PANORAMA STORIES
何食べているの~、父ちゃんのノルマンディ飯(9) Posted on 2025/09/21 辻 仁成 作家 パリ
ノルマンディの海岸線で、三四郎とたくさん、遊びました。
風が強かったのですが、子供は風の子ですな。
走り回って、嬉しそうでした。
海岸線で遊んで帰ったら、ぼくはパリの個展が近いので、その仕上げというか、どの作品を展示するか、など、いろいろと頭を悩ませる楽しいことがいっぱいです。
来年の個展に向けて、すでに作品作りも始まっているので・・・。
父ちゃんのガレージ倉庫をご覧ください。
ここは、作品を乾かすためのスペースで、現在、30枚程度が、乾くのをまっております。
絵は、完全に乾くまでに、半年から1年かかります。
ぼくの絵は、厚塗りですから、そのくらいかかるんですね。
さて、仕事をした後は、腹が減ります。
ノルマンディのアトリエ飯、美味しそう、と皆さんに言われるので、今日も頑張って、よく作ります、ジェノベーゼソースの作り方を、お教えいたしましょうね。
☆
ペスト・ア・ラ・ジェノベーゼのパスタを食べたくなりますよね。
ということで、さっそく、辻家伝統のジェノベーゼソースを作るところからスタート。
ざっくりと覚えておいてもらいたいことがあります。
すべての材料が、同じ割合でいける、ということ。
一人前ならば、全部40gでいい。オリーブオイルも大匙4,わかりやすい。黄金比です。
では、
まずは、材料から:
松の実、バジル、パルメジャーノ40gずつ、塩少し、オリーブオイル大さじ4、ニンニク1かけ。
ね、
松の実、40g、
バジル、40g、
パルメジャーノチーズ、40g
ショートパスタ、80g(ふ、増えてる・・・)
わかりやすいですね。
注意、パスタ80に対して、このソースはちょっと多いです。だいたい、このサイズ感で、2人前は食べることが出来ますので、二人前なら160gのパスタでもいけます。ぼくのちょっと多めにして、残ったのをパンにつけて、食べたので・・・。あはは。
ともかく、まず、松の実をフライパンで炒る。
焦がしちゃダメ、かるく、色づくくらいで、十分である。
この松の実こそ、ジェノベーゼの肝の一角を担う重要分子となる。
よいかな?
そして、オリーブオイル大さじ2(残り2は、ちょっとずつ、加えて最終的に、4)、にんにくとこの炒った松の実をボウルにいれて、ハンドブレンダーでジャーっと。
とはいえ、松の実は、なかなか、ハンドブレンディングが難しい。焦らないで、じっくりとやればできるよ。
もう、ここが全てかもしれない。この瞬間に、見えてくる「美味しい」輝き!!!
で、そこに、とりあえず、バジルを半分くらい加えてまたジャーっとやりますよ。
そして、残りのバジルも加えてジャーっと。つまり、少しずつ、やるわけです。
オリーブオイルを少しずつ加えてジャーっと。
最後に擦ったパルメジャーノを加える。パルメジャーノチーズ、40gとけっこうな量になるが、驚いてはいけません。
みそ汁に味噌がたくさん入った方が美味しい、の原理、と一緒。
イタリア人の料理における、パルメザンチーズは調味料だと思ってほしい。
よく混ぜて、残りのオリーブオイルを全て加えたら完成となります。
茹で上がったパスタに好みの量のジェノベーゼソースを入れて、まぜまぜ。
ショートパスタ、メッツェ・マニーケ、なんて最高です。
なかなか、噛み応えのあるショートパスタなんです。
ゆで時間13分、リガトーニの小さい版。イタリア語で、半そでという意味らしい、あはは。筋が入っているので、ソースが絡みやすい。ジェノベーゼに、最適だね。
はい、完成でーす。生ハムなんかを添えて、ボナペティ!やるやーん!
☆
下の写真は、前に、友だちに作って差し上げた、もうちょっと太めのショートパスタです。これも、最高でした。
はい、で、最後はバゲットをつかって、スカルペッタ! (パンをソースに絡めて食べることをスカルペッタというんですよ)
これが、実は、一番美味しい・・・。m(__)m
つづく
今日も読んでくれてありがとうございます。
辻仁成、個展情報。
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パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」2週間、開催。
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1月中旬から3月中旬まで、パリの日動画廊において、グループ展に参加し、8点ほどを出展させてもらいます。
Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。