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今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ Posted on 2025/07/07 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
今日はイタリアの小さなミートボール、ポルペッティを作りましょう。
これをパスタに載せて、イタリア人は暑い夏を乗り切っています、あはは。
ま、美味しいんですよ。
じゃあ、さっそく、目安レシピを!!!

おっと、まずは、材料から、
材料(四人分)
牛豚合い挽き肉500g、
ニンニク3個、
アンチョビ二ひれ、
卵一個、
玉ねぎ二個、
トマトホール缶詰一個800g、
牛乳少々、
食パン二枚、
白ワイン100g程度、
パルメジャーノチーズ適宜、
塩胡椒、
オリーブオイル、
ビーフブイヨン一個、
醤油、笑。
生クリーム大匙3、お好きなパスタ。 

ポルペッティ作りのコツは、まず、煮込み方になります。
誰が発明したのか分からないのだけど、肉の煮込みなどは、煮込めば煮込むほどに美味しくなるから、頑張ろうという気持ちになるのです。
硬い肉でも適切な煮込み時間を与えてやることで、トロトロになります。

辻仁成 Art Gallery

最初にやらなければならないのは、やっぱり玉ねぎなのであります。
どの料理もこの玉ねぎが重要なつなぎ役になるわけです。
しかし、本物のポルペッティは玉ねぎを使わないのである。
なんで父ちゃんが玉ねぎを入れるのか、というと、入れると、柔らかくなるし、ちょっと甘味の風味が出るからなんです。
しかーし、イタリアで食べるミートボールはちょっと硬いんだよね。
弾力がポルペッティの命だから、ポルペッティを追求したい場合は、玉ねぎなしで、でもね、これが、やっぱ、玉ねぎがちょっと入ると美味しくなるのですよ。

で、
いつものようにみじん切りにした玉ねぎを色づくまで炒めます。
飴色になるように・・・。

ボウルに牛豚合い挽き肉、卵、牛乳に浸した食パン、あめ色の玉ねぎを塩胡椒してから手で混ぜ合わせ、肉団子を作っていきます。
素早く、やるのがいいね。

今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ



そしたら、小さなボール状にします。
手毬のおにぎりを作るような感じで、ころころ。ころころって、素早く。
そしたら、かるく小麦粉を叩いておきます。
だいたい20個から30個くらいできるかな。
好きな大きさにしていいけど、あんまり小さすぎると味や風味がボール内で回らないから、手の中に心地よくおさまるサイズで、けっこうであります。
それから、鍋に多めのオリーブ油を引いて、刻んだニンニクとアンチョビを入れます。
スペイン料理のアヒージョだね、まさに。
ちょっと多めのオイルをひいて、アヒージョにする感じ。
弱火でまず香りを移す。
アンチョビは熱で自然に溶けていくから、菜箸でちょんちょんってやってれば融けていくのであります。

今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ

今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ



いい具合になったら、中火にして、肉団子を一つ一つ転がしながら入れていきます。
全面に焼き色を付けたら、白ワインを回し掛けします。
続いてホールトマトを投入し、ビーフブイヨンを溶いた水をひたひたになるまで加え、醤油はお好みでちらっと、それで味を調えてから、弱火で40分程度煮込めがよい。
生クリームでちょっとお化粧のし直しだ。リコッタチーズでもいい。そうするともうちょっとまろやかになり、風味が増します。
この40分がとっても大事だよ。
煮込んでいる間に味が染みて回って美味しくなっていくのです。

途中、肉団子が壊れないように優しく木べらなどで具材を回しソースが馴染むようにしたらいいですね。
茹でたパスタに煮込みハンバーグを添え、パルメジャーノチーズを振りかけたら、完成でありますー。
ポルペッティのパスタ!!!!!!
美味しいよ。やってみてね。

今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ



今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ

自分流×帝京大学

今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ


「Le Visiteur」展、
東京、7月9日から21日まで、三越日本橋本店、コンテンポラリーギャラリーにて。
岡山、7月23日から28日まで、岡山天満屋本店、美術画廊にて。
パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて。
問い合わせは、各画廊へお願いします。

そして、毎月3回やっているラジオ・ツジビルはこちらから、です。どうぞ。

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今日の献立、イタリア風ミートボール、ポルペッティ

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。