JINSEI STORIES
ごはんがすすむ、鶏肉の塩麹炒め&ギター教室もスタート。 Posted on 2025/05/17 辻 仁成 作家 パリ
少し前の話なんだけれど・・・。
フランス人の知り合いの高校生のお子さんが、ぼくにギターを習いたい、と言い出したのね、あはは。困った。
小説の書き方なら教えられるが、ギターを教えた経験はない。
なんでも、日本のロックが好きで、親がぼくのライブ(オランピア劇場ライブ)に来たことがあるちょっとファンな人だから、ぼくの音楽に触れる機会が多いようで、・・・。
その子のお父さんも実はもとベーシスト、今は映画監督なの。
先日、その家族の家に行った時に、ギターを持っていき(ギターはだいたいお呼ばれする時は必ず持っていくようにしている。人と人を繋ぐ、魔法の道具だからさ)、ちょっと演奏をしたのが、その子のハートに火をつけた、らしい。
らいとまいふぁいやーーーーーーー! ドアーズだね。
ということで、先日、パリのカフェで面接をした。
「君は、ギターどのくらい演奏できるの?」
「ぜんぜんできません。経験がないとダメですか」
「そうか、いや、経験なくてもいいけれど、ギターはもっているの?」
「持ってないです」
「お父さん、ベースやっていたじゃん。ギターないの?」
「パパは左利きなんで、あるけれど、ぼくにはちょっと無理なんです。だから、買うつもりで、そこから指導してもらえたら幸いです」
「持ってないのか、なるほど、そこからは道程が長いね」
「週に一度でいいんです。辻さんのようなギタリストになりたい」
「あ、いや、週一かい!? ぼくはね、ノルマンディに住んでいるから、パリに戻って来た時でいいなら、教えられるよ」
「ありがとうございます」
ということで、まずは、ギターを買うところからアドバイスしないとならなくなった。あはは。忙しいのに、頼まれると断れない性格なんだよね。
「まずは、YouTubeとかで、基本の勉強をしてみてほしい。ぼくの使ってないギターを3か月間、貸すから、ギターの弦を自分で買って、張り替えて、最低限のコードが弾けるところまで自力でやってもらう。で、一度、そのレベルをチェックさせてもらい、合格したら継続して教えようかな。一から教えるのはなかなか難しいからね、それでもやる?」
青年、やります、という返事であった。
「今の時代、YouTubeで基礎はなんとなく学べるから、やる気さえあれば、大丈夫だよ。でも、ある程度は出来ても、必ず天井にぶつかるんだ。そこから、先生になってあげるという具合、どう? それでもいい?」
「あ、わかりました。お願いします!!!」
ということで、G君というのだけれど、事務所の屋上に楽器保管庫があるので、連れて行って、一本、貸すことにした。
「えええ、先生、これ、前にライブで使っていたやつじゃないですか?」
と長谷っちが言った。
「そうだよ。いいギターで学び始めないと上達しないから、いいんだよ。G君のお父さんにはお世話になったから」
で、彼が基本のコード、たとえば、AマイナーとかB7とか弾けるようになったところで、父ちゃん先生が登場し、レッスンをスタートする、ということに・・・。
ノルマンディにいる時は、ZOOMを使えばいい。G君、めっちゃくちゃ喜んで、帰っていったのだけれど、長谷っちに、仕事で忙しいくせに、と怒られてしまった。
長谷っちも一応、小説のお弟子なのに、何も教えてないし、ね・・・えへへ。(大人と子供はちょっと違うんだよね。とくに、ギターは最初が肝心)
はい、ということで、今日の献立推薦料理は、鳥の胸肉を塩麹でマリネしたグリルをご紹介したいと思うのである。
これを食べると、ギターが上手になるよ、あはは。ウソです。☜めっちゃ嘘つきやんか。
主な材料は、
鶏の胸肉、
塩麹(糀)
レモン、
みりん、
塩胡椒、
パセリ、
マスタード、
かな・・・・。
鶏むね肉を食べやすいサイズにスライスカットして、塩麹を軽めに裏表全体に塗る。
で、それをジップロックにいれ、レモン、みりん、マスタード少々をいれて、最後に、刻んだパセリをぶっこんで、閉じて、よく揉んで、冷蔵庫で一晩、マリネするのね。
で、焼く時に、パセリを一度、大変だけれどとりだして、強火で肉を炒めて、両面に焦げ目がいい感じで入ったところで、パセリを戻してからめてね。写真のように。そのあとは、ひっくり返してパセリ事やいちゃっていいよ。
ここで、軽く、塩胡椒をしましょうね。
で、食べやすいサイズにカットして、お皿に盛ったら、完成なのよ。
焼きたてはとっても柔らかいから、(冷めたら硬くなるから、すぐ食べてね)マスタード、レモン、みりんの三位一体感、最高です。マスタードはハニーマスタードでもいいよ。
醤油は基本いらないです。十分、鳥のうまみが出るから、足りなければ、という感じにしてね。
ごはんでも、パスタでも、バゲットに挟んで、齧りついても美味いよ。
さて、ギターの先生をやることになったら、事務所関係のスタッフさんのお子さんもやりたいと、言い出したー、笑。
他に、大学生も習いたい子がいるとか、いないとか、噂になり、そうだったら、パリ・ツジギター教室、やるか? ということになってきたのだから、びっくりぽんだよね。
ま、昔取った杵柄だからさ、教えるの嫌いじゃないし、いいんだけれど、日本のギター奏法をフランスの子供たちに教えるって、どうなんでしょうかね。
面白そうだけれど、えへへ。
一応、6月から、隔週の日曜日にパリ事務所でギター講座がスタートすることになりました。ノルマンディからはZOOMで指導します。
よろしくお願いいたします。
はい!!!!
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
小説、昨日、書きあがりました。最後まで、書き上げることが出来た。今朝、読み直したら、面白かった。もっとも中編なので、本にはならないけれど、秋くらいに文芸誌に発表します。小説ファンの皆さん、お待たせしました。2年もかかったよ。あはは、絵ばっかり描いていたから、腕がなまっていないといいんですけれどね。じゃあね。また、明日。えいえいおー。
個展関連、お知らせ。
7月9日から、日本橋三越本店で、個展。迫ってきましたね。淡い世界です。
7月23日から、岡山天満屋で、個展。迫ってきましたね、岡山、愉しみ。
10月13日から、パリ、ギャラリー20THPRIGNYで、個展。まだ先だけれど、・・・
※ 最近、ラジオ・ツジビルではぼくの小説の朗読をやっています。ご興味ある皆さん、ご案内はこちらから、どうぞ。
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