PANORAMA STORIES
今日の献立、チキン・クリーム煮込み Posted on 2025/08/10 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
まだ残暑厳しい今日この頃ですが、間もなくやって来る秋に備え、ノルマンディ風チキンときのこの煮込み料理など、いかがでしょうか?
ノルマンディ地方では、生クリームを使った料理が最高に美味しいのです。
今日はそんな父ちゃんの地元、ノルマンディ伝統的な一皿をご紹介したいと思います。
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まずは、材料から、笑。
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鶏むね肉2枚、玉ねぎ半個、キノコ好きなだけ(今回は、エリンギ2本、しめじ1パック、モリーユ茸10個くらい)、栗、10個くらい。オイルまたはバター大さじ半、白ワイン大さじ1(またはウイスキー大さじ1)、生クリーム80ml、チキンブイヨン半個、水50ml。コーンスターチ(なくても大丈夫だけれど)
添え物の、エクラゼ・ド・ポムドテール材料;
じゃがいも、300g。バター15g。
はい、では、さっそく、作ってみましょう。
まず、フライパンに油、またはバターをひいて、中火にかけます。
いつものごとく、玉ねぎのみじん切りを炒めます。
玉ねぎは全ての料理の基本だから、丁寧に火を入れていくように。
で、透明になったら塩胡椒した鶏肉をここに加えて焼くんです。
焼き色がきれいについたら、そこにさらに、キノコや栗を加えて炒め合わせ、白ワイン(またはウイスキー)を加えてアルコール分を飛ばし、水とチキンブイヨンを加えてチキンに火が通るまで火を入れてまいります。
チキンに火が通ったら生クリームを加え、弱火でクツクツと煮込みます。ちょっと気長に様子をみましょう。
適当なところで、コーンスターチ大さじ1を少量の水で溶いたものを加えます。
そうすると、とろーりと、とろみがつきます。
とろみが出ると、触感が変わって、さらにぐんと美味しくなるんですよね。
全体に、火が通ったら、一度火を止め、蓋をして15分ほど置き、食べる直前に温め直し、塩胡椒で味を整えたら完成となります。
どうです、美味しそうでしょ。
今日の付け合わせはエクラゼ・ド・ポムドテールにします。
エクラゼ(潰す)したポテトの方が、ピュレより簡単で、ダイナミックなんですよね。
皮を剥いて適当な大きさに切ったじゃがいも300gを茹で、茹で上がったら水を切り、鍋にじゃがいもを戻してフォークで潰し、バター15gを加えて弱火にかけながらよく混ぜ、塩で味付けしたら、もう、完成なんですよ。
フランス人が大好きなガルニチュールの一つです。
※ じゃがいもの種類によってボソボソする場合があるので、生クリームや牛乳を少し加えて滑らかにしたらいいですぞ。
ということで、出来たエクラゼ・ド・ポムドテールを皿に盛り、その周りに温め直したチキンとキノコのクリームソースをかけてやると、父ちゃんが暮らしているノルマンディ地方の郷土料理が完成となります。
ということで、個展情報!!!
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パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」開催します。
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2026年、1月中旬から3月中旬まで、「日動画廊パリ」にて、グループ展に参加します。秋頃に、詳細が決まります。
また、お知らせします。
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Posted by 辻 仁成
辻 仁成
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作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。