ノルマンディ、ツジ村便り
ノルマンディの夕陽 Posted on 2026/03/21 辻 仁成 作家 パリ
おつかれさまです。
先が見通せない時代になりましたね。コロナ禍の時にも、たいへんなことになった、と思っていましたが、このイラン戦争は、どうなるのか、さすがに予測が出来ません。もしかすると、トランプ大統領も出口が見えてない気がします。プーチンさんもまさかウ露戦争が5年目に入るとは思わない戦いだったでしょうからね、すぐに終わると思って、すでに5年。イラン戦争が5年続いたら、もう、アウトですね。世界中が、思った通りにならなくて、あっちこっちで火を噴き上げている状態で、たとえば、ぼくが日本に戻る便も、どの上空を飛ぶのか、悩ましい状態でして、こんなことになるだなんて、という日々でして、朝起きてニュースを見ると、深いため息ばかりが出てきて、うんざりしています。
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なので、今日は祈るような思いで、海まで行き、沈む夕陽を眺めてきました。
せめて、その美しい世界の写真を皆さんに届けたい。こういう穏やかな世界が壊れないように、祈ることしか、出来ませんが、どうぞ、御覧ください。


この美しい海の淵をだれかが歩いていました。この人、まさか、日本でたくさんの人に見られるとも思わないで歩いていたんだと思います。瞬間の奇跡ですね。
たまたま、苦しい心を抱えて海まで行ったら、この人が歩いていた、というわけです。この空、さすがに、すごすぎて画布に再現できません。自然って、すごいですな。
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世界が平和になりますように。


時々、若かった頃のことを思い出すんです。とくに最近・・・。
あの頃のぼくは立ち止まることも、振り返ることもありませんでした。
でも、今、けっこう、長生きをしてしまったせいもあるのでしょうが、昔のことが脳裏を過ります。
それも、はっきりとした記憶じゃないんです。ぼんやりとした残影のような記憶です。
ずいぶんと、長く生きてしまったな~、と・・・。
それでも、こうやって、日々は過ぎていきますね。どこまでが現実で、どこまでが幻なのか、悩ましい境目(空と雲のあいだ)をぼくも歩いています。あの夕陽の中を歩く人のように・・・。
あなたが、良い一日でありますように。


