PANORAMA STORIES
今日の献立、焦がしバター、ブール・ノアゼット Posted on 2025/08/31 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
今日は美味しいフランスのバターを作りましょう。
パンにつけて食べるとびっくりしますよ!
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魚料理などに、ブール・ノアゼット・ソースというのがかかって出てきます。
透明のソースで、とっても香ばしくて、美味しいのですけど、これの先に行くと、クリーム状の焦がしバターが出来るのです。
「ブール」とは仏語でバターのこと、ヘーゼルナッツはノアゼットです。ヘーゼルナッツ・バターのことなんです。
これが解けたものがソースになりますが、実は、辻家では、もうひと手間かけて、ハンドミキサーを利用し、とろけるバターにしちゃっています。最高ですよ。
日本のネットで調べたら、あまり、載ってないので、ここは父ちゃんがめっちゃ美味しいヘーゼルナッツ・バターの作り方をご教授しますので、ぜひ、お試しください。
とはいえ、ヘーゼルナッツは使いません! 笑。
ようは焦がしバターですが、それがヘーゼルナッツみたいな色になるので、フランスではこれをヘーゼルナッツバター、つまり、ブール・ノアゼットと呼んでいるんです。
無塩バターを使います。量はお好みで。今回、ぼくは150gくらいでやってみますね。
小鍋にいれ、火にかけます。
乳脂肪と油とに分離し、底の方がキャラメリゼされ、ちょっと焦げ付いてきます。
焦げ付かせ過ぎないように、注意。
でも、そこがまた美味しかったりするので、ちょっと焦げるくらいが、最高かも、・・・難しいこと言いますね。
ま、最初は、いいところでおさめてください。
火加減は、弱火から中火のあいだです。
全部溶けると、ぱちぱちと音がします。
焦がし過ぎないように注意しながら、しばらく火を入れると、だんだん、溶けたバターが色づいてきます。
香りも気のせいか、キャラメルとか焦がしたヘーゼルナッツのような香りになってくるから、あら不思議。
鍋のそこに焦げ付くような感じが出てきますが、焦がし過ぎないように温度を調整してください。
ここらへんはかなり弱火にしましょう。
で、今度は、ステンレスのボウルなどに、上澄みの透明な溶けたバターを移します。
ろ過してもいいですよ。これが、焦がしバターです。
今度はそのボウルを冷蔵庫などで冷やして、固めるのです。
固まったら、ここからが大勝負!!!
ハンドミキサーで固形化したブールノアゼットを緩めて、生クリーム状になるまでやります。
この時、フラードセル(塩の華)を一つまみ、投入してください。
生クリーム状になったら、お皿にうつします。
美味しそう!!!!
田舎パンとかに塗って食べると、ううううううううう、ひっくり返るほどの美味さです。
これはマジ、ご家庭で、世界一のバターの誕生。
ぜひ、お試しあれ!!!
ボナペティ!!!!!!
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ということで、芸術の秋だからこその、個展情報です!!!
近づいてきましたよ。準備万端です。
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パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」2週間、開催します。
だいたい、午後の14時から、18時くらいまで開画廊いたします。みんな長く働かないので、午後、お越しください。
今回は、浮世絵にヒントを得た新しいシリーズ、ボタニカルな美しいノルマンディ世界、など、今までにない辻ワールドでおおくりします。全23~24点の渾身作で行くよ。笑。
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辻仁成の美術サイト、昨日、更新されました。近日中に、再び更新をする予定です。
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Posted by 辻 仁成
辻 仁成
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作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。