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猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ Posted on 2025/05/19 ルイヤール 聖子 ライター パリ

 
猫ちゃんたちがくつろぎ、自由に歩き回れる「コワーキングカフェ」が、パリにできました。もともと猫カフェ自体が少なかったパリですが、その多くは“保護猫カフェ”として運営されていて、新しい家族との出会いの場になっていることが特徴です。
 

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

※Koneko Work(コネコ ワーク)

 
2024年、新しく登場したのは、コワーキングスペースと保護猫カフェを組み合わせたような場所。日本語で“コネコ”という名前が付けられている……。猫ちゃんに会える……と、興味を持った猫好きのわたしは、早速パリ12区にある現地を訪れてみることにしました。
 



 
パリでは、お茶を飲みながら作業ができるコワーキングカフェがすっかり定着しています。こちらの場所も、利用方法は一般的なコワーキングカフェとほとんど同じ。1時間ごとの料金のほかには、半日・1日(8時間)のどちらかが選べるようになっていました。
ただし猫ちゃんがいるということで、大声は出さない・食べ物はあげない・手の消毒は入り口でしっかりと、といった説明を最初に受けます。それ以外は基本的に自由で、ドリンクを飲みながら作業したり、猫ちゃんを撫でたり、フラッシュを使用しなければ写真撮影もOKとのことでした。
 

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

※ホットドリンク、マドレーヌやクッキーといったお菓子が自由に

 
「Koneko Work」もそうですが、パリの猫カフェは、保護施設と連携して運営されているところがほとんどです。なかには獣医師さんの協力のもとで設計されたスペースもあるそうで、猫好きが生じて彼らの行く末を心配し過ぎてしまうわたしのようなタイプでも、安心して利用することができました。
 

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ



 
ユニークだったのは、猫ちゃんたちがスタッフの「コレグ(collègue=同僚)」として紹介されていたことです。どうやらここで働いているのは、人間だけではない模様……。各猫ちゃんには役職名もついていて、入り口付近では“オフィスマネージャー”のミヌーシャちゃんが堂々と出迎えてくれました。
 

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

※里親募集中の猫ちゃんたち。職種はオフィスマネージャー、営業、コーディネーターなどさまざま!

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

※オフィスマネージャーのミヌーシャちゃん



 
カフェ内はとっても静かです。スタッフさんたちは、わたしが今まで経験したコワーキングスペースの中でもいちばん小声。利用する人間のほうも、猫ちゃんが熟睡している側でそっとパソコンを開き、起こさないように作業します。
 

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

 
とはいえ猫ちゃんがすぐ隣でスヤスヤ寝ていたら、集中して作業することができないかもしれません(可愛すぎて)! わたしも気づけば、猫ちゃんを見つめたり撫でたりするうちに時間が過ぎてしまい、「あれ、今日って何しに来たんだっけ?」という状態に。やはり、自分の猫でも他所の猫でも、どの子もみんな可愛くて、ただそこにいてくれるだけで嬉しいと感じてしまうのです。
 

猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ



猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

※オフィスマネージャーには帰り際にも見送っていただきました

 
今回は数時間の滞在でしたが、それぞれの猫ちゃんの性格や特徴がなんとなく伝わってきたように思いました。こうして普段の生活に近いかたちで触れ合えるのも、猫ちゃんを家族に迎え入れる上では大切なことだと感じます。
彼らも思った以上にノンビリしていて、人間との距離感が絶妙! 猫らしく、安心して暮らしているんだなと想像します。わたしも、今一緒に暮らしている猫のことを思い出しながら、全世界の猫ちゃんが幸せになりますようにと願わずにはいられませんでした。

Koneko Work(コネコ ワーク)

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猫のとなりで働く。パリの“里親も見つかる”コワーキングカフェ

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Posted by ルイヤール 聖子

ルイヤール 聖子

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2018年渡仏。パリのディープな情報を発信。
猫と香りとアルザスの白ワインが好き。