日々のことば
日々のことば「ともしび」 Posted on 2025/07/20
おつかれさまです。
友だちの会社の若い社員の人たちを集めて、この日本滞在中に、私塾のようなことを、やらせて頂きました。
15人くらいですかね、20代から、40代まで・・・。
その中の一人の女性が、
「自分が介護の仕事をしていた時に、高齢のおばあちゃんの面倒をみていたのですが、ある時、不意に、あなたには私の身体の痛みはわかるまい、と言われたんです。その後、その方がなくなり、今は別の仕事をしていますが、その時のことばを思い出すと胸が痛くなるんです」
と訴えたのです。
もっと寄り添ってあげられなかったのか、という後悔をその女性は今も抱えて生きている、ということでした。
「私はどうしたらいいのでしょう?」
ぼくは、今のあなたがそのことを思い出すのは、そのおばあさんの介護をした経験があなたの未来のともしびになっているのだから、その時のことを悪い記憶として抱えないで、大切に持って生きたらいいんですよ、と答えたのでした。
ぼくも、最近、身体が痛いです。マジで、年齢には勝てません。
おばあさんは、いつも介護を親身にしてくれるあなたに、つい、ほんとうに、つい、甘えたのです。
人間ですもの、仕方がないことです。
聞いてくれる人がまわりに誰もいなかった。
そこは介護施設だったからです。
そして、大事なことはそのことばを今もあなたが心に持って生きている、ということでしょう。
その経験が、あなたをきっと、未来に導いてくれる、と思いましたよ。
いい人なんですよ、あなたは自分で気が付いていないだけで、だから、その一言で苦しんでいる。
もう、苦しむ必要はありません。
「蠟燭は身を減らして人を照らす」
ということばがあります。
読んだその通りのことばです。
あなたはきっと、人のために自分を犠牲にして尽くしてきたのでしょう。
でも、おばあさんのその一言で、あなたは苦しんでしまった。
「ありがとう」
のかわりに、
「私の痛みがわからないだろう」
と言われてしまったからです。
でも、おばあさんは、本当に痛かったし、誰かに訴えたかった、あなたしか甘える人がいなかった。あなたはそれを受け止めた。
今も受け止めている。
なかなか出来ることじゃない。
人を馬鹿にし、悪口ばかり言って、権力をふりまわすどうしようもない人間だらけの世の中なのに、むしろ、救われる話です。
苦しみを抱える必要はありません。逆に、今まで、一人で抱えて、悩んでおられたのだから、あなたも蝋燭ですよ。
人を灯す、光なんです。
もう、大丈夫。いいですか、あなたはあなたの未来をその光で照らしてください。
あなたの光がみんなを照らし、その光の中に、あなたもいます。
☆
はい、今日も精一杯生きたりましょう。
えいえいおー。
今日のひとこと。
「蠟燭は身を減らして人を照らす」
今日のごはん。
「ジェノベーゼのリガトーニ」
☆
「Le Visiteur」展、
東京、いよいよ、21日、月曜日が最終日になります。三越日本橋本店、コンテンポラリーギャラリーにて。
岡山、7月23日から28日まで、岡山天満屋本店、美術画廊にて。
パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて。
問い合わせは、各画廊へお願いします。
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そして、毎月3回やっているラジオ・ツジビルはこちらから、です。どうぞ。
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