PANORAMA STORIES

フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが) Posted on 2025/11/28 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
生きていると、寂しくなる時、ありますね。
頑張っていると、無理するのが、嫌になることあります。
日々を丁寧に生きていると、たまに、身体に悪いことしたくなるものです。
そんな日々の中にいます。
皆様、お元気ですか?

ぼくのアトリエの正面は、広大な荒野なのですが、裏の方には、丘沿いに、家々が、お屋敷ですかね、が見えます。
ちょっと軽井沢みたいにも見えますが、名もない田舎の村でして、ま、穏やかな世界です。
一日、二食の生活ですが、それを失敗すると一日が残念になるので、日々、昼飯と夕飯に命をかけている父ちゃんです。
ランチは、そら豆(冷凍、ピカール社)豚ひき肉、玉ねぎのクリームソース・生パスタにしました。
ランチは、勝ちましたね。
最高に美味しかったです。

フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが)

フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが)

そら豆を炒めて、ちょっと置いておき、豚ひき肉と玉ねぎスライスをバター、にんにく、唐辛子などで炒め、白ワイン、生クリームをいれて、そら豆を戻し、塩胡椒、醤油、味噌を小さじ1程度、なんなら、状況をみて、白ワインでのばしたりしまして、茹で上がったパスタを入れて混ぜたら、完成となりました。
糸唐辛子、これは、ハナマサさんで売っています。一袋でかいですが、長持ちするので、日本に帰ると購入しますよ。
なんですかね、ネーミング。
そら豆と豚ひき肉のクリームソース・パスタ、ですね。
枝豆でもいけると思います。

ちなみに、麺は明治屋さんで買ったグルテンフリーの一食分、生リングイネです。これ、美味いですね。



仕事をしていると、時間は自然に流れていきます。
小説、絵、版画、の制作を交互にやっていると、あっという間に、夕方になります。
で、慌てて、夕飯の準備をしますが、今日は冷凍庫にいつ買ったのかわからない牛の薄切り肉があったので、にんじん、じゃがいも、で「肉じゃが」作りました。
冷めても、というか、冷めた方がおいしい、日持ちというか翌日まで美味しい、肉じゃが、便利ですよね。
肉多めの肉じゃがなので、一品で、十分堪能できます。
これと白ごはん、勝ちました。
今日は、ランチも、夕飯も、勝利した父ちゃん画伯でございます。

フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが)

父ちゃんの肉じゃがは、じゃが、少な目なんです。そもそもちょっとしか作りません。
味がじゃがに染みているので、格別ですが、じゃがいもばかり食べていると、ごはんが入らなくなるので、このくらいの割合がちょうどよかったりします。

白ごはんに、鮭明太子のフレークをのせて、頂きました。
最高でしたよ。

夕焼けが、いつまでも美しいので、三四郎とずっと窓辺に座って眺めていました。
家の正面は、こういう世界なんです。
一軒も家がありません。
地平線まで何もない世界で、あまりに美しく、これは絵なんかじゃ勝てない、と思いながら、キャンバスに向かっています。
勝とうと思っちゃだめですね。
近づこうとしている、だけです。
生きていると、苦しくなることがありますが、日々のごはんに癒されています。

フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが)



フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが)

父ちゃん作のグラビュール(版画)です。
今日の収穫です。
これは、シェフ友のチャールズが50歳になったので、記念に制作をしました。
まだ完成じゃなく、ここに色をつけ足していきます。
長生きの木、というタイトルです。笑。
版画の販売は考えておりません。いまのところ・・・、いつか、笑・・・。

フランス田舎暮らし日記、(肉じゃが)

どうも、どうも、父ちゃんでした。
生きたくなるよう、生きる飯、がんばってくださいませ。
えいえいおー。



辻仁成、展覧会情報

2026年、1月15日から、パリ、日動画廊、グループ展に参加。
2026年、11月に、3週間程度、フランスのリヨン市で個展、予定。詳細は後程。
2026年、8月、東京での個展を計画しています。詳細は待ってください。

辻仁成 Art Gallery
自分流×帝京大学

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。