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何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3) Posted on 2025/09/15 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
ご近所のご家族と親しくなりましたら、昨日、夕食に招かれてしまったのです。
愛犬を家に残し、軽い気持ちで出かけましたら、そのうちのお子さんたちもいて、テーブルの上に、ずらりと並んだ魚介プレートが並び、いやはや、びっくりいたしました。
ぼくがこの村にアトリエを構えてから、周辺の村人の皆さんのあいだに、ちょっと奇妙な日本人アーティストがいついた、という噂が流れたようで、最近、市場とかでもよく声をかけられます。
今日、ご招待を受けたご家族はご近所さんなので、もちろん、ぼくがアーティストであることに興味もあったのでしょうが、お近づき、ということで、わざわざこんなご馳走を作って、歓迎式典的な(?)、ぼくを喜ばせてくださったというわけです。
え? 三四郎、あはは、お留守番です。

何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)

お母さんのステファニーさんは、もう、絵に描いたようなフランスのママ、という存在です。
安定感のある笑顔の素晴らしい方で、黙々と料理を準備してくださいました。
すごいですよね、でも、これだけじゃなかったんです。



何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)

蟹まで出てきました。
蟹というと日本では「タラバガニ」数千円というイメージですが、ここノルマンディの田舎だと、漁師さんから直接買うので、2ユーロとか、3ユーロで買うことが出来ます。牡蠣も、超新鮮な牡蠣が、信じられないくらい安価なのです。
そこはノルマンディ、さすが、です。
ただ、観光地のレストランを併設しているような魚介専門店は、逆にパリより高かったりしますので、観光地では、お気をつけてください。

何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)

何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)



ということで、今日、ご紹介させて頂きたい、スペシャルな一皿がこちらになります。
エシャロットの千切りを軽くフライパンで炒めまして、生ガキの上にちらします。そこに、バター、サワークリームをちょっと、白ワイン数滴、オリーブオイル数滴、上にチーズをまぶしまして、140度のオーブンで5分ほど温めた、のが、こちら!
クリーミーな温かい一皿になりますが、ぼく、生まれて初めて食べましたが、信じられないくらい、美味しかったです。
まさに、絶品でございました。

第一回、父ちゃん絶品賞、決定!!!!

何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)

何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)



何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)

これは、ステファニーさん手作りのマヨネーズです。フランスのお母さんたちは、こうやって、マヨネーズは手作りするのが普通ですね。ぜんぜん、違うのが色でわかりますよね。
はい、ボナペティ!

何食べているの? 続々・父ちゃんのノルマンディ飯(3)

辻仁成、個展情報。

パリ、10月13日から26日まで、パリ、ピカソ美術館そば、GALERIE20THORIGNYにて「辻仁成展」2週間、開催。

1月中旬から3月中旬まで、パリの日動画廊において、グループ展に参加し、6点ほどを出展させてもらいます。

辻仁成 Art Gallery
TSUJI VILLE
自分流×帝京大学



Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。