこちらです。
玄米 2合(炊飯器で玄米モードで炊いておく)
玉ねぎ 1+1/2個(半量はみじん切りにしソースに使う。残りはくし切り)
にんにく 1片
ソーセージ 5~6本
人参 中1本
じゃがいも 小4個(メイクイーン)
パプリカ 1個
ひよこ豆水煮 100g
ズッキーニ 中1本
かぶ 大1個
和風だしの素 大さじ1/2
醤油 大さじ1
トマトペースト 大さじ3
アリッサ 大さじ1
塩・胡椒 適量
作り方はこちらです。
1,大きめの鍋にサラダ油大さじ2をひき、玉ねぎと、ニンニクのみじん切りを炒め香りを出し食べやすく切ったソーセージを入れて中火で炒める。
2、火が通ったら人参、じゃがいもを入れ、軽く炒めます。玉ねぎ、パプリカ、ひよこ豆も加え軽く炒める。全体に油が回ったらヒタヒタに水を入れそこに和風だし、醤油、トマトペースト、アリッサを入れ30分程煮る。
3、くし形に切ったかぶ、ズッキーニも加え皿に30分程煮て野菜がくったりするまで煮て、塩・胡椒で味を調える。
4、玄米ご飯と別々に盛って頂きますが、最後は混ぜて食べると味変して美味しさ2倍です。
個展のお知らせ。
「Le Visiteur」展、
東京、7月9日から21日まで、三越日本橋本店、コンテンポラリーギャラリーにて。
岡山、7月23日から28日まで、岡山天満屋本店、美術画廊にて。
パリ、10月13日から26日まで、パリ、GALERIE20THORIGNYにて。
問い合わせは、各画廊へお願いします。
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Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。