PANORAMA STORIES

日仏文学列車に乗って松山へ Posted on 2026/02/10 辻 仁成 作家 パリ

おつかれさまです。
友人でもあるフランス人作家のコラスさんから連絡があり、この秋に文学イベントがあるのだけれど、参加してもらいたいんだ、というのである。
「どんなイベントですか?」
「24時間の小説、というイベントなんですね。京都からJRのTWILIGHT EXPRESS 瑞風号に日仏の作家が乗り込み、12時間かけて松山を目指し、車内で同じテーマの小説を書く(正確には、共通する登場人物を主軸に、もしくは取り込んで描く)という企画で、最終的には、出版化されるんですよ」
「へー、面白そうですね。やります」
 昔、詩人の谷川俊太郎さんと仲が良かった頃、うちに遊びに来た谷川さんに、「面白いと思う仕事は断らない、でも、面白くなければ二度としない」と教えられ、ぼくの間口は広くなった。
ということで、フランス人作家6人(ゴンクール賞作家)、日本人作家6人(芥川賞作家)ということで、その中の一人になった、Hitonari TSUJI。
松山って、昔、一度立ち寄った記憶があったけれど、定かではない。
なぜ、松山なのか、だれもわからない。フランス人も、もしかすると、日本人作家も、松山とゆかりのある人は少ないかもしれない。
でも、松山城が有名だし、一度行きたいところだった。とにかく、面白そうなのである。

日仏文学列車に乗って松山へ

※ パリ文化会議か何かで、松山の市長さんがこのイベントをプレゼンしたらしい。どういう反応だったのかは、分からないが、在日本フランス大使館がかなり積極的に応援をしている、らしい。すべて、人伝の情報です・・・。要確認。
左下、一番下に、ぼくの名前を見つけることが出来ますね。



ディレクターがカナダ人のアンヌさんで、ほぼ、毎日、フランス語メールでやりとりをしていて、会ったことがないけれど、すでに、気持ちは通じている気がします。
ぼくの仏語は丁寧じゃないので、AIにちょっと、助けてもらっている。
実はアンヌさんは、2015年に、この同じスタイルのイベントをカナダとフランス間で展開したことがあったそう。
その時はフランス語が話せる人だけだったので、12人の編集者が列車に乗り込み、12時間執筆、12時間編集、到着したら、印刷され出版、というものすごい速度のイベントだった。(すいません、もしかすると、間違えているかも、ぼくの仏語力、理解力の問題で・・・・)
それを今度は日本でやろうということになった。で、JR西日本が賛同されたらしく、あの、TWILIGHT EXPRESS 瑞風号を走らせてくれるというのだから、ほお、面白くない?
でも、本当に実現できるの? 
季節は秋らしい。ぼくは秋に再び、日本を目指すことになります。
ミステリーな旅だけれど、ぼくがそこに参加するには、ノルマンディから、パリを経由し、東京かもしくは大阪を経由して、京都にむかい、そこで作家の方たちと合流、一緒に瑞風号に乗り込んで、松山を目指さないとならない・・・。
小説って、孤独な作業だから、こういうサッカーの試合みたいな刺激のあるイベントは、大いなる気休めになりますね。
さて、どうなるのか、本当に、実現できるのか、・・・愉しみ。
まだ、何も、全容がわかってない、今の、ぼく・・・大丈夫か、笑。
えいえいおー。

日仏文学列車に乗って松山へ

※ ノルマンディは、今日も降ったりやんだり、でした。

日仏文学列車に乗って松山へ

2026年の父ちゃんの現在地

3月7日まで日動画廊でグループ展に参加中ですので、ぜひ!
電子書籍「海峡の光」
パリのオランピア劇場ライブ盤、各配信サイトで配信中。
3月11日に、文庫「父ちゃんの料理教室」大和書房。
3月18日に、エッセイ集「キッチンとマルシェのあいだ」光文社。
8月5日から三越日本橋本店特選画廊A全面で「辻仁成展、鏡花水月」。
10月、パリ、アートフェア出展の予定
同時期、24時間日仏仏文学イベント。決まり次第お知らせします。
11月、リヨンでの個展、決定。
同月、パリでのライブ、予定・・・。
この頃、小説「泡」刊行予定。
他、予定多数・・・。あくまでも、予定ですが・・・。



自分流×帝京大学

Posted by 辻 仁成

辻 仁成

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Hitonari Tsuji
作家、画家、旅人。パリ在住。パリで毎年個展開催中。1997年には「海峡の光」で芥川賞を受賞。1999年に「白仏」でフランスの代表的な文学賞「フェミナ賞・外国小説賞」を日本人として唯一受賞。愛犬の名前は、三四郎。