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パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり Posted on 2025/05/15 辻 仁成 作家 パリ

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

パリの日本好きな料理人たちの前で、寿司を握らないとならない羽目になった。
というのも、パリでグループ展があり、戻ることになったのだけれど、(なぜか)それに乗じて、シェフ仲間たちが集うことになった。
仲間の一人が、ツジーの寿司が喰いたい、と言い出して、急遽、寿司パーティがグループ展記念に開催されることになってしまったのであーる。
とは言っても、仲間たちが集まり、初グループ展の前にお祝いをやろうという企て、だが、なぜか、本人が寿司を作るという、このフランスらしい、イベント!!!!
で、よーし、大和魂みせたろうじゃないか、と奮起した父ちゃんが握ったのは、漬けマグロの握り、と、鯛の昆布締めの握り、なのだった。
これが、大盛況で、準備に半日(仕込みをいれると一日)かかったのに、わずか、3分で、完食、とあいなった。
「うまい!!!」
「これはやばい」
と皆さん、大騒ぎをして、食い切った、3分クッキング、さて、目安、超目安な作り方、解説しましょうね。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

右が、マグロの漬け。漬けダレですが、煮切りますが、みりん小さじ2、酒小さじ2をまず煮切る。
そこに醤油大匙4をいれて混ぜた漬けダレ、にマグロを漬けておくんだが、
夫、その前に、マグロは、塩水を作って(海水みたいな)でさっと洗って、キッチンペーパーでくるんで水気をとっておく。
水道水で洗うのはダメ。味が落ちる。
短い時間でもいいけれど、ぼくはちょっと長めに漬けています。

で、左が、鯛の昆布締めだが、切り身(骨をちゃんと取らないとあかん)を昆布で包んで、サランラップでくるんで、一晩寝かせる。そうすると、白身がとろとろっねばねばっと、なる。それがうまいね。



パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

すし飯の作り方。
米二合を研いで、炊飯器で、硬めに、炊く。早炊きでいいね。
で、炊き上がったら、炊飯器の中に米酢40,赤酢20の割合で入れて、砂糖も8グラム程度いれて、混ぜてから、おひつ(ボウルでもいいよ)に移し、冷ます。
冷ます時に、胡麻を少し入れると、なおいいね。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

で、握り方なんだけれど、水道蛇口からちょろちょろと水を滴らせて、おひつをその近くにもっていき、寿司屋さんみたいに、左手で、おひつから、指4本の中に入る程度のお米を掴んで、そうね、説明が難しいけれど、指4本をクランクさせると、右手の指一本が入るくらいの空間ができるじゃん? 
そこに掴んだ米をまるめつついれて、右手の人差し指、お兄さん指でおさえて、きゅっきゅっと2,3回、押し寿司みたいに固めるのね、で、スライスしたマグロなんかを、上に載せて、もう一度、きゅっとやれば、完成なのだ。
わさびは中に入れてもいいけれど、フランス人は苦手な人が多いので、あとでとれるように、上に載せたら、案の定、みんなどかしていたのであーる。あはは。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

軽く、軽く、きゅっ、きゅっとが、決め手。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

こちらが鯛の昆布締め握りなり。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

こちらが、マグロの漬け握りなり。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

ほら、素敵でしょ?

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり



で、握るのがめんどうくさくなったので、残った漬けの刺身は、海鮮丼にして、最後はみんなにふるまったら、もう、これが、受けた受けた、おお受け!!!!
生卵と、海苔と、いくらね、マグロ漬け、鯛の昆布締めの、海鮮丼、やばい!!!
父ちゃん寿司職人、ええと、フランス人向けに大きく握っておりますが、自分が食べる時はこの半分くらいのサイズ。
刺身をもっと薄くして、鯛とか白身の魚の場合は間に紫蘇とか挟み、マグロは生クリームとワサビの特製ソースをかけたりする。
プティ・トマトを載せることもある。
うまいんだよね。なんでか知らんけど。あはは。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり



パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

ぎゃああ、やばかった。
これだけ、食べた。いくらは後乗せしたんだけれど、写真、撮り忘れたー。笑。
寿司は、自分の分など作る余裕なく、みんなに食べられてしまったのであったーまん。
ということで、パリでの初のアート・グループ展、しかも、立体創作の作品をはじめて提出した父ちゃんのその後は、明日の日記で・・・
お楽しみに!!!

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり



つづく。

今日も読んでくれてありがとうございます。
その初のグループ展は、今日から6月22日まで5週間、マレ地区のギャラリー・20・THORIGNYで開催されます。ピカソ美術館のすぐ横ね。
父ちゃんは、ノルマンディに戻らないとなりませんが、後半、もしかしたら、顔を出しますね。続きは、明日!
こちらが、コレクティフ(グループ展)のポスターです。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

個展関連、お知らせ。
5月15日から、パリのマレ地区で、グループ展に参加。
7月9日から、日本橋三越本店で、個展。
7月23日から、岡山天満屋で、個展。
10月13日から、パリ、ギャラリー20THPRIGNYで、個展。
あとね、この夏は、日本で、数回、シークレットライブやります。

パリで寿司のデモンストレーションをやった、父ちゃん寿司職人なり

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