自分流・日々のことば

日々のことば、きっかけ Posted on 2026/01/10 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
小さな頃から自分に言い聞かせてきた、おまじないのようなことばがあります。
子供のころに、自分が何かをやり始めた直後とかに、小生は、なぜ、それをはじめたのかを、検証する癖がありました。
自分がそれをやるようになったなんらかの影響があるはずで、それは初期衝動という言葉に置き換えることが可能でした。
その初期衝動って、こんなに年を重ねても、とっても大事なものだということを、小生は知っています。
だから、いつも、なんでこれをはじめたのか、と自問をして、そこを見つめてから、注力していたのです。
その時に発明したことばが、
「何かが始まる時には必ず何かきっかけがある」
というものでした。
「何かじゃなく、きっかけでいいんじゃないの?」と息子に言われたことがありましたが、「いいや、何かきっかけ、じゃないとダメなんだ」
と言うてましたね、笑。
何かきっかけ、とは、ただのきっかけじゃなく、何か、なんです。
その何かは、偶然じゃない場合が多いな、と思うことがあります。
出会うべきして出会う時、きっかけは、何か、を伴うのです。
自分を動かした、何かの力というのでしょうか。最初から意味は分からないものだったりします。
でも、それは年数を重ねるに従い、意味を帯びるようになります。
逆をいえば、この「何かきっかけ」というものを直感的に大切にすることは生きることに深い意味を持ち込んで来るものじゃないか、と思うのです。

日々のことば、きっかけ



ぼくは英語人じゃないので、間違いもあるかもしれませんが、英語だと三つの単語が「きっかけ」を意味しますね。
「trigger」というのは、物事が始まる直接的な原因を指す場合が多いですが、銃の引き金みたいな発端を表す「きっかけ」
「opportunity」というのが一般的に「きっかけ」の直訳になるような気がしますが、何かを始めるタイミングですかね・・・。機会とか、チャンスって意味に近い感じですよね。
「catalyst」何かを動かす要因や出来事を指す言葉でしょうか。日本語のきっかけからはやや遠いんですが、小生的にはもっともしっくりする、物事の進展を促す状態の、きっかけ、ですかね。

日本語のきっかけって、ちょっと複雑な意味を含んでいるので、扱いにくいことばになっていますが、きっかけの前に「何か」とつけると、英語の上記三つの意味を内包しているように感じられませんか?
だから、自分が何かにむかって動き出す、何かをはじめたのであれば、何かきっかけがあったからで、そこを見極めることが、その行動をさらに意味あるものにするのに重要なんだよな、と今日、三四郎を連れて散歩からの帰り道に思った次第でした。あはは。哲学者みたいですね、出来の悪い・・・。
今年も小生いろいろと始める予定なんですが、ただ、衝動で始めるのじゃない、ということを自分に強く言い聞かせ、その根本をしっかりと見つめて踏み出していきたいと思っています。
さて、どうやることやら・・・。
でも、今日も精一杯生きたります。
えいえいおー。

今日のひとこと。
「何かが始まる時には必ず何かきっかけがある」

自分流×帝京大学

日々のことば、きっかけ

今日のごはん。
「またまた、作って食べたきゅうりサンド」
前回、レシピを載せたやつですが、食パンもきゅうりもあったので、再挑戦しましたが、絶品でした。今回は、きゅうりの皮も使って、触感、出しました。

日々のことば、きっかけ

ということで、今日もきっかけを探していきる、小生、であります。

辻仁成展覧会情報

近づいてきました、日動画廊パリでのグループ展です。15日から、始まりますよ、3月7日まで・・・。
GALERIE NICHIDO paris
61, Faubourg Saint-Honoré
75008 Paris
Open hours: Tuesday to Saturday
from 10:30 to 13:00 – 14:00 to 19:00
Tél. : 01 42 66 62 86

それから、8月前半に一週間程度、東京で個展を開催いたいます。
今回のタイトルは「鏡花水月」です。(予定)
タイトルは突然かわることがございますので、ご注意ください。

そして、11月初旬から3週間程度、リヨン市で個展を開催予定しています。詳細はどちらも、決まり次第、お知らせいたしますね。
お愉しみに!

そして、電子書籍で「海峡の光」が配信されております。文学の方もどうぞ。

海峡の光 (Kindle電子書籍版)
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日々のことば、きっかけ

辻仁成 Art Gallery



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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。