PANORAMA STORIES
パリのすし屋のレベルに驚く父ちゃんの巻 Posted on 2026/01/17 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
日本に帰ると、いろいろな和食を頂きますし、仕事で連れて行って頂くこともありますが、フランスで、寿司屋に行くというのはあまり経験がありません。
理由は、魚が違うので、やはり日本近海の魚のようなしまったいい魚がいない、というのもあります。
でも、こちらの「JIN」さん、ちょっと、びっくりしたんで、ご報告です。
こちらは、さとしさんと、あきさんの二人組の職人さんが運営しているお寿司屋で、40歳前後かな、日本で20年、そのあと、シンガポールなどを転々として、パリに辿り着いたのだ、とか・・・。
で、結論から申し上げますが、銀座とかで食べるお寿司に負けない、もしかすると、もっと美味しいんじゃないか、と思うような出来栄えで、舌を巻く、父ちゃんでありました。

右がさとしさん、左があきさん、です。二人が同時に握って、カウンター左右のお客さんに非常にリズミカルに、出されます。
ぼくは御存じ、国虎屋の野本に連れていかれまして、
「いや、今日はお腹空いてないし、寿司は無理」
と言って、量を少な目、と最初にえらそうに、お願いしておきながら、握りを口に入れた時に、目が見開いてしまいました。
まず、しゃりが、素晴らしかった。
赤酢二種類をブレンドして作ったしゃりだそうで、米粒が絶妙に立っています。
おすし一つのしゃりの量が8g~10gのあいだだそうで、ちょうどいいサイズ感なんです。
個人的に大きな寿司が苦手なのと、彼らの握りは、ふわっと包み込むように空で握る感じなのと、寿司のネタがしゃりを覆うように、ちょっと屋根のような感じで載せられており、ネタの内側から、しゃりが混ざって来る絶妙な味わいは、驚きでもありました。

焼き鯖寿司が最後の方に出てきますが、よく焼かれた炭を鯖寿司に押し当てていくわけですが、実に上品で、美味しゅうございました。



こちらは大トロですが、中に赤酢のしゃりがくるまっておりますが、寿司というよりも、言い方はものすごく悪いのでごめんなさい、イタリアの漁港のシェフが目のまえで作ってくれた冷たいリゾットのような、リゾットってやっぱり、お米が立っているのが大事であの腰のある感じが、トロと溶け合い、変な言い方ですが、海辺のイタリアの漁師さんが作る絶品ななんだかわからない魚料理ご飯を食べているような、ですね、感動がありました。
ごめんね、言いたいこと分かる?
ここにはもちろん、むらさきなんか、ないわけですが、エキストラバージンオリーブオイルを感じるというか、なんでしょうね、やっぱり、欧州の寿司なんだな、と改めて自分が感動している理由が分かるような出来栄えでございました。
お値段は、安くはないですが、銀座で食べるお寿司と同じくらいだと思います。
10人も入れば満席ですから、しょうがないですね。
ぼくら以外は英語圏の方々でした。

もう、これは、あり得ないレベルで、脱帽です。
また、いつか、行きたいですね。
久々の贅沢をしてしまった、父ちゃんです。たまには、自炊だけじゃなく、ご褒美も必要な短い人生の途上より。
えいえいおー。

あまりのうまさに、驚く、のもちゃん。
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JIN
6 Rue de la Sourdière, 75001 Paris
辻仁成展覧会情報
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フランス日動画廊パリでのグループ展に参加中。3月7日まで。途中で、作品が入れ替わる予定です。
GALERIE NICHIDO paris
61, Faubourg Saint-Honoré
75008 Paris
Open hours: Tuesday to Saturday
from 10:30 to 13:00 – 14:00 to 19:00
Tél. : 01 42 66 62 86
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それから、8月前半に一週間程度、東京で個展を開催いたいます。
今回のタイトルは「鏡花水月」です。
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そして、11月初旬から3週間程度、リヨン市で個展を開催予定しています。詳細はどちらも、決まり次第、お知らせいたしますね。
お愉しみに!
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そして、電子書籍で「海峡の光」が配信されております。文学の方もどうぞ。
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Posted by 辻 仁成
辻 仁成
▷記事一覧Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。


