JINSEI STORIES
ラタトゥイユとカポナートのいいとこどりで、暑さをしのぐぜ! Posted on 2025/05/20 辻 仁成 作家 パリ
夏が近づいてきたね。
ノルマンディの海辺に、カビーヌ・ド・プラージュ(海辺のキャビン)が建ち始めた。
ここで、着替えをしたり、家族で借りて、椅子だして、身体を焼いたり、時に、中に逃げて、休んでいる人がいる。
夏のノルマンディの光景に欠かせないキャビンなんだよ。
でも、泳げない父ちゃんは、さんちゃんとここでかくれんぼをしている。
「さんちゃーん、こっちだよー」
あはは。
さて、夏が近づいてきたので、今日は、ラタトゥイユを作るんだけれど、ちょっとカポナートっぽいラタトゥイユを目指すよ。
「カポナータ(Caponata)」と「ラタトゥイユ(Ratatouille)」は、どちらも野菜を煮込んだ地中海料理ですが、違いがあるんだよね。知ってる?
カポナータ(Caponata)は、イタリアの料理で、主に、シチリア周辺を代表するんだ。
主な材料は、ナス、玉ねぎ、セロリ、トマト、ケッパー、オリーブ。
酢と砂糖を使った甘酸っぱい味(アグロドルチェ)が特徴で、野菜を別々に炒めたあと、甘酢で全体を煮込むんだよ。
前菜で、しかも、冷菜として食べることが多い(パンに乗せると、なおうまい!!!)酸味と甘みがあり、複雑な味わい、最高だよね。
一方、ラタトゥイユ(Ratatouille)は、フランス(プロヴァンス地方)の料理だよね。 主な材料は、ナス、ズッキーニ、パプリカ、トマト、玉ねぎ、ニンニクかな。
大きな違いは、ハーブ(タイム、ローリエ、バジルなど)がかなり大事になること。
野菜を炒めてから煮込むんだけれど、オーブンでローストすることもあるよ。
メインの付け合わせとして、出されることが多い印象。個人的にラタトゥイユは、温製が好き。冷たいのもあるけれど・・・。
野菜の自然な甘みとハーブの香りが特徴のやさしい味
一言でいうと…カポナータは、 甘酸っぱくてパンチがあり、冷製前菜向きのイタリア料理となり、ラタトゥイユは、野菜とハーブのやさしい煮込み、付け合わせに最適なフランス料理となるんだ。
で、今日は、ラタトゥイユを作るんだけれど、ハーブをあまり使わないから、笑、どっちかというとカポナートに近いのかな。しかも、冷やして食べるから、なお、カポナートだね・・・。あはは、じゃあ、タイトル変えなきゃ!!!
ま、美味しければどっちでもいいね。夏は、カポナートかな・・・。
じゃあ、作ってみましょう。
なす、ズッキーニ、パプリカ、玉ねぎ、トマト、にんにく。お好みの割合で。ラタトゥイユは、野菜を一種類ずつ焼いて、合わせるのがフランス流の作り方なのです。じゃあ、カポナートと一緒じゃん!!!! えへ。
オリーブオイルをひいて、野菜を一種類ずつ焼いたら、ボールに入れて混ぜる。塩加減は各野菜を焼くときに味見をしながら。ハーブやニンニクと一緒に焼いて合わせておく。
しっかり混ぜて完成。もう、出来ちゃった。一晩冷蔵庫で冷やすと、さらに、うまいんだよ!!!!
今日は、キャベツをカレー粉で炒めて、柔らかいパンの中にいれ、マヨネーズ、ケチャップで味付けし、よく焼きのシャウエッセン(笑)挟んで、ノルマンディ風カリーブーストを作ったぞ。冷たいビール&カポナート風のラタトゥイユとの相性抜群だ、何もかもが、夏だね、いや、うまかった。
今日の一枚。熱いから、下はパンツだ! あはは。アトリエは自由なり。
つづく。
今日も読んでくれてありがとうございます。
小説書き上げました「前日」というタイトルなんだけれど、夏の日本の個展に、同じタイトルの作品が4作品出展されます。何かが起こる前の日の出来事・・・。小説は秋に三田文学で、発表されます。
今、日本の個展に関しては、仲介画廊のNさんといろいろやりとりが盛んになってきました。三越コンテンポラリーギャラリーさんも、天満屋画廊さんも、夏に向けて、いろいろと頑張ってくださっているみたい。とくに絵を展示するだけで、ぼくは講演会とかサイン会とか、何もやらないし、取材とかも受けてないから、いきなりやって、いきなり終わるんだろうね。でも、自分の作品がみなさんにどうみられるのか、すっごく気になるから、個展、いきます。在画廊はしませんが、何回か、こっそりと、顔出そうかな。ばったり会えたらいいですね・・・。じゃあね。えいえいおー。
※ 夏の個展は、三越コンテンポラリーギャラリー、日本橋三越本店と、天満屋岡山本店の美術画廊で、開催します。
パリの個展は、10月13日から、マレ地区の画廊、ギャラリー20トリニーさんでやるよ。